韓国の空港で29日朝、チェジュ航空の旅客機が着陸に失敗し炎上し、犠牲者の数は、150人を超えた。現場からFNNソウル支局・濱田洋平記者に伝えてもらう。

犠牲者多数…旅客機着陸に失敗し炎上

事故が起きた空港の滑走路の近くには、墜落した機体の一部、おそらく尾翼部分だと思われるものが確認できる。翼などが黒焦げとなっている。

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事故発生から8時間以上がたつ午後5時半現在も、いまだに周囲にはオイルのような匂いが残っている。

そして、機体は滑走路を取り囲む壁に衝突して炎上したが、滑走路はずっと離れたところにあり、機体がものすごい勢いで壁に衝突していたことが分かる。

韓国南西部にあるムアン空港で29日午前9時過ぎ、タイ・バンコク発のLCC・チェジュ航空の旅客機が胴体着陸を試みたところ失敗し、炎上した。

機内にいた乗客乗員181人のうち、客室乗務員2人は機体後方から救助されたが、韓国メディアは、これまでに151人が死亡したと報じていて、消防は搭乗していた人の大半が死亡したと推定されるとしている。

韓国の「聯合ニュース」は、「旅客機が着陸する直前に鳥の群れと正面衝突し、鳥がエンジンに吸い込まれるような音がした」という目撃者の話を伝えていて、消防はバードストライクの可能性があるとみている。

政治的な混乱が続く中で起きた大惨事に、韓国社会は大きなショックを受けている。韓国政府は、事態の収拾に全力を尽くすとしているが、混乱が影響する懸念は拭えない。

専門家「機体トラブル」か…

今回の事故の原因について、機長の経験もある航空評論家は「機体トラブル」の可能性を指摘している。

航空評論家(元日本航空機長)小林宏之氏:
着陸装置が出ていないために、着陸後、ブレーキも利かない、方向維持もできなくてそのまま建物(壁)に激突したということだと思います。

事故当時の映像を見る限り、機体から着陸装置のタイヤは出ておらず、小林氏は「着陸装置自体のいろいろなメカニカルな、機械的なトラブルの可能性があるかと思います」と話した。

旅客機がバードストライクによって胴体着陸を余儀なくされた可能性について、小林氏は「胴体着陸する場合はそれなりの準備をして胴体着陸するが、今回の場合は、そのまま着陸してしまった可能性も考えられる。(その影響で)事故が大きな事故になってしまった可能性があるのではないかと思います」としている。

※死亡人数について、その後情報が更新され、午後7時時点で176人となった。
(「イット!」12月29日放送より)

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