2015ファンタジー&SF映画、トップ&ワースト10

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2015ファンタジー&SF映画、トップ&ワースト10

今年、映画何本見た?

2015年盛り上がった映画と言えば、やはり「スター・ウォーズ」。今年公開ではないけれど、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」も大きな話題となりましたね。毎年数多くの映画が公開されますが、米Gizmodo io9のLussier記者が独断と偏見で、トップ&ワースト10をランキングしています。さて、どんなもんでしょう? Lussier記者の解説とともにどうぞ。

2015年ベスト10

10:「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」

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公開されたばかりで、まだ記憶に新しい。高度なエンタメ映画を作るだけでなく、知識教養もプラスしてくるのが、やはりJ・J・エイブラムス監督流。何度も見たくなるし、誰かと映画について語りたくなる。新旧キャストで、懐かしさと未来感が混じったいいバランスに。

9:「キングスマン」

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マシュー・ヴォーン監督は、昨今見逃せない映画監督の1人。「キングスマン」は、ジェームスボンドのクールさと現代のセンスが上手くミックスされた大爆笑でエネルギッシュなスパイ映画。コリン・ファースもいつもながら素晴らしいが、見所はやはりタロン・エガートンか。サミュエル・L・ジャクソンが、敵役なのがボーナスポイント。

8:「クリムゾン・ピーク」(2016年1月 日本公開)

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誰しも予想する展開ならば、ただのいい映画止まりだったが、予想の上をいったことでとてもいい映画に。ギレルモ・デル・トロ監督の、バイオレンスとホラーが同居するヒネリあるゴシックロマンスは、結婚や家族というもののゾッとする面を描いている。ジェシカ・チャステイン演じる暗い秘密をもつ冷たい姉、トム・ヒドルストン演じるミステリアスな弟、そのちょうど間に純粋なミア・ワシコウスカがぴたりと収まる。プロダクションデザイン、音楽、シネマトグラフィー、どれをとっても素晴らしい。

7:「オデッセイ」(2016年2月 日本公開)

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リドリー・スコット監督は、最近ちょっと不作気味だったが、アンディ・ウィアーの原作小説の映画化で見事カムバックしたのでは。我々が彼に望むこと、叙事詩的で、個人のストーリー展開があり、大掛かりなアクションと小気味いいヒューモアが満載だ。ほぼ独り舞台ともいえるマット・デイモン演じる宇宙飛行士が、人間ドラマや劇的な展開、科学的な面に加え、笑いまでもたらす。一方、地球が舞台となるオールキャストシーンは見事なハーモニーをだし、全体的にバランスのとれた映画に。

6:「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」

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シリーズ5作目となれば、観客側にはもう十分、お腹いっぱいという雰囲気があるが、クリストファー・マッカリー監督はそれをはね除け見事やり遂げた。観客の期待するあれこれガジェットから大掛かりな舞台に加え、ストーリーもよかった。加えて、レベッカ・ファーガソン演じるイルサ・ファウストの存在で、トム・クルーズ演じるイーサン・ハントの人間味がでていた。

5:「イット・フォローズ」(2016年1月日本公開)

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何もかもすでにやりきった感があるホラー分野を、新たに切り開くのはなかなか難しい。それを見事にやってのけたのがデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督の一見シンプルかつ凄まじい恐ろしさだ。「それ」があなたを捕まえにやってくる、今まさにやってくる、ゆっくりと確実に、何かわからない「それ」。ミッチェル監督のカメラワークも上手い具合にルーズでいい。ストーリーも基本的でまる。

4:「インサイド・ヘッド」

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女の子の頭の中にいる感情を元にしたそれぞれのキャラクターたちが素晴らしく、印象に残る。舞台が人間の心の中という、ピクサー史上最も大掛かりな舞台設定は言うまでもない。ヨロコビとカナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリが、11歳の女の子を表現するのにぴったりな冒険映画。とてもスマートで面白く、それでいて涙が出るというまさにピクサーならではの作品。

3:「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」

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面白いコメディーを作るだけでも大変なのに、コメディでホラーとは大仕事。その上、キャラもたっているしナレーションもウケる。ドラキュラのコメディーでありモキュメンタリー。濃いキャラクターとどこかシュールな雰囲気、そこに美しいセットと衣装が加わる。あれこれジャンルが混ざった最高の1作になっている。深夜遅くに友達と「映画でも見よっか」てな感じで、これから何年も見られる映画になるだろう。

2:「エクス・マキナ」

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アレックス・ガーランド監督のサイバーパンクスリラー。アリシア・ヴィキャンデル演じる女性型AIエイヴァは、今年スクリーンに写ったもので最も美しいものの1つ。が、その美しさこそ、ドーナル・グリーソン演じるケイレブを支配していく術なのだ。すべてがひっくり返されるラストもよかった。観賞中、先をあれこれ予想させることを観客に許さない、目を釘付けにした映画だったと思う。

