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7月25日掲載のオリンピックに関するコラムにつきまして

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Tokyo 2020 Olympic Games opening ceremonyTOKYO, JAPAN - JULY 23: Artists perform as fireworks explode above the stadium during the opening ceremony of the Tokyo 2020 Olympic Games at the Olympic Stadium in Tokyo, Japan on July 23, 2021. (Photo by Ali Atmaca/Anadolu Agency via Getty Images)
  • Tokyo 2020 Olympic Games opening ceremonyTOKYO, JAPAN - JULY 23: Artists perform as fireworks explode above the stadium during the opening ceremony of the Tokyo 2020 Olympic Games at the Olympic Stadium in Tokyo, Japan on July 23, 2021. (Photo by Ali Atmaca/Anadolu Agency via Getty Images)

日頃よりGame*Sparkをご愛読いただきありがとうございます。

7月25日に掲載しました記事「東京オリンピック開会式への怒りと絶望…ゲームへのリスペクトがない演出とそれをありがたがる人々が許しがたい【コラム】」につきまして、編集部内外から多数のご意見を賜りました。ここで改めて掲載・内容の意図について、編集長の宮崎からご説明いたします。

まず、この2日間コメント欄が正常に機能しなくなった上に、いくつもの特集や「じゃんげま」などの掲載も延期することになってしまい、またこのご報告も遅れましたことを読者の皆さまにお詫びいたします。

今回掲載された記事については編集部からワニウエイブ氏へ依頼したものであり、何かの手違いで勝手に掲載されてしまった、編集のチェックができていなかった、ということはありません。

該当記事の文責は筆者及び編集部にあり、一義的に編集長である私の責任です。その責任において多数の批判やそれによって生じる諸問題を引き受ける覚悟で掲載いたしました。

“編集部の総意(=関係者全体の意見)なのか?”という質問も多数ありましたが、答えはNOです。あくまで「オリンピック開会式でゲーム音楽が採用されたこと」に対する見方のひとつを提示したもので、編集部や関係するライターの全員が、先の記事と同じ意見を持っているわけではありません。また、常に特定の政治思想を背景にしながらコンテンツを制作しているということもありません。

記事掲載の意図について

前段でも触れているとおり、オリンピックにゲーム音楽が使われて盛り上がっている一方で、全員がその流れに乗れるような状況ではないこと、一瞬にして空気が変わることに対して違和感を覚え、私自身がワニウエイブ氏に執筆を依頼しました。ゲームメディアであれば、忌避される表現であり、話題であるということは理解しつつも、やはりこうした視点の記事も必要だろうと判断しました。

もちろんそのライターの人選や表現についての批判は、記事において煽情的な表現が多かったり、読者やクリエイター、ライターを含む多くの人たちが強い批判をしている以上、冒頭の通り批判があることは覚悟の上で掲載しています。今もってして掲載という判断が間違っていたとは考えておりません。

記事内容について

政治的すぎる内容について

“過度に政治的な内容だ”という指摘を多くいただきました。記事の編集にあたっても最も逡巡した点です。

編集としては、氏の主張を記事内で完結させるには該当記事において、政治スタンスを明らかにしない限り「見ていないで怒っている」という点にどうしても繋げられないですし、政治性を排除してこの論旨にもっていくことが極めて難しいと判断しました。全ての記事においてどのような主義主張に立脚しているかを示す必要もないと考えていますし、何が何でも政治の話をしたいということは一切ありません。しかし該当記事においては、それが必要だと判断し、大きく分量を割きました。

また、書き手の感情をなるべく削がない形で掲載することをよしとし、その結果論点が散漫になってしまったこと、攻撃的な部分を残したことに批判があることは承知の上です。

見ていないのに批判をできるのか

また、“見ていないのに批判できるのか”、というご指摘も多数いただきました。特にタイトルにおいて、実際に見た人間が書いてるのだと誤認させるものであり、本文を読んでみたら実際に開会式を見てないとは噴飯ものであるという批判は内部からもありました。その点は自分の落ち度だと考えています。

記事そのものについては、なぜ見ていないかは筆者の立場を明らかにした上でまとめており、“今回の東京五輪においてゲーム音楽を使う”ことの意味と、それに対する世間のリアクションについて氏の意見をまとめてもらいました。もちろんレビューやプレイレポートなどとは性質が異なる記事であると認識しており、開会式の様子そのものよりも、東京五輪とその開会式を取り巻くその状況が記事の対象であることから、開会式を見ていないことは致命的な欠陥ではないと判断しました。

一部ではGame*Sparkレビューやプレイレポートの制作姿勢に対しても疑念が呈されていますが、各記事内でも記載しているとおり、レビューについてはメーカー提供のものは利用せず、自費でゲームを購入してからクリアまでプレイすることを必須としています。またレビューに関して、ゲームがいかなる既存の評価を受けていたとしても、編集部側で事前にゴール(結論)を設定・強制することはありません。

今回の記事を通じ、Game*Sparkの他の記事に編集部の特定の思想が強く含まれているのではないかと疑念を持たれた方もおりますが、そのようなことは一切ありません。そのような疑いを招いてしまったことにつきましては、寄稿してくれている多くのライターや漫画家の方々に申し訳なく思います。

媒体の方針について

“今後もこうした記事を増やしていくのか”といった声も多くありましたが、そのような方針はありません。基本的にはコアゲーマーのためのゲームニュース、漫画を含む特集、インタビューやレビュー・プレイレポが中心となりますし、その割合を大きく変えることはありません。一方で、メディアとして常にさらなる洗練や拡大も模索しており、今後も様々な新企画・特集、様々なコラムなどをコアゲーマーの読者の皆様に向けお届けしていきます。

ただし、古くからあるゲーマー蔑視や表現規制の問題、近年大きく取り上げられるジェンダーや人種差別の問題、ゲームの選挙利用等々、ゲームメディアとも無関係ではない様々な政治的要素を孕む事柄が常にでてきますし、どのトピックをニュースとして報じるかという判断だけでも、政治的な要素になり得ると考えています。今回の様々なご指摘やご意見を参考に、適切な距離感や温度感を保ちながらコンテンツ作りに励んでいきたいと思います。

最後に、Game*Sparkでは、社内外の編集者+外部のライターという体制で運営しておりますが、寄稿していただいているライターの皆さんのほとんどは本件記事の掲載意図も経緯も知る由もありませんし、もちろん同じ考えということもありません。本記事に関してのご意見やご批判は編集部宛てにいただければ幸いです。

Game*Spark編集長
宮崎 紘輔

※UPDATE(2021/07/27 21:00):本文中、レビューとプレイレポートの制作姿勢の説明について誤解を招く表現を修正しました。

《宮崎 紘輔》

タンクトップおじさん 宮崎 紘輔

Game*Spark、インサイドを運営するイードのゲームメディア及びアニメメディアの事業責任者でもあるただのニンゲン。 日本の新卒一括採用システムに反旗を翻すべく、一日18時間くらいゲームをしてアニメを見るというささやかな抵抗を6年続けていたが、親には勘当されそうになるし、バイト先の社長は逮捕されるしでインサイド編集部に無気力バイトとして転がり込む。 偶然も重なって2017年にゲームメディアの統括となり、ポジションが空位になっていたGame*Sparkの編集長的ポジションに就くも、ちょっとしたハプニングもあって2022年7月をもって編集長の席を譲る。 夢はイードのゲームメディア群を日本のゲーム業界で一目置かれる存在にすること、ゲームやアニメを自分達で出すこと(ウィザードリィでちょっと実現)、日本武道館でライブすること、グラストンベリーのヘッドライナーになること……など。

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