色鮮やかなグラフィックとバランスの悪いゲーム体験…ローグライトアクション『Hyper Light Breaker』プレイレポ | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

色鮮やかなグラフィックとバランスの悪いゲーム体験…ローグライトアクション『Hyper Light Breaker』プレイレポ

プリズムを集めて。

連載・特集 プレイレポート
色鮮やかなグラフィックとバランスの悪いゲーム体験…ローグライトアクション『Hyper Light Breaker』プレイレポ
  • 色鮮やかなグラフィックとバランスの悪いゲーム体験…ローグライトアクション『Hyper Light Breaker』プレイレポ
  • 色鮮やかなグラフィックとバランスの悪いゲーム体験…ローグライトアクション『Hyper Light Breaker』プレイレポ
  • 色鮮やかなグラフィックとバランスの悪いゲーム体験…ローグライトアクション『Hyper Light Breaker』プレイレポ
  • 色鮮やかなグラフィックとバランスの悪いゲーム体験…ローグライトアクション『Hyper Light Breaker』プレイレポ
  • 色鮮やかなグラフィックとバランスの悪いゲーム体験…ローグライトアクション『Hyper Light Breaker』プレイレポ
  • 色鮮やかなグラフィックとバランスの悪いゲーム体験…ローグライトアクション『Hyper Light Breaker』プレイレポ
  • 色鮮やかなグラフィックとバランスの悪いゲーム体験…ローグライトアクション『Hyper Light Breaker』プレイレポ
  • 色鮮やかなグラフィックとバランスの悪いゲーム体験…ローグライトアクション『Hyper Light Breaker』プレイレポ

『Hyper Light Drifter』『Solar Ash』などで知られる開発会社Heart Machineの最新作『Hyper Light Breaker』の早期アクセスが始まりました。

同開発が得意とするビビッドで美しいグラフィックを堪能できる一方で、かなり厳しいゲームバランスや、バグや最適化不足、ゲームシステムの説明不足など、粗い点が目立つタイトルでした。

では、ひとつずつ要素を見ていきましょう。

本作はオープンワールドのローグライトアクション。拠点となるエリアでアップグレードを購入し、キャラクターのビルドを整えてから、メインゲームへと出撃します。

基本的にはブレードを用いた近接戦闘が主体で、レールガン(遠距離武器)やギア(グレネードなどのユーティリティアイテム)を拾うことができれば、戦闘を有利に進めていくことができます。このあたりは一般的な3Dアクションゲームの感覚で楽しめることでしょう。

道中でプリズムというアイテムを一定数手に入れることで、ボス部屋へのドアが開きます(プリズムは多数のモンスターに守られているので、そこでウェーブ戦が発生します)。ボス部屋でクラウンと呼ばれるモンスターを倒すのがこのゲームの目的です。

このゲームの素晴らしい点は、何と言ってもそのグラフィックです。

『Solar Ash』と同じく、のっぺりした単色のテクスチャで構成された画面は、スッキリしていながら奥行きを感じられます。どこまでも駆けていけるような高い空に、カラフルでバイオームを感じさせる大地は、コンパクトながら飽きさせません。

モンスターや建物と混ざり合うことも少なく、くっきりとした見やすい画面構成でした。

アクションの手触りも良く、無駄なカットシーンなどもほとんどないところもグッドです。しかしゲーム部分に関しては、現状万人に勧められる出来であるとは言い難いのも事実です……。

まず始めに、チュートリアルが投げやりで、何から進めたらいいのかがわからないという点です。

拠点にいる商人にはそれぞれ説明が表示されますが、固有名詞が多く、彼らに払う通貨の重要性や、それをどうやって入手したらいいかもよくわかりません。

メインゲームにおいても、オープンワールドで投げっぱなしにされるワクワク感はありますが、どこに行って何をしたらいいのかが示されておらず、あたりに設置されたオブジェクトも何の意味があるのかよくわかりません。

戦闘面においても、ブレードスキルというクールタイムが存在する必殺技に相当する攻撃を繰り出してから、通常攻撃で攻めていくという戦法が有効であると気づくまで、とても時間がかかりました。せめてザコ敵と対等に戦えるようになるくらいまでは導線を引いてもらいたかったところです。

チュートリアル不足に関しては、手探りで遊ぶのが好きなプレイヤーであれば目を瞑れるかもしれませんが、それ以上の問題がゲームバランスです。

まず、回復手段と敵の量・敵の攻撃値が釣り合っていません。序盤の敵の攻撃に一発当たるだけで20程度のダメージを受けるにも関わらず、回復手段があまりに少ないのです。

筆者が見つけた範囲では「フィールドにたまに生えている回復アイテムの草に触れて5ポイント」「敵のウェーブを倒しきってプリズムに触れうことで20ポイント弱」「敵の攻撃をパリィをして1~9ポイント」「後述するパリィ」に限定されています(クラフトシステムで回復アイテムを制作できますが、素材集めのためにマップを駆けずり回ることになるので、序盤は特に理に叶っていません)。

それだけならまだシビアなバランスだと言えるかもしれませんが、プレイヤーがインスタントに回復を行える唯一の手段が「パリィ」であるのが問題だと感じました。

削れたHPを回復するために、ザコモンスターが攻撃してくれるのを待って何度もパリィをするのはかなり単調な作業ですし、パリィをミスったらHPが減るわけで、本末転倒です。オープンワールドを駆けずり回る楽しさと、同じ敵から何度もパリィを狙う仕組みは、まったく噛み合っていません(初期状態でパリィをしても1~9程度しか回復しないのも良くないです)。

他にも、一度に出てくる敵の量が多すぎるうえにフレームレートがすぐに落ちる、クラフトで作れる回復アイテムを使用するか大量のゲーム内通貨を払わなければ味方を蘇生できない、ボス部屋までのワープ中のロード時間に敵から攻撃を受けることがある、モンスターが見えなくなるバグ……などなど、早急に直してほしいポイントがわんさかと出てきました。

早期アクセスとはいえ、有料販売するにはまだまだ作りが甘すぎるように感じられました。ビジュアルが素晴らしいだけに残念です。

現時点ではちょっと厳しい評価をせざるを得ませんが、光るものはあります。マルチプレイのローグライトアクションの佳作として評価される日まで、注目を続けたいと思います!

『Hyper Light Breaker』は、PC向けにSteamで早期アクセスを配信中です。


ライター:各務都心,編集:TAKAJO

ライター/ 各務都心

マーダーミステリー『探偵シド・アップダイク』シリーズを制作しているシナリオライター。思い出の一本は『風のクロノア door to phantomile』。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top