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よみひとしらず
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悪名高い日本陸軍の実態
数多くのドラマや映画にて、日本陸軍の内部事情は惨憺たるものとして描かれてきた。
おぞましいリンチや階級間格差、精神論に基づいた体罰など、悪いイメージしかない。
しかしはたして実態はどうだったのだろうか。
本書は兵士たちの日記や公的な記録を一次資料としながら、皇軍兵士の普段の生活を覗いてみる新書だ。

そもそも彼らがどのような手順を経て徴兵されるのか、意外と現代には知られていない。
その後どこでどれくらいの期間訓練され、普段何を食べていて、給料はいくらもらっているのか、イメージが先行するあまり盲点だったのではないだろうか。
もちろん、案の定リンチや上官と一般兵の待遇格差、合理性がまるで感じられない精神論など弊害もあるが、思った以上に普通の生活を送っていたというのも素直な感想である。

中でも死亡通知に関する最後の章は、非常におもしろい。
消息不明な兵士の生死をどのように決めるのか、また遺族がどのようにして受容していったのかは、触れられる機会が少ない割に重要なテーマだと思う。
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よみひとしらず
よみひとしらず さん本が好き!1級(書評数:497 件)

関東圏に住んでる某大学生。専門は歴史学。

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この書評へのコメント

  1. keena071511292020-04-10 18:17

    >皇軍兵士の普段の生活 

    僕が『永遠の0』を読んでいて感じたのは 
    職業軍人と一般から徴用された兵士の格差です 
    戦時中という条件も重なり 
    “皇軍兵士の普段の生活”とは 
    かけ離れた生活だったのではないでしょうか? 

  2. No Image

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