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シークレットモード閲覧記録、グーグル数十億件削除へ-集団訴訟和解

  • 秘密モード閲覧時にサイトからどのような動きが見えるか明確にする
  • 第三者クッキーを今後5年間ブロックできるようにすることにも同意

米グーグルは「シークレットモード」に設定したウェブブラウザーの閲覧記録を削除すると明らかにした。秘密モードに設定しても知らないうちに閲覧を追跡されていたとして、ユーザーらが2020年に起こした集団訴訟の和解条件が1日に公開された。

  アルファベット傘下グーグルの人気ウェブブラウザー「クローム」で、プライバシーを保護するシークレットモードに設定したユーザーのデータがひそかに収集されていたと原告側は主張。ユーザーはクローム使用時にデータ収集を設定でオフにできるはずだが、広告テクノロジーなどウェブサイトで使われる他のグーグルツールでユーザーのデータを入手していると訴えていた。

  グーグルと原告らは昨年12月に和解で合意。サンフランシスコ連邦裁判所への提出書類の詳細によれば、同社はプライベート閲覧を反映する「数十億件」のデータ記録を消去する。ユーザーデータの収集方法やシークレットモード閲覧時にウェブサイトからどのような動きが見えるか明確にするため、情報開示に幾つか変更を加え、シークレットモードで利用者が第三者のクッキーを今後5年間ブロックできるようにすることにも同意した。

  グーグルの広報担当ホセ・カスタネダ氏は「この訴訟の決着をうれしく思う。われわれはシークレットモード使用時にユーザーとデータを関連付けることは決してない」と発表資料でコメントした。

  原告側は50億ドル(約7600億円)の損害賠償を求めていたが、和解案に金銭的支払いは含まれていない。個人がグーグルを州裁判所に提訴し、損害賠償請求できるとしており、原告代理人らによると、約50人が既に行動を起こした。

  原告代理人らは今回の決着が「画期的」なものであり、データの収集・使用方法を巡り大手ハイテク企業にユーザーへの透明性確保を求める「歴史的一歩だ」と評価した。

原題:Google Will Delete Browsing Data in ‘Incognito’ Settlement (1)(抜粋)

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