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アイデアが浮かばない、こんな無駄な作業なくしたい――。ビジネスパーソンを悩ませる日々のさまざまな困りごと、ChatGPTに聞いてみませんか? ITジャーナリストの酒井麻里子氏がプロンプトの書き方を伝授する。
Q.ドキュメントの作成時などに、ChatGPTを使えばブラッシュアップできると分かっていても、面倒でやらずに済ませてしまいます。もっと楽に使う方法はありますか?
OpenAIは、Mac版とWindows版のChatGPTデスクトップアプリを提供している。
Mac版のChatGPTデスクトップアプリでは、連携機能を使って他のアプリの画面内容を取得できる。また、ChatGPTアプリ側からの操作だけで起動中の他のアプリのスクリーンショットを取得することも可能だ。これらを活用すると、作業中の画面についてChatGPTに質問するプロセスが格段に楽になる。
ITジャーナリスト/ライター。生成AIやXR、メタバースなどの新しいテクノロジーを中心に取材。その他、技術解説やスマホ・ガジェットなどのレビューも。著書に『趣味のChatGPT』(理工図書)、『先読み!IT×ビジネス講座ChatGPT』(共著・インプレス)など。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。株式会社ウレルブン代表。XRと最新テクノロジーのWEBマガジン「TechComm-R」運営。
連携機能は、有料プランのユーザー向けに提供している。現時点で連携機能に対応するのはコーディングアプリが中心だが、Apple標準の「メモ」やNotionといった、ビジネスパーソンになじみのある一部のツールでも利用可能だ。
入力ボックス内の左から2番目のアイコンをクリックすると、連携可能なアプリのうち、現在起動中のものが表示される。
アプリ名の横の「+」をクリックすると連携が開始され、アプリで表示中の画面内容がプロンプトに含められる。あとは、そこに対して行う指示や質問を入力して送信すればよい。
例えば、メモアプリに書き留めたアイデアをブラッシュアップしたり、Notionに書いたドキュメントの下書きに対して校正を行ったりする場合に重宝する。
連携機能に対応していないアプリの場合は、スクリーンショットを利用するとよい。「+」アイコンから「スクリーンショットを撮る」を選ぶと、現在表示中のウィンドウ名が一覧表示され、使いたいものをクリックするとスクリーンショットが撮影される。
取得したスクリーンショットは入力欄に画像としてアップロードされるので、「このドキュメントの改善すべき点を箇条書きで教えて」などの指示を入力して送信すればよい。
ドキュメントの画像は文字認識が行われ、記載内容に対する回答を得ることができる。読み取りがうまく行われない場合は、元のファイルの表示サイズを拡大してみるとよい。
なお、スクリーンショットとして取得できるのは画面に表示されている部分のみとなる。そのため複数ページにわたる長いドキュメントには向かないが、1ページ完結の資料やメールの下書きなどをすばやくチェックしたいときには重宝する。なお、Windows版にも現時点で「スクリーンショットを撮る」のメニューは用意されているが、デスクトップ上で撮りたい領域を選択する操作が必要となるためひと手間かかる。
手元のアプリで作成中のドキュメントについてChatGPTに質問する場合、ブラウザ版では全文をコピーして入力欄に貼り付ける必要がある。せいぜい十数秒で済む作業だが、こういった「地味に面倒」な作業が、ツール活用の心理的ハードルを上げてしまうケースは少なくない。手元の画面の情報をワンクリックで取得できるデスクトップ版ChatGPTの機能は、そんなハードルを解消してくれるものとなる。
ここで紹介した連携機能やワンクリックでのスクリーンショット取得などの機能のWindows版デスクトップアプリでの実装については、2024年12月時点で「近日対応予定」と発表されている。Windowsユーザーも近い将来同様の機能を使った作業が可能になるはずだ。
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