Webアプリケーションの統合開発環境「Delphi for PHP」を開発したホセ・レオン氏に、同製品のメリットを聞いた。
「Delphi for PHP」は、Webアプリケーションの開発にGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)を使う統合開発環境(IDE)だ。入力フォームに開発に必要なコンポーネント(部品)をドラッグ&ドロップなどの操作で入力すると、Webアプリケーションを開発できる。OracleやMySQLなど主要なデータベース製品と接続してデータを使える。
最新版の「Delphi for PHP 2.0」ではWebアプリケーションの実行時間を調べ、開発の妨げになっているボトルネックを検出する「プロファイラ」などの機能を追加。コーディング作業の手間を減らし「Windowsのデスクトップアプリケーションのように、Webアプリケーションを開発できる」のが特徴だ。
Delphi for PHPを開発したのは、スペインのqadram softwareのCEO、エンバカデロ・テクノロジーズでDelphi for PHPのチーフアーキテクトという2つの顔を持つホセ・レオン氏だ。同氏に、Delphi for PHPを企業で使うメリットを聞いた。
―― 企業がDelphi for PHPを使うメリットはどこにあるのでしょうか。
レオン 開発に必要となる一般的な作業がコンポーネントの中にパッケージ化されているので、それを使うだけで、Webアプリケーションを簡単に開発できるという点です。新たに開発したコンポーネントも再利用でき、開発作業に必要な時間を減らせます。Delphi for PHPでサービスを開発し、クライアントは別環境で作り、それぞれをリンクさせることも可能です。
多くの企業が採用しているOracleなどのデータベースをサポートしているのも強みです。データアクセス用のコンポーネントや、テーブルに対してのアクセス、Oracleのサーバに対する呼び出し履歴などが使えます。
―― 他社製のPHP向けIDEに比べて、生産性に差は出てくるのでしょうか。
レオン 従来の方法でゼロからアプリケーション開発のコードを書くと、非常に時間がかかっていました。Delphi for PHPでは、Wordのようなエディタ機能をブラウザ経由で提供しています。これを使うことで、重要なビジネスルールやコードだけに焦点を当ててアプリケーションを開発できます。PHPのインタフェースを作るのに必要だった「数万コードを書く作業」を減らしたという事例もあります。この数字は、開発に必要な作業の80%を占めていました。
―― 対象となる企業ユーザーは。
レオン PHPを使う既存の開発者やDelphi for Windowsを使う開発者です。デスクトップアプリケーション構築はできるものの、Webアプリケーションの開発に慣れていないといったユーザーも対象になります。
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