日本列島を襲った最強寒波で生活に影響が出ている。神戸では道路凍結で立ち往生する車が相次ぎ、事故も発生。 関西各地の被害を総力取材した。
■最強寒波で日本海側を中心に大雪
積もったばかりの雪の上を歩く様子に渋滞する車など…SNSに相次いで投稿された雪の映像。 そして奈良市では9日朝の最低気温が0.4度となり、シカの体にも雪が…
日本各地を襲った最強寒波。近畿各地では9日未明から大きな影響が出ていて、日本海側を中心に大雪となっている。 大阪管区気象台も臨時で会見を開いた。
大阪管区気象台 小畠豊気象防災情報調整官：9日から10日にかけて降雪が強まり警報級の大雪となる恐れがあります。
■「ようけ降らんことを祈るだけです」住民は朝早くから雪かき
兵庫県香美町では、最低気温が氷点下1.2度と今シーズン一番の寒さとなり午後2時に11センチの積雪を記録。住民は朝早くから雪かきに追われていた。
住民：（Ｑ最強寒波と言われてますが）これからですわ、これからようけ降らんことを祈るだけです…また降ってきたわ。
住民：あした（10日）からが怖いなと思ってるんですけどね。
カメラマン：僕ツルっと滑りました、さっき。
住民：やっぱり慣れてないから。
■兵庫県豊岡市の最低気温は氷点下0.9度
また、兵庫県豊岡市では、けさの最低気温が、氷点下0.9度に。城崎温泉では、雪が激しく降る中、観光客が足湯で暖をとる姿も見られた。
観光客（日本在住のベトナム人）：足湯めっちゃ気持ちいいです。
台湾からの観光客：（雪景色が）とてもロマンティックです。（Ｑ.寒くないですか？）大丈夫です。
このほか、京都府の京丹後市でも最低気温が氷点下0.1度とこの冬一番の冷え込みとなり、横殴りの雪が降った。
■神戸市北区で車が立ち往生
想定外の雪に見舞われたのは三田市や神戸市。 設置された定点カメラをみると、積雪の様子がよく分かる。 あたりも暗い午前3時30分ころ、雪がちらちら降り始め…30分ほどで道路は真っ白に。 あたりが明るくなった午前7時30分ころになると交通量も増えていく。
そうなると起きるのが車のスリップ。ワンボックスカーが斜め向きに止まってしまった。 少し前進するもののまたストップ。ほかの車が次々と追い越していく。 取材ヘリが午前10時ころ、この場所付近にむかうと…
カメラマンリポート：神戸市北区上空です。雪の影響で車が立ち往生しています。路面は凍結しているようです。
■ゆるやかな坂道で事故が複数件発生
8日夜からの積雪で雪景色となった有馬温泉。訪れた人は足元を気にしながら歩いている。
神戸から来た親子：実家が有馬にあるんです、けどどおじいちゃんが雪がすごいからというので安全に電車できました。ちょっと遊ぶ、雪いっぱいあるから。
一方、有馬温泉に向かう道路では…
カメラマンリポート：有馬温泉近くの道路です。数台の車が立ち往生しています。先頭の車が溝にはまったのでしょうか、身動きがとれてないようです。
ゆるやかな坂道で事故が複数件発生し、道路を塞ぐなどしていた。
記者リポート：車が坂を上りきれずにぶつかってしまったということです。
前を走っていた車はノーマルタイヤで雪道に入っていた。後続の車の運転手は…
事故にあった運転手：私は止まっていたら前の方が滑ってきた。私は（スタッドレスタイヤを）履いてるんだけどって状態です。
■「『急』のつくような操作はできるだけやめて」注意が必要な運転
日本自動車連盟＝JAFが、坂道でのノーマルタイヤとスタッドレスタイヤを比較した実験映像では、ノーマルタイヤの車は、坂を上り切れず後ろに滑っていた。 さらに勾配が急になるとスタッドレスタイヤでも坂道を上ることはできなかった。 いつも以上に注意が必要な雪道の運転。
滋賀・愛荘町JAF滋賀支部・竜王基地 二見昌則班長：急ハンドルや急アクセル、急ブレーキなど『急』のつくような操作はできるだけやめていただいて、車間距離は倍以上とってもらいたい。
JAFの担当者は、なるべく雪道での運転は控えて欲しいと話しています。
■寒さで水道管が凍結 「水を細く糸で出すような形で対策を」
一方、9日朝の大阪市内も厳しい冷え込みとなった。
通勤中の人：きょうはもう足裏にもカイロ貼ってるんです。寒いの嫌いなんで（笑）
また、今後を心配するこんな声も。
通勤中の人：実家に行って庭にある水道管が凍らないようにはしようとは思っています。
大阪府の北部を管轄する水道センターには、ここ数日の寒さで水道管が凍結したという通報が複数件寄せられているということだ。
大阪広域水道企業団豊能地域水道センター 高井貴夫所長補佐：夜の間にお風呂場に水をためてもらうような形で、水を細く糸で出すような形で水を出していただくと凍りにくくなったりしますのでそういうふうな形で（対策を）お願いはしています。
■大阪管区気象台などは大雪に警戒呼びかけ
近畿地方整備局と大阪管区気象台などは大雪への十分な警戒を呼びかけた。
大阪管区気象台 小畠豊気象防災情報調整官：この降雪のピークですが近畿地方では10日午前中を見込んでいます。
大阪管区気象台によると、10日正午までの24時間降雪量の予想は多い所で京都府の山地で30センチ、兵庫県の山地では60センチとなっている。
また近畿地方整備局によると、名神高速道路の一宮インターチェンジと栗東湖南インターチェンジの間、北陸道の敦賀インターチェンジと米原ジャンクションの間で10日午前2時から通行止めを実施する予定だということだ。
近畿地方整備局道路部 南知之道路情報管理官：大雪が予想される地域への外出の自粛、出控えというのをぜひともお願いしたいと思っております。
■鉄道にも影響が 北陸線と湖西線で本数減らし運転
また、雪の影響は鉄道にも出そうだ。 JR西日本によると10日、北陸線と湖西線で始発から普通列車の本数を減らして運転するということだ。 雪の状況によっては、その他の区間でも、列車の遅れや運転取り止めが発生するおそれがあるため、ホームページなどで運行状況を確認するよう呼びかけている。
