スマホ買うごとに充電ケーブルが増えて、気づけばカバンの中はカオス。
んなもん、1本で充分やわ!と10年前から叫び続けている欧州議会が30日、582対40の圧倒的多数で充電規格統一決議を可決しました!
今後はメーカーさんに遵守を義務付ける新法を、7月までに欧州委員会が整備します。もちろんEU限定ですけど、ぐるぐる巻きのケーブル、コロコロする充電器の置き場所にお悩みのみなさまには明るいニュースですね。
Appleの声は届かず
規格統一の一番の目的はゴミ削減です。電子ゴミは世界全体で年間5000万トン、EU住民ひとりあたり16.6kgも出ているので(EU決議より)、少しでも無駄は減らしたいんですね。
Lightningの独自規格を展開しているAppleは「規格の押し付けはイノベーションを阻害する」、「作り直しで余計にゴミが出る」と反対してきたのですが、聞き届けられませんでした。技術革新で差別化を図っても「他社と足並みそろえないで、ゴミを増やす異端児」と見られる今日び、「独自規格で囲い込み」というのはもう古いのかも…。
急速充電規格にとっては悪夢
どの規格に統一されるのかはまだわかっていませんが、USB Type-Cが最有力視されています。AndroidはもうUSB Type-Cだし、AppleもEUの最新アダプタで使えるUSB Type-C to Lightningケーブルがもうあるので、騒がれているほどの影響はなさそう。ひと足とびにワイヤレス充電という話もありますし。
規格統一で一番困るのはむしろ、急速充電で独自規格を打ち出している米Qualcomm(Quick Charging)、OnePlus(Warp Charging)などです。いやあ、大変…。
ワイヤレス充電も
今回の決議では、スマホに加えて、ワイヤレス充電も規格を統一していくことが見越されます。家中が充電パッドなんてことになったら大変なので、どんなメーカーさんの端末でも充電パッドに乗っけたら充電が開始するのが理想。なるべくそのイメージに近づけていくみたいですよ?
やっとの思いで差をつけたのに、せっかくの苦労が水の泡…というメーカーさんもたくさんありそうですけど、製品1個1個に充電周りの付属品を同梱しなくて済むのは、長い目で見れば悪い話ではなさそうです。引き出しを開けるとケーブルがとぐろを巻いていて、どれが何のケーブルかわからない!という悩みは世界共通なので、EUの動きに注目!ですね。