9月24日配信の「LEVEL5 VISION 2024 TO THE WORLD’S CHILDREN」にて最新PVが公開された『レイトン教授と蒸気の新世界』。およそ11年ぶりとなるレイトン教授が主役の完全新作タイトルに、ワクワクしているファンも多いのではないでしょうか。
開催中のTGS2024では試遊出展もされ、インサイドでは試遊レポートもお届けしています。
興奮冷めやらぬ今こそ気になることを訊いてみたい!そこでインサイドでは、レベルファイブ日野晃博氏に『レイトン教授と蒸気の新世界』について語っていただきました。
◆ニンテンドースイッチでプレイしやすいように配慮
ーー「レイトン」シリーズの新作を作ることになった経緯を教えてください。
日野氏:とある同じ業界の方が「レイトン」シリーズのファンで、「どうしても続編で遊びたい」とおっしゃってくださっていたんです。国内に留まらず海外でも待っている方がいると。一度完結はしたけれど、新しい「レイトン」を遊びたいという声は多いのでぜひやってほしいと強くご要望頂いて。望んでくれる人がいるならば、やってみようかなと思いました。
ーー『レイトン教授と最後の時間旅行』のあとの時間軸になった理由も教えてください。
日野氏:一番最新の時間軸を作るなら、『レイトン教授と最後の時間旅行』のあとからかなと。「レイトン」シリーズは時系列でいうと4作目、5作目、6作目、1作目、2作目、3作目という順番になっています。3作目の『レイトン教授と最後の時間旅行』のあとが時間軸的には最新になり、今回は最新のお話になるわけです。ルークとレイトンが一度別れて再会するところから始まります。
ーー今回はニンテンドースイッチ用として開発されていますが、3DSとの違いや、ニンテンドースイッチならではの部分で変えたことなどあるのでしょうか?
日野氏:調整はたくさんあります。ニンテンドースイッチはタッチペンが使えないので、細かい操作がしにくいんです。そこでインターフェースの配慮が必要になります。
過去に『レイトン ミステリージャーニー カトリーエイルと大富豪の陰謀』を3DSからニンテンドースイッチに移植しましたが(『レイトン ミステリージャーニー カトリーエイルと大富豪の陰謀 DX』)、その時もニンテンドースイッチに合わせて配慮しました。今回はシステムが変わったので、プレイしにくくならないように調整しています。
ーー東京ゲームショウの試遊台はTVモードでしたが、TVモードと携帯モード、どちらがおすすめでしょうか。
日野氏:どちらでもできるように開発していますが、基本は大きなテレビでプレイしてほしいです。TVモードであれば家族や友達など、みんなで絵を共有しながらプレイできますし。コントローラーでもできるように配慮していますよ。
ーーお茶の間でワイワイ話しながらプレイしてほしいと。
日野氏:それはぜひ。大きな画面でプレイしてください。絵のクオリティもアップしていますので!
ーー試遊版では1つのナゾにチャレンジできましたが、久々のナゾでかなり苦戦してしまいました。
日野氏:試遊版の問題としては難しすぎたと反省しています。ひらめきコインを使えば解けるようにはしましたが、ゲームショウでやる難しさじゃなかったと(笑)。家ではたっぷり時間をかけてできると思うので、ぜひじっくり取り組んでいただきたいです。
ーー我々3人で挑んだのですが、それでもウンウン唸ってしまって。こうやってみんなで挑めるのも大きい画面ならではだなと思いました。
日野氏:僕らが望んでいる遊び方をしていただいたようでよかったです。
◆ファンが望む「今のレイトン」を作る
ーーレイトン教授が主人公のゲームとしてはおよそ11年ぶりの新作発表となります。「レイトン」シリーズの正統続編として意識したことはありますか。また、時代の流れとともに変わったことはあるのでしょうか。
日野氏:「レイトン」シリーズに関しては時代の流れに乗ることはあまり考えていません。タッチペン操作をニンテンドースイッチに合わせて調整することが一番のポイントとして開発しています。
また、UIが美観を損ねないようにも注意しています。ナゾパートの絵を邪魔しないように作らなければと。絵を重視するためにUIもたくさん直しています。まだチューニング途中ですが、UIが空気となって、ほとんど存在が感じられないようにしていきたいなと。それが「レイトン」の世界にとって正しい選択だと思うんです。
配慮はしていますが、「レイトン」シリーズは今風を追いかけるものではないと思います。もちろん、最新のゲームにも触れてそれが当たり前になっているわけですから、その感覚が「レイトン」にも活かされてるなとは思いますが。
ーー確かに、スタイリッシュになったという印象を受けました。
日野氏:感じられたならばよかったです。今風というか、最新のプレイしやすさにしています。
ーーキャラクターや背景の3D表現はどうでしょうか。
日野氏:「レイトン」に関してはあまり3Dには固執していませんが、3Dにして存在感を出していきたいなと。最初は3D空間を自由にレイトンが歩くって案もあったんです。でもそれをファンが望んでいるかなと。3Dで酔ってしまう人もいますしね。
◆新しいボイス、新しいナゾが新たな「レイトン」を作り出す
ーー声優についてお聞きします。ルークのボイスに今田美桜さんが起用されましたが、どのように決めていったのでしょうか。PVを観た印象では違和感がないなと思いました。
日野氏:似てますよね。ルーク感がありますもの。今田さんはCMにもたくさん出ていて、今の世代にすんなり受け入れてもらえる人気者だというのが起用の一番の理由です。大泉さんもビッグな俳優になられているので、並んでも引けを取らないパートナーになるという意味ではジャストかなと思います。
ーー元の声にも似せているといいますか。
日野氏:そう、僕らも驚きました。多少変わっても、とは思っていたけど、いざ収録したら本人がすごく練習してきてくれて。
ーールークの声はこうだ、みたいな感じの演技指導をしたのではなくて?
日野氏:演技指導という意味では、「ここはこういうふうに」と指示はしましたが、本人の声質もあるので「元のルークっぽくして」とは言ってなかったんです。でもご本人が事前に息の抜き方とか、練習してくれて、極めてきてくれたんですね。女優さんってすごいなと思いました。他の候補者はなく、一発で今田さんに決まりました。
ーー今回のナゾはQuizKnockさんが手がけますが、起用した理由はなんでしょうか。
日野氏:QuizKnockさんが今、世の中に受け入れられていることが一番ですが、そもそも「レイトン」って恐ろしい数のナゾを考えないといけないんですよ。QuizKnockさんはチームとして多くのナゾを非常に早いテンポで作れるので「レイトン」にぴったりだなと思います。
QuizKnockさんはパズルの芸風が広く、いろんなものを作ってくれています。これまで二度ほど合宿しており、ストーリーに組み込むナゾはほぼできています。でもまだまだクオリティ上げたいから、いろんな部分をチューニングしています。
ーーナゾのジャンルが色々あるとのことで楽しみです。
日野氏:物語的にも楽しいものになっています。”レイトン感”といいますか。完全に復活してる感じがしていますね。
◆何倍にも膨らんだ「レイトン」の世界に期待!
ーー物語の舞台であったり、PV映像を観て感じたことですが、本作ではルークが大活躍するような印象を受けました。『レイトン教授と最後の時間旅行』から1年後のルークについて、どのような変化があったでしょうか。
日野氏:あんまり言っちゃうと面白くなくなっちゃうので詳細は言えませんが、シナリオ的な意味で言うとルークを成長させています。一段階成長したルークとレイトン教授のやりとりを楽しみにしてください。
本作のルークはレイトン教授がいなくても1人でナゾ解きをしているという設定になっていて、だいぶひとりでやれるようになっています。でもやっぱりレイトン先生と一緒にいたいと思っているんです。
ーー同様に、レイトン教授についても、1年後ということで何か変化があるのでしょうか?
日野氏:レイトン教授は物語開始時点では大きな変化はありません。元々成熟した大人ですから。
変化といえば、今までのレイトンは帽子を脱がなかったんです。でも今回は『レイトン教授と最後の時間旅行』を踏まえているので、帽子を脱ぐシーンがあるかもしれませんね。
ーーそれはますます期待が高まります!色々とお話を訊かせていただきましたが、現段階で日野社長が期待してほしいポイントはどこでしょうか?
日野氏:『レイトン教授と蒸気の新世界』は「レイトン」らしい作品にしようとしています。ストーリーの規模も大きくなっていますし、シリーズが好きだった人は、何倍も膨らんだ世界観や絵のクオリティでもう一度「レイトン」の世界に帰ってこれるかなと。
ナゾの数も過去最高ですし、最後の仕掛けもすごいので、ぜひ期待してください。
ーーそれでは最後に、発売を待つファンに一言お願いします。
日野氏:『レイトン教授と蒸気の新世界』は順調に開発が進んでいます。2025年にリリースできることを目標にしていますので、安心して、待っていてください。
かつてないスケールで開発されている『レイトン教授と蒸気の新世界』。「レイトン」シリーズらしさを大事にしつつ今のゲームとして遊びやすくアップデートもされているとのことなので、安心して待つことができそうです。