Lifehacker 2025年1月20日掲載の記事より転載
Apple Intelligenceが数カ月をかけてゆっくりアップデートされ、その姿がようやく明らかになってきました。
昨年6月に約束された 「Siriがあなたのために何かをしてくれるのを見守っていればいい」というような未来には、まだ到達していません。
しかし、Appleはまさに足場を固めようと、iOS18にはAI関連の機能が惜しみなく詰め込まれています。
前提:Apple Intelligenceは「誰でも使える」状態ではない
iOS18に盛り込まれるAI関連の機能は、本当に盛りだくさん。あまりに機能が盛り込まれたため、どの機能がどこにあるのか分からなくなることもあります。
この数カ月間、ベータ版にアクセスできるようになると、使用可能な機能をすべて試しました。まだまだと感じる機能や繰り返し使った機能もあります。
前提条件として、Apple Intelligenceを使うには対応機種のiPhoneが必要で、設定 > Apple IntelligenceとSiri > Apple Intelligenceで機能を有効にしておかなければなりません。
Apple Intelligenceを使うことに二の足を踏んでいたり、混乱しているというのであれば、使い方に慣れてゆく方法を検討しましょう。
(日本版編集部注:2025年1月現在、Apple Intelligenceはまだ日本語に対応していない機能が多数あり、以下に紹介する機能も多くはまだ未対応です。)
機能1. 写真から不要なものを除く
「クリーンアップ」はこの数週間の間に何度も使ったApple Intelligenceの機能で、友人にもすすめました。
たとえば、バカンスで撮影したビーチの写真に入り込んだ他人を消すこともできましたし、お気に入りの婚約写真の一枚を救うことも。指でスワイプするだけで、電気のコンセントを写真から取り除くことができたのです。
クリーンアップ機能は写真アプリにあります。
1.写真を選んで、編集ボタンをタップ、クリーンアップのタブに移動する。
2.この画面で削除したいオブジェクトを丸で囲んだり、ハイライトしたり、色を付けたりできる(自動認識された場合には、それを取り除くかどうか尋ねられる)。
自動認識機能がうまく動作しない場合もありますが、写真を拡大して手動でハイライトすればうまく動作しました。
詳しくは、私たちが作成したクリーンアップ機能に関する詳細なガイドを参照してください。
機能2. Siri(とChatGPT)にタイプ入力する
Apple Intelligenceによって、光り輝くカラフルな新しいSiriが登場しました。
今のところは見た目が少し変わっただけに過ぎません。でも、役立ちそうだなと本当に思ったのが、新しく追加されたSiriにタイプ入力できる機能です。
ホームバーをダブルタップすると、Siriがポップアップして、キーボードが表示されます。いろいろなコマンドを入力して送信できるようになっています。
この機能をChatGPTと統合すれば、さらに便利になります。
文頭に「ChatGPTに聞いて」を入力すると、Siriは自分の知識ベースを使わずに、直接、ChatGPTにヘルプを求めます。同じウインドウを使ってChatGPTと会話ができますし、ChatGPTからの回答をコピーすることもできます。
機能3. 作文ツールが使える
プロとして執筆する文章を作成する際にAIのライティング・ツールを利用するのは私の好みではありません。
しかし、Appleのメモアプリにある作文ツール機能は、長ったらしいメモから簡潔なリストを作成したり、長いリサーチを要約したりするのに活用しています(保護者の立場で、子どものコンピューターで作文ツールをブロックする方法を検討している人もいるかもしれませんね)。
ライティング・ツールのアイコンはメモアプリのツールバーにありますし、メールのようなテキストベースのアプリでは、テキストを選択するとポップアップメニューに表示されます。
機能4. なんでも要約できる
Apple Intelligenceでは、あらゆることを要約できます。
まず、ウェブページの要約を表示するには、リーダー表示で「要約する」ボタンを使用。メールアプリでも上部に要約が表示されます。
しかし、この機能の中でもっとも目を引くのは通知の要約機能でしょう。
この機能では、アプリや会話、スレッドから繰り返し送られる通知をAppleが受け取り、たった一文に要約してくれるのです。膨大な数のiMessageグループに参加しているような方なら、試してみる価値があります。
とはいえ、通知の要約機能がどれほど役に立つかはまだ判断はついていません。
LLMを使って要約を生成していますので、ハルシネーション(AIが事実に基づかない情報を生成する現象のこと)や誤った解釈が発生する可能性があります。
特に、ニュースアプリから通知される様々なヘッドラインを要約しようとするときに、これが問題となります(すでにBBCがこの機能について不平を漏らしていますので、Appleが通知の要約に警告ラベルを追加することになるかもしれません)。
結局のところ、どんなAIを使っても同じですが、常に用心を怠らないことをおすすめします。
私の場合は、要約機能は有用だと判断してメッセージングアプリでこの機能を有効にしていますが、少しでも重要なメッセージが含まれていると思ったら、アプリを起動して自分で確認するようにしています。
ニュースアプリや銀行系のアプリの場合は、通知の要約機能を無効に設定しておいたほうがよさそうです。設定 > 通知 > プレビューの要約から設定を変更できます。
こちらは隠れた機能ですが、Apple Intelligenceによって新しい通話録音機能が面白い方法で拡張されています。
この機能は、iOS18.1上であればどの機種でも使用可能です。Apple Intelligenceが有効設定されていれば、iPhoneが通話内容をその場で文字起こしして要約を生成してくれます。
機能5. ダイナミックな集中モードへのアップグレード
スマートな集中モードの登場を何年も待っていましたが、Apple Intelligenceでは「妨害を減らす」という新しい集中モードが設定可能になりました。
この集中モードはスマート・フィルターとして機能し、おやすみモードに設定されていたとしても、(銀行からのメッセージや上司からの電話などのように)重要と思われる通知は抑制されなくなります。
通常の集中モードと同様、この機能は設定 > 集中モード > 妨害を減らす、でフルカスタマイズが可能です。
Apple Intelligenceはまだ発展途上
お気づきだと思いますが、イメージプレイグラウンドやジェン文字、ビュジュアル検索といった数々のApple Intelligenceの機能はリストに入れませんでした。
こういった機能はベータ版として提供されており、まだまだ発展途上の段階にあると判断しているからです。
著者:Khamosh Pathak - Lifehacker US
翻訳:嶋谷和幸/OCiETe
Screenshot: Lifehacker via iPhone