これは飛行機にiPodのような革命をもたらすジェット機だ!
そんな大絶賛の評価も期待されているという、全日空(ANA)から就航した最新旅客機「ボーイング787」ですが、スペック的には別に世界一のビッグサイズの飛行機というわけでもなければ、世界一の高速スピードで空を飛べる飛行機というわけでもありませんよね。では、一体どうして「ドリームライナー」なる通称で大きく世界中から注目されるモデルのジェット旅客機となっているのでしょうか?
すでにこのボーイング787に乗って実際にフライトを体験してみたという幸運な搭乗客の感想なども交えつつ、その魅力の秘密へと迫ってみることにいたしましょう~
当初は早ければ2007年には完成すると発表されていたボーイング787は、その複雑な最新設計などが原因で大幅に開発が遅れてしまっていました。しかしながら、いざデビューの時がやって来ると、その瞬間を待ちわびていた大勢の熱い支持者たちからの温かい拍手で迎えられましたよ。先月末には成田から香港に向けて記念チャーター便による世界初の営業飛行を成功させたボーイング787ですが、このスペシャルフライトの座席をゲットするべく、まさに世界中から熱心な航空ファンが集結いたしました。
このフライトのラッキーな240名に上る全搭乗客の中には、特別に実施されたチャリティーオークションによる落札で、驚きのハイプライスにてビジネスクラスの座席を押さえた人たちもいましたよ。なんと3万2000ドルという、日本円にして200万円を超える金額を惜しむことなく支払って、この記念すべき初の国際線フライトに乗った強者も現われていますね!
ちょっぴり私たちは熱くなりすぎなのかもしれないですけど、やっぱり歴史に残る瞬間のフライトでもあると思うんですよ。新しいモデルの自動車は常に次から次へと発売されてますけど、そうなかなか新しいモデルの飛行機が出てくることなんてないでしょう?
夫と一緒に米国フロリダ州から駆けつけてビジネスクラスのシートをペアで高額購入したステファニーさんは、そんなふうにやや興奮気味に語っていましたね。
ボクは決して特別にクレイジーな男ではないと思います。熱狂的な一航空ファンとしては、これはどんなに高いお金を出してでも乗る価値があるフライトなんですよね。まるで映画の封切りの日にファンが絶対にその瞬間を見逃したりはしないって感じでしょうか...ロサンゼルスから駆けつけたというトーマスさんは、両手に過去の記念フライトの思い出の品を握り締めつつ、こんな喜びの感想を語ってくれましたよ。どうやら40年以上前に17歳の時に「ボーイング747」なるジャンボジェットの初就航フライトに搭乗し、4年前には空飛ぶ超豪華ホテルとまで評されてデビューした2階建ての大型旅客機「エアバスA380」の初フライトにもしっかりと搭乗したという、もうかなりの筋金入りの航空ファンですよね。
まずは搭乗者の感想として分かりやすいのは、やっぱりその前評判のとおりにボーイング787の窓がスゴいみたいですよ。
前々から噂に聞いてはいましたけど、実際に乗ってみると新しい窓にはただただ驚くばかりでしたね。大きいウィンドウはこんなにも快適なのかってビックリしてしまいました。まるで飛行機の中から外へと身体が飛び出してしまったような錯覚に襲われることがあります。それくらい雲の上であふれる開放感を存分に味わわせてもらいました!
そんな絶賛評価を集めるボーイング787は、大きくなったウィンドウのおかげで、まったくのぞきこむ姿勢へと身体を動かすことなく、雲の下に広がる地上の景色まで堪能できるのが魅力ですし、窓側以外の座席からもでも十分に外の景色が視界に入ってくるデザインになっていますよ。おまけに圧巻なのは、あのなんともチープなプラスチックの日よけで手動にて調節を行なう時代とはお別れして、5段階のモードを採用する電動式シェードによって、明るさを電子カーテン方式でアジャストできる最新技術が採用されていますね。
さらに、乗り心地という観点で気づくのは、キャビンの幅が広がったり、天井が高くなったりしたことで、乗り込んだ搭乗客の第一印象に「広い機内だなぁ」という感想を抱きやすくなっています。ちなみに頭上の荷物収納スペースは、見た目にも気づくビッグなスペースとなっているため、たとえ240名の搭乗客全員がキャリーバッグを持って乗り込んできたとしても、余裕ですべてを収めきることができるとアピールされていますよ。
このすべてを実現するベースになっているのが、新しく採用されたカーボンファイバー複合材料の新素材を使った軽量ボディーの威力なんだそうです。耐疲労性や耐腐食性にも優れていることを活かして、キャビン内の空調には加湿器が標準装備されるので、空気の乾燥に長時間のフライト中でも悩まされることがなくなるかもしれませんね。気圧高度も従来の飛行機内よりも抑えられて、気圧差による不快感が和らぐような配慮が払われています。また、少しでも時差ボケを解消できるようにと、機内の照明には明るさや色を微妙にコントロール可能なLEDが採用されていますよ。
それから、新開発の低燃費エンジンによっても、やはり快適な乗り心地が実現しています。波のような形状のエンジンカウリングの独特デザインにより、騒音を低減する静穏設計になっていて、より静かな落ち着いたフライトを楽しめるようですよ。あと新しい軽量ボディーとの相乗効果で、燃料効率を改善しつつ、CO2の排出量も削減するエコな飛行機に仕上がっているみたいです。さらに、急降下を探知すると翼の調節を自動的に行なうシステムの採用によって、たとえ気流の悪いエリアを飛行中でも、従来機より大幅に安定飛行を維持可能な仕組みまで搭載されるとのことですよ。
どうやら航空業界においては、ボーイング787で最大の魅力は、この中型サイズと低燃費仕様にあるんだそうでして、これまでならば大型機でしか飛べなかったような超長距離の場所へでも、より少ない乗客を乗せてロスの少ないフライトが実現するとされています。
いわゆるハブ解消機としての役割をボーイング787は担うことになる。いままでは中継空港を経由しなければ乗れなかったようなフライトが減って、余分な経費がかかっていた長距離の乗り継ぎ移動をなくすことにつながるだろう。
そんなふうにAirInsightのある航空コンサルタントはボーイング787の魅力を語っています。つまり、あまり多くの搭乗客数を見込めないものの、それでも一定の需要がある長距離国際路線に、効率よく投入できるサイズという意味で、ボーイング787は、まさにドリームライナーな威力を発揮できるようですね。
やや規模は小さいものの一定の訪問客がある都市にボーイング787を飛ばせるようになるとの目算から、実はボーイング787の受注が急速に伸びている。もし本当に評判どおりの低燃費で効率のよいフライトを飛ばせることが実証されるならば、これは間違いなく航空業界にiPodのような衝撃をもたらす飛行機となるであろう。しかしながら、その期待が外れるならば、数あるCDプレイヤーが存在するところへ、また新たな別のCDプレイヤーの新モデルを投入しただけに過ぎないことになるだろう。
そんな分かりやすい例まで挙げつつ、ボーイング787の今後の展開に大きな期待をかける思いを、Teal Groupのアナリストのリチャードさんが語ってくれています。果たして実際はどうなることでしょうかね?
でも、なんだかこうやって話を聞いていくと、もうとにかく百聞は一見にしかずで、ボーイング787のフライトに乗り込んでみたくなっちゃいました! いざこれからぜひともチェックしてみたいなという方は、今後の就航予定路線を狙ってフライトを予約してみてくださいね。なにはともあれ、ボクにとっては、機内のトイレに温水洗浄機能付き便座のウォシュレットが標準装備というのが最もうれしいポイントだったりするかもしれないな~
[Fox News]
Andrew Tarantola(米版/湯木進悟)