1:「マッドマックス/怒りのデス・ロード」

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今年始め、マッドマックスを心待ちにする誰もが、ここまでいい映画になるとは思っていなかっただろう。怒りのデス・ロードは面白いだけでなく、記念となる作品でもある。今年最高のアクション映画であり、ひょっとすると今年最高の映画かもしれない。ストーリーはどこまでも単純なので、スクリーンに集中できる。度肝をぬくアクション、カメラワーク、音楽。こんな映画見たことない! シャーリーズ・セロン演じるフォリオサ大隊長がもうめちゃくちゃかっこいい。もし、怒りのデス・ロードが、マックスを主軸にしたものならばいい映画止まりだっただろう。フォリオサ大隊長が主となることで、とんでもなくいい映画になった。

2015年ワースト10

10:「トゥモローランド」

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ブラッド・バード監督でジョージ・クルーニー主演。ディズニーの冒険映画なのだが、とくにそこにはなにもない。映画冒頭からアイディアやコンセプトが提示されるものの満たされることはない。期待はさせるものの、やっぱりどうにも何もない。

9:「テッド 2」

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最初のテッドは、思ってもいないところからでてきた。面食らったし、バカウケした。2にも1と同じ期待をしたが、まったく同じものが欲しかったわけではない。テッド 2は、2時間ずっとぎこちない感じ。1と同じジョーク、同じシチュエーションのリサイクル。喋るクマの人形が人間と同等に扱われようと奮闘するという基本となるユニークな設定も、今回はごちゃごちゃな展開の中に消えている。テッド 2はとにかくまとまりがない、がっかりの連続。まるで2年連続同じクリスマスプレゼントをもらったような…。

8:「セブンス・サン」

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ん? 2013年じゃないくて?と思うがしっかり2015年公開。話があがってから棚で2年ほど寝かされていたようだ。つまりは、関係者の誰もたいして公開したくなかったのではなかろうか。映画で最大の問題は、その退屈さではない。映画の中で何が起きているか、それにだーれも興味すらもてないこと。オスカー俳優に大掛かりの特殊効果でもこれなんだから不思議なもんだ。

7:「ファンタスティック・フォー」

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最初の20分は悪くない。お、これいいじゃんと思った覚えがある。キャラもいいし、ストーリーの動機も、ペースもいい。が、見ているとそれが崩壊してくる。悪い方悪い方に流れるストーリー、登場人物はバカなのかと思ってしまうほど。今年最も意味のないクライマックスバトルシーンじゃなかろうか…。キャストが素晴らしいだけにがっかり。

6:「ターミネーター: 新起動/ジェニシス」

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ジェームス・キャメロン監督のターミネーター初代2作品を考えると、フレッシュで恐ろしくてエンターテイメント満載だった。が、それがフランチャイズ化するとがっかりする。ジェニシスはターミネーター4ほど悪くはないけれど、これまた別で悪い。物事が前に進むために必要なアイディアとでも言おうか、それが不十分ではないだろうか。ターミネーターはターミネーターでも、これは別物のターミネーターで、決していい方向の別物ではない。

5:「ヒットマン: エージェント47」

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ゲームの映画化が難しいのは、個人的な要素をいれられないからではないだろうか。ゲームプレイ中は、プレイヤーとして自分がメインキャラクターとして参加でき、それはこの上ない楽しみとなる。ヒットマンは、ゲームに忠実にキャラを実写で再現している。が、それだけだ。キャラクターもストーリーも、実写映画でやるほどではなかったというね。

4:「PAN ネバーランド、夢のはじまり」

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物語にはすべて序章が必要というものではない。ジョー・ライト監督は才能がある、この映画も何か特別な作品にしたかったのだろう。が、前半はピーターパンの物語で、最終的にはなんだかごっちゃごちゃしたものに。キャストもいいし、特殊効果もいい。ただ、全人類がよく知っているピーターパンという素材を使ったストーリーは上手くいかなかった。結果、すべてはブルーバックにとけてしまって…。

3:「オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式 2」

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見ていて腹が立つレベル。ここまで、イライラして好きになれないキャラがでてくる映画があるのかと信じられないほど。ジョークは外れるし、主軸となる面白いアイディアすらも無駄に。もうこれ以上悪くならないというところで、やっとマシに。エンドロールだ。不思議なことに、映画本編と比べて、エンドロールがすごくいい。

2:「ピクセル」

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正直、アダム・サンドラーとケヴィン・ジェームズという時点で、期待はない。ここに、クリス・コロンバスが監督で、ピーター・ディンクレイジとジョシュ・ギャッドがキャストに加わる。80年代コメディのトリビュートのようだけど、これが良くなかった。ピクセルはいい点をあげる方が難しい。ストーリもしょうもない、キャラもダメ、ドキドキもなければ笑いもない。映画会社がスクリーンに向ってオエエエェと何百万ドルも吐き出したら結果こうなりましたってな感じ。ぼへー。

1:「Jem and the Holograms」

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これ本当に映画か?というレベル。映画になってない。監督のジョン・M・チュウは、ファン交流、映画作り、音楽、SF、ロマンスとあれこれ混ぜ込んだものの大失敗。どうにもならない映画。どうにもこうにも。90分間、まるで22話の1シーズンを超編集で見せられている感じ。元気でパワフルなガールズが出てきて、つかみ所はいくらでもありそうなのにどうにもこうにも。どこを切っても、どうにもならない失敗作。誰が何と言おうと今年最悪、ワースト映画。

Germain Lussier - Gizmodo US[原文

(そうこ)