“かざすだけ”で改札を通れるIC乗車券。各鉄道会社も熱心に磁気きっぷ/定期券からの移行を勧めていることもあり、毎日の通勤にSuicaやPASMOを使っているという人は多いのではないだろうか。
磁気きっぷ/定期券を通すよりも、IC乗車券をタッチして通る方がスピードが速い。普段はいいのだが、その分怖いのが読み取りエラーだ。エラーを起こした1人が少し改札口で止まっただけで、あっという間にその後ろに人がたまってしまう。特に混んでいるときほど、後ろの人たちへの申し訳なさ、いたたまれなさは大きい。
さて、ここで質問。「以前は問題なく通れたのに、最近急に、SuicaやPASMOをかざすとエラーが出るようになったんだよな……」と思ったことはないだろうか。もし心当たりがあったら、SuicaやPASMOを入れている財布やパスケースを開けてみてほしい。そこに、ICカード免許証が入っていないだろうか?
警視庁では2007年1月から、運転免許証のICカード免許証化を進めている。目的は、免許証の偽造を防ぐためだ。
従来の免許証とICカード免許証は、サイズは同じだが厚みが異なる(右写真)。ICカード免許証の中にはICチップとアンテナが入っており、このICチップに個人情報が書き込まれている。例えば従来の免許証では表面に本籍の記載があったが、ICカード免許証ではプライバシー保護のため、本籍欄が空欄になっている。こういった情報がICチップの中に書き込まれているのだ。
ICチップ内のデータを読み出すには、4ケタの暗証番号が2組必要になる。余談だが、暗証番号を続けて3回間違えると読み取りができなくなってしまう。運転免許試験場や免許センター、各警察署に行かないと復旧できないので、必ず覚えられる番号にしておくことをオススメする