GUI全盛の時代にあっても、コマンドラインが利用できれば便利な場面が多いのも事実だ。本連載では、スーパーユーザーを目指すあなたのためにWindowsのコマンドラインを1つずつ解説していく。本稿は、Windows Vistaでファイルのコピーやミラーリングを行うためのコマンドであるrobocopyだ。
ファイルをコピーするコマンドは、copyやxcopyが用意されているが、もともとローカルHDD、CD-ROM、FDなどでのコピーを主目的としており、不安定なネットワーク環境ではコピーのトラブルの元になっていた。robocopyは、ネットワーク環境を主軸においたコピーコマンドで、単にファイルをコピーするだけでなく、フォルダの同期を行ったり、変更が加えられているファイルのみをコピー対象にしたり、エラーが発生したときのコピー再試行回数やその間隔を指定できたりする。
オプション | 使用例 | 詳細 |
---|---|---|
/MIR | robocopy c:\data d:\data /MIR | フォルダに含まれるアイテムの完全同期を行う。使用例では、c:\dataの内容とまったく同じ内容にd:\dataを更新する。d:\dataに存在しc:\dataに存在しないファイルの場合、d:\dataからは削除されるので注意 |
/XO | robocopy c:\data d:\data /XO | コピー元の方が古いファイルはコピーしない。つまり、2つのフォルダの最新ファイルのみを一方に集められる。使用例では、c:\dataとd:\dataに含まれるファイルのうち新しいものすべてをd:\dataに集めている |
/R:<回数> | robocopy c:\data d:\data /R:10 | 再試行回数の指定。標準設定は100万回。使用例では10回コピー再試行する |
/W:<秒数> | robocopy c:\data cd:\data /W:120 | 再試行の間隔を秒数で指定する |
地味に役立つと評判のWindowsコマンド群。コマンドの一覧は「スーパーユーザーのためのWindowsコマンド再入門」でご覧いただけます。
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