IBMはオフィス市場でMicrosoftとの戦いを強化すべく、iPhoneおよびiPod touch用バージョンのLotus Notesを提供する予定だ。
IBMはオフィスプロダクティビティソフトウェア市場におけるMicrosoftとのシェア獲得競争で新たな味方を手に入れた。
ビッグブルーは1月21日、Appleの音楽プレーヤーのiPod touchおよび累積販売台数が300万台を超える大ヒットとなったiPhone上で動作するLotus Notes用電子メールパッケージを発表する。
複数のニュースソースによると、IBMはフロリダ州オーランドで1月21日から開催される同社の「Lotusphere」カンファレンスにおいて、このソフトウェアを正式発表するという。
1月16日付のAssociated Pressの報道によると、このソフトウェアはLotus Webアクセスライセンスを既に持っているユーザーには無償で提供され、新規ユーザーの場合は年額39ドルからとなっている。
IBMはさらに、AppleのMacintoshコンピュータ向けのLotus Notesとプロダクティビティパッケージ「Lotus Symphony」をリリースする予定だ。Lotus Symphonyは、Microsoft Officeに含まれる文書作成用などのソフトウェアに対抗する無償製品。
IBMでは、Appleとの提携についてはコメントを避けているが、Burton Groupのアナリスト、カレン・ホバート氏によると、こういった提携はIBMとAppleの両社のビジネスにとってメリットであり、オフィスプロダクティビティソフトウェア市場でMicrosoftに対抗するチャンスを提供するという。
IBMはこの分野で何年も前からMicrosoftに戦いを挑んできたが、Officeで90%を超える市場シェアを持つソフトウェアの巨人の地位を揺るがすことはできなかった。ビッグブルーはAppleと味方につけることで、この戦いで新たな武器を手にすることになる。
また、Lotus NotesがiPhoneに対応することは、Appleの人気デバイスがモバイルナレッジワーカーに役立つ選択肢であるというお墨付きを得ることにもなる。
ホバート氏によると、iPhoneがビジネスにも対応したデバイスであるかどうかは議論の余地があるが、電子メール、SMS(ショートメッセージサービス)および情報収集に利用できるガジェットであることは間違いないという。
AppleにとってLotus Notesの追加は、Research in MotionのBlackBerryシリーズおよびMicrosoftのWindows Mobileベースのデバイスとの競争でプラスに作用するとみられる。
ホバート氏は米eWEEKの取材で、「携帯電話市場、特にビジネス用スマートフォンの市場を見れば、BlackBerry、Windows Mobile、iPhoneという選択肢がある。IBMが米国内で出回っている主要なデバイスのすべてにLotus Notesを対応させるというのは大きなニュースだ」と語った。
一方、Lotus Symphonyはこれまで英語版が提供され、40万人以上のビジネスユーザーおよび個人ユーザーがダウンロードしたが、IBMは1月18日、同製品を世界24カ国語に対応させた。
Symphonyは現在、ブラジル、フランス、ドイツ、インド、イタリア、オランダ、スペイン、インドネシア、ポーランド、中国、ロシア連邦、ベルギー、フィンランド、スウェーデン、韓国、デンマーク、台湾などの国々でも利用可能となっている。
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