黒柳徹子さん「ともに生きる社会はつくれる」カルティエが大阪万博「ウーマンズ パビリオン」の内容を発表

カルティエが2025年大阪・関西万博に共同出展する「ウーマンズ パビリオン」の内容を発表。ジェンダー平等を前進させ、新たな世代を導く。

2025年3月6日、カルティエは国際女性デーに先駆け、記者会見を開催。

カルティエ ジャパン プレジデント&CEOの宮地純(みやち・じゅん)さん、女性活躍・男女共同参画担当大臣の三原じゅん子(みはら・じゅんこ)さんらが登壇し、2025 年大阪・関西万博(以下、大阪万博)に共同出展する「ウーマンズ パビリオン」の内容を発表した。

カルティエは、内閣府、経済産業省および2025年日本国際博覧会協会とパートナーシップを締結しウーマンズ パビリオンを共同出展する。

ジェンダー平等を前進させ、新たな世代を導くうえで不可欠な「女性の役割」に焦点を当て、未来を切り開く先見性を発揮。地球規模の発展を推進するという。

ウーマンズ パビリオンの外観。場所は万博会場の東ゲート側。建築家の永山祐子さんが建築を手がける
ウーマンズ パビリオンの外観。場所は万博会場の東ゲート側。建築家の永山祐子さんが建築を手がける
WP image Victor Picon ©Cartier

モットーは「ともに生き、ともに輝く未来へ」

「女性が輝けば、人類・社会全体が輝く」という理念のもと、長きにわたりジェンダー平等を支持してきたカルティエ。

そのブランドの活動について、カルティエ ジャパン プレジデント&CEOの宮地さんは次のように語る。

「カルティエにとって、女性は尽きることのないインスピレーション源であり、メゾンのクリエイティビティと価値観の基礎であり続けている。私たちは『自分らしく生き、一歩前へ踏み出す女性を応援したい。寄り添っていきたい』という思いのもと、長年にわたり数々の活動をおこなってきた」

カルティエは、2006年に女性起業家の支援を通して変革を推進するプログラム「カルティエ ウーマンズ イニシアチブ」を創設。

2021年には、ドバイ国際博覧会とのコラボレーションによりウーマンズ パビリオンを出展するなど、女性のエンパワーメントを推進する取り組みを続けている。

そして今年、大阪万博において「ウーマンズ パビリオン」の名称と意志を継承。ジェンダー平等を前進させ、新たな世代を導くうえで不可欠な「女性の役割」に焦点を当てたパビリオンの共同出展をおこなうという。

「モットーは『ともに生き、ともに輝く未来へ』。現代を生きる女性の立場や視点、可能性に光を当てたい」(宮地さん)

さらに宮地さんは、あらゆる分野で女性が平等に参画し、共生する社会をつくることは、持続可能な世界を築くために必要である一方、「我々が抱える課題は複雑で、さまざまな要素が幾重にも重なり、簡単に答えを導き出せないものばかり」だと指摘。

官民の垣根を超え、ともに発信する重要性を強調した。

また、現代女性の役割を再考することは「ジェンダー、国籍、人種、年齢など、さまざまな垣根を超えて、多くの方々とともに考えるべきテーマ」であるとし、パビリオンの狙いを次のように語った。

「ジェンダーにかかわらず、ともに輝ける未来のために、私たち一人ひとりに何ができるのか? 『ウーマンズ パビリオン』での体験を通して、その『何か』を感じ、考え、それぞれのコミュニティで行動に移す。そんなきっかけになればと思っている」(宮地さん)

左:カルティエ ジャパン プレジデント&CEO 宮地純さん 右:2025年日本国際博覧会協会事務総長 石毛博行さん
左:カルティエ ジャパン プレジデント&CEO 宮地純さん 右:2025年日本国際博覧会協会事務総長 石毛博行さん
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「この5年、ジェンダーギャップは広がっている」

「『ジェンダーギャップはこの5年で埋まらず、むしろ広がっている』という残念な事実も思い起こしたい」

カルティエ カルチャー&フィランソロピー会長のシリル・ヴィニュロンさんは、国際女性デーにあたり世界中の女性に祝辞を述べたうえで、広がり続けるジェンダーギャップについて指摘。そのうえで、女性のエンパワーメントの重要性を強調した。

「一人ひとりが全力でジェンダーギャップを埋め、女性を支援し、ジェンダー平等だけでなく、女性のエンパワーメントを実現し、より良い世界をともに築く必要がある」(ヴィニュロンさん)

一方、女性活躍・男女共同参画担当大臣を務める三原じゅん子さんは、日本における女性活躍の歴史を振り返りつつ、「ウーマンズ パビリオン」への期待を語った。

「今から50年前の1975年、国連は国際婦人年にあたるこの年に、『国際女性の日』を記念することを始めた。日本の男女共同参画女性活躍施策も、こうした国際的な動きの中で協調して発展してきた。

国際婦人年を契機に、国内行動計画に基づく各種施策が進められてきたほか、女子差別撤廃条約を批准するための国内法の改正、1995年の北京会議を契機とした男女共同参画社会基本法の制定などがおこなわれた」(三原さん)

そして、男女共同参画社会基本法制定から26年となる今年、「女性に選ばれ、女性が活躍できる地域づくり」を目指すという。

「地域ぐるみでジェンダーギャップの解消に取り組む体制を構築するべく、独立行政法人男女共同参画機構法案を国会に提出する。

さらに、厚生労働省と連携し、来年3月に期限を迎える女性活躍推進法の延長など、女性の職業生活における活躍のさらなる推進に向けて取り組みを進めていく」(三原さん)

また、大阪万博は、「我が国の取り組みを含め、ジェンダー平等を目指す取り組みの重要性を国際社会と共有する重要な機会」だとし、ウーマンズ パビリオンへの期待を寄せた。

「世界中の皆さまがウーマンズ パビリオンでの体験を、女性を取り巻く環境をより良くしていくために、何を実践するかについて考える機会としていただくことを期待している」(三原さん)

黒柳徹子さん「人はみんなそれぞれ。でも、ともに生きる社会はつくれる」

記者会見の後半では、ウーマンズ パビリオンの内容について発表された。

本パビリオンは、1階に位置する没入型の展示空間と、2階のガーデンに併設された「WA」スペースという、2つのエリアに分けられる。

前者の展示空間は、英国人アーティストのエズ・デブリンさんがキュレーションを担当。

日本人映画監督の河瀨直美さんによるプレリュードムービーをはじめ、多様なアーティストによる作品が展示されるという。

ウーマンズ パビリオンの内装
ウーマンズ パビリオンの内装
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五感や感情に訴えかける体験を通して、私たちを取り巻く社会が抱える課題について、新たな視点を得るきっかけを来場者へ提供する狙いだ。

一方、後者の「WA」スペースは、世界的な社会課題をめぐってトークセッションやパネルディスカッションが繰り広げられる対話スペースとして機能する。

「大いなる自然」「ビジネスとテクノロジー」「教育と政策」などをテーマに、活動家や専門家たちが現実的な解決策について話し合うという。

「WA」スペース
「WA」スペース
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記者会見の最後には、パビリオンのサポーターであり、同展示にも出演する黒柳徹子さんのビデオレターを上映。誰もが自分らしく生きられる社会の実現に向け、力強いコメントで会が締めくくられた。

「今日ここにいる私たちの共通のゴールは、誰もが生き生きと暮らせる明るい未来を実現すること。みんなで協力し合えばきっと叶えられるはず。 

人はみんなそれぞれ。でも、みんながともに生きることで、誰もが自分らしく、ともに輝く未来の社会をつくることができると信じている」(黒柳さん) 

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