OpenAIの製品責任者であるニック・ターリーは、ChatGPTユーザーに5つのヒントを教えてくれた。
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- OpenAIの製品責任者であるニック・ターリーは、ChatGPTのユーザーは音声モードを試すべきだと話している。
- ターリーはChatGPTのユーザーに文書のアップロードや独自のGPTの作り方のヒントを教えてくれた。
- OpenAIは2024年初めに最新モデルGPT-4oを発表している。
多くの人々がChatGPTを使ってドキュメントなどを作成したり、仕事のメールを書いたりしているだろう。だがOpenAIの製品責任者であるニック・ターリー(Nick Turley)は、他にもユーザーが試す価値のある便利なヒントをいくつか紹介している。
最近、ポッドキャスト(Podcast)「ハード・フォーク(Hard Fork)」のエピソードの中で、ターリーはChatGPTユーザー向けに5つのハックを共有した。その内容には、音声モードを使ってこのチャットボットと会話することや、ChatGPTをカスタマイズして、ライティングの質や表現力を高めるためのサポート、マーケティング戦略の開発、写真をイラストに変換することなどが含まれていた。
ターリーは、これらのヒントは必ずしも高度な知識を要求する「ロケット科学」ような難しいものではないと話している。最新モデルのGPT-4oの多くの新機能を十分に理解していないユーザーにとって、新たに役立つツールを彼の話から見つけることができるかもしれない。
音声モードを試す
もしあなたがタイピングをしたくない気分のときは、話していみるといい。OpenAIによると、ChatGPTの音声機能には、プロの声優の声を基に開発された自然で人間らしい音声が9種類搭載されており、設定で切り替えることができるという。
ターリーは、「これはChatGPTを使う、まったく新しい方法だ」と述べている。
「これはこれまでに存在したことがない。あなたがこれまで試したどんなテクノロジーとも違う」
ユーザーは音声でチャットボットと会話することができ、実際に「感情的で個人的な」会話を交わすことができたと感じる人もいる。だが、AIをセラピストとして使うことに対して慎重になるよう警告する人もいるのは確かだ。
サインインするすべてのユーザーは標準的な音声機能を使えるが、自然でリアルタイムの会話を提供する高度な音声モードは、現在、有料プランのChatGPT PlusとChatGPT Teamのユーザーのみが利用可能である。
ChatGPTに特定の事柄を覚えさせる
もし繰り返し同じことを伝えることが面倒であるなら、ChatGPTに特定の事柄を覚えさせれば、その情報を元にしてChatGPTの応答はより適切に改善される。
ターリーは、「ChatGPTがあなたの情報を推測するのを待つ必要はない」と言う。
「ユーザーは、自分について覚えてほしいことをそのままAIに教えればいい」
彼はさらに覚えてもらえる内容として、「仕事だったり、家族の状況だったり、自分が望む応答のスタイル、好きな食べ物などなど」があると説明している。
ユーザーはChatGPTに覚えてほしいことを直接伝えることができ、またそのメモリーをいつでもオフにしたり、消去することもできるという。ターリーは、ChatGPTに自分の情報を覚えさせるために必要なこの手間は、「価値がある」ものだと話している。なぜなら、このチャットボットの記憶機能は時間が経つにつれ、どんどん賢く、正確になっていくからだ。
ChatGPTはカスタマイズできる
ユーザーは、プログラミングの知識や技術を使わずに自分だけのカスタマイズされたChatGPTを作成することもできる。
「実際、さまざまな理由で、自分でカスタマイズしたChatGPTを作る人がいる」とターリーは言い、「例えばよく使うプロンプトがある場合、そのプロンプトを使う専用のChatGPTを作ったほうがいい」と続けた。
ユーザーの指示に基づいて、語学学習やデータ分析に基づいて特定のタスクに集中するようにChatGPTはカスタマイズできる。さらに高度なデータ分析や、DALL-E(ダリ―)を使った画像生成などの設定を加えることも可能だという。例えば、あるユーザーは自分がカスタマイズしたChatGPTで、人の写真をピクサー風のキャラクターに変換する機能をXに投稿している。
「基本的なカスタマイズはとても簡単で、素早くできてしまう」とターリーは言う。
「 それによってあなたは自分のChatGPTに望むことすべてをカスタマイズできるようになる 」
ユーザーは自分がカスタマイズしたChatGPTのリンクをシェアすることもできる。このリンクを公開し、インターネット上で他の人がアクセスすることもできるが、ユーザーは自分が作成したChatGPTを非公開にすることもできることもターリーは保証している。
ファイルをアップロードする
このあまり知られていないChatGPTの機能について、ターリーは「非常に素晴らしいものだ」と説明する。この機能はChatGPT Plus、また企業向けのChatGPT Enterprisのユーザー向けに提供されており、テキストファイル、ドキュメント、スプレッドシート、プレゼンテーションなどをアップロードしてアカウントに保存することができる。
ChatGPTはアップロードされたテキストを分析し、要約やフィードバックを提供したり、特定の情報や引用を抽出したり、2つの文書を比較対照することが出来るようになる。ターリーによると、この機能は、「長い論文を読まなければならないとき」や「処理しようとしているマニュアルがあるとき」などに特に役立つという。
「多くの人がこの機能が存在することを知らない。この機能は本当に強力だ」
画像機能を活用する
「テキストを重視する人と画像を重視する人がいることが分かったが、その人々はほとんど重ならないように感じている」とターリーは言う。
このOpenAIの幹部は、ChatGPTはテキストと画像の両方をサポートしているため、両者の間でより多くの「相互作用」があればよいと考えていると話す。ChatGPTはテキストを扱う機能がよく知られているが、画像も理解する能力もある。
同社の画像生成ツールであるDALL-EもChatGPTに組み込まれており、会話からカスタム画像を作成することができる。ターリーは、さまざまなタスク、例えば誕生日カードを作成したいときに、この二つの機能を組み合わせて利用することを提案している。
「おそらくあなたはChatGPTのテキスト生成機能とDALL-Eの画像生成機能を両方使いたくなるだろう。ちょっとしたカスタム画像を作って、かわいらしい詩を考える、という感じで」とターリーは言う。
「両方の機能を組み合わせて使う方法があるのに、それを理解している人は意外と少ないと思う」