メキシコの開発者Alonso Martin氏率いる開発チームは、90年代の探索型JRPGにインスパイアされた『Heart Forth, Alicia』のKickstarterキャンペーンを開始しました。キャンペーンは5月16日まで実施される予定となっていますが、すでに初期目標額の6万ドルをこえ7万5,000ドル以上の開発資金を集めています。
『メトロイド』や『悪魔城ドラキュラ』のような広大なマップを探索していくMetroidvaniaジャンルの作品となる『Heart Forth, Alicia』。プレイヤーは魔法使いAliciaを操作して、巨大な森や荒涼とした砂漠、遺跡や賑わいを見せる町などにまたがる『Heart Forth, Alicia』の12のロケーションを探索していくことになります。
ゲームプレイは剣と魔法を使って戦う2D横スクロールアクションで、それぞれをゲームをプレイしていく中にてアップグレードしていくというスタイル。新たに獲得した魔法で道を塞いでいたパズルを解いてさらに探索できる場所を増やす、シークレットを探すといった、Metroidvaniaお馴染みの要素も盛り込まれています。
開発のAlonso Martin氏によれば、同作は『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』のしびれるようなゲームプレイや『ゼルダの伝説』シリーズの広大なワールド、そして『ゼノギアス』のような魅力的なストーリーなど90年代JRPGのスピリットを受け継いでいるとのこと。16bitおよび32bitのゲームプレイを組み合わせ、さらに近代的な要素とユニークな世界観や設定を加えたようなタイトルとなる模様です。
レベリングシステムや装備品含むアイテム収集などRPG要素を搭載。ミニゲームやチャレンジ、村の人々を手助けするサイドクエストとその目標地点を明記したミニマップシステムなども完備。RPGのツボは抑えているといった感じです
剣と魔法を中心としたハイスピードな戦闘アクション。Aliciaの後をついてくる妖精はそれぞれの状況や敵対者に応じて様々なサポートを行ってくれる
『Heart Forth, Alicia』のワールドには、AusterとQuilithと呼ばれる2つの古き大地の島が存在します。1世紀前に巨大な隕石が落下して巨大な空間が開き、大地や海がこの空間の中へと全て落ちてしまったため、同作の世界にはまるで空に浮かぶようにこの旧大地の島が残されているのです。その島の1つであるAusterには魔法使いの小さな村Breniaが存在し、プレイヤーが操作する主人公は魔法の血を引く最後の人間の1人Aliciaという設定。
Brenia村の魔法使いたちは半世紀前にも島の力を使用したため、Elthelianと呼ばれる光のスピリットから子供が生まれなくなる呪いを受けています。Aliciaが同じく魔法の血を引く最後の人間Hostraと共に魔法使いになるための試練を受けていたところ、彼らを先導していた魔法使いがこのElethelianに殺されてしまう。そしてスピリットに魅入られたHostraによりAliciaが崖から落とされてしまった、というのが物語の始まりです。
ストーリーにて興味深いのは開発者のAlonso Martin氏がメキシコにて映画ディレクターやスクリーンライターとしても活躍しているという点。同氏は15以上のショートフィルムやTV/インターネットのスポットを手がけており、『Heart Forth, Alicia』でも実写映像が登場する予定で、謎の女性の口より物語の背景が語られていくそうです。ただMartin氏はあくまで同作の主役はMetroidvaniaなゲームプレイであり、ストーリーは背景から影響を与えるような存在であると留意しています。
なおゲーム内容以外でも面白いのが、このKickstarterキャンペーンをSFサンドボックスゲーム『Starbound』の開発で知られるChucklefishスタジオが支援しているという点。Chucklefishはここ最近『Risk of Rain』などインディーゲームのパブリッシングと支援に力を入れていることで知られていますが、同作にも『Risk of Rain』などと同様のポテンシャルを感じたということなのでしょう。
『Heart Forth, Alicia』は2015年中旬にリリース予定。2Dアクションジャンルの作品は日毎に山ほど登場するクラウドファンディングですが、久々に期待の大作が登場したという予感で、気になる方はお金を握りしめてKickstarterのキャンペーンページをチェックしてみましょう。