GTDの利点の1つは使うツールを問わないことだが、実は、GoogleノートブックがGTDに適しているようだ。GTDに役立てる方法を説明する。
【この記事は、2007年5月2日付で米ブログメディア「Lifehacker」に掲載された記事を翻訳したものです。】
個人の生産性を上げる仕事術、Getting Things Done(GTD)のファンたちはGTDをさまざまなアプリケーションで試してきた。たとえばMicrosoft Outlook、テキストエディタ、Gmailなどだ。実は、Google Labsのそれほど目立たないアプリケーション「Googleノートブック」はGTDリストにすぐ追加したり、簡単に処理したりするのにとても適している。
Googleノートブックを使って「受信箱」「プロジェクト」「次にとるべきアクション」「いつかやる/多分やる」リストをうまく管理する方法をお伝えしよう。
まず最初に:もしまだ「仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法」を読んでいないのなら、あなたは損をしている。早く読んでしまおう。著者のデビッド・アレンを熱心に信じたくはならないとしても、本書を読むことで散らかった気持ちに新しい良い習慣の種をインストールできる。ダイジェスト版としては、Wikipediaの「Getting Things Done」(日本語版)ページを読むとよい。
(※訳注 GTDについては、Biz.ID内の記事「GTDまとめ」も参考にしてほしい)
次に:どうしてGoogleノートブックなのか? オンラインのリスト作成サービスはたくさんあるが、Googleノートブックは単なるリストではなくもっとフレキシブルなので、好みに沿ってGTDシステムをカスタマイズできる。便利なブラウザの拡張機能を使ってWeb上のどこからでも情報をメモできるし、Googleの卓越した検索機能も利用できるのだ。加えて、Googleノートブックのコラボレーション機能を使えば、受信箱に奥さんや同僚がタスクを入れておくこともできる。もちろん「Thinking Rock」や「iGTD」のようなデスクトップアプリケーションはクールだ。しかし、Webブラウザの中に住んでいるような人たちには、Googleノートブックは元記事へのリンクを含んだ形で引用できる(個々のGmailメッセージを含む)。それに、Googleアカウントにログインすれば、どのコンピュータからもノートブックの内容にアクセスできるのは大きなメリットだ。
準備はいいかい? GoogleアカウントにログインしてGoogleノートブックを開こう。古典的なGTDのやり方に従って、5つの新しいノートブック――「受信箱」「次にとるべきアクション」「プロジェクト」「いつかやる/多分やる」「資料」を作ってみよう。すでに作ってあるほかのノートブックと区別するために、それぞれのノートブックの名前の先頭に「GTD」を付けるのがお勧めだ。
GTDについてよく知らない人のために、それぞれのリストの役割について簡単に説明しておこう。
5つのGTDエリアを設定したら、次は情報を入れる番。あるノートブック(例えば「次にとるべきアクション」)に何か加えるなら、そのノートブックをクリックして「新規メモ」ボタンを押し、そこにやるべきことを入力するか(例えば「預金のチェック」など)またはその件名を入力する。件名は1つのノートブックの中で異なるカテゴリーを分類するのに役立つ。例えば私の「次にとるべきアクション」ノートブックには状況によって件名をつけている(例えば@電話、@デスク、@ショッピングセンター のように)。また、私の「プロジェクト」ノートブックでは、それぞれの件名は1つのプロジェクトを示す。
これでGoogleノートブックを使ったシンプルなGTDシステムができた。Webで見付けたり、メールの受信箱に届いたりしたものを素早くキャッチして記録できるのだ。Googleノートブックのブラウザへの拡張機能も役に立つ(FirefoxとInternet Explorer 6の両方に対応)。早速ダウンロードしてブラウザにインストールしてみよう。
拡張機能をインストールしたら、GTDに追加したいWebページを見つけたときに、そのページのテキストを選択して、ブラウザのふちにあるノートブックアイコンをクリックしよう。「切り抜き」ボタンを押すと、ソースへのリンクとともに選択したテキストを即座にノートブックに入力できる。
Gmailユーザーにとってはやるべきタスクがメールで来ると便利だろう。ノートブックから引用元の個別のメールにリンクできるからだ。
あなたが情報をGTDノートブックに記録する習慣ができると、あとはそれをどう処理するかが問題だ。毎日受信箱にある未処理のアイテムを処理して、模範的な“GTD人”らしく、それを自分でするのか、人に任せるのか、それとも延期するのか決めてしまおう。
タスクを受信箱のノートブックから別のリストに移すには、一番右側にあるドロップダウンメニューを押して「移動」を選ぶ。そこからほかのノートブックやセクションを選ぶことができる。
物理的なオフィススペースでは、誰でも来てあなたの席の受信箱にメモを置いていくことができる。Googleノートブックを使ってGTDを実践すると、受信箱のノートブックを配偶者、上司、同僚などとバーチャルに共有できる。そのためにはノートブック右上の「共有オプション」をクリックすればよい。
アドバイス:受信箱だけを共有し、プロジェクトや次にとるべきアクションリストを共有するのはやめておこう。GTDシステムでは、入口は受信箱だけと決められている。ほかの人が受信箱にだけアクセスできるのは理にかなっているからだ。
最後に、万が一に備えてやオフライン時のために、ローカルのPCにGoogleノートブックをバックアップしたいときは「wgetを使ってノートブックを定期的にローカルにバックアップする方法」を見てみよう。
Googleノートブックは単純にWebサイトをクリップしたり注記をつけたりするには素晴らしいツールで、タスクやプロジェクトを管理するのにも役立つ柔軟性を持っている。GoogleノートブックでGTDを実践することについて、意見や質問があればコメントで教えてほしい。
本稿筆者ジーナ・トラパーニはGoogleノートブックを追求しているLifehackerのエディター。Lifehacker上で毎週水曜にGeek to Liveコラム(RSS)を連載中。
この記事は、Lifehackerの発行元である米Gawker Mediaの許可を得て、アイティメディア株式会社が翻訳したものです。翻訳責任はアイティメディアにあります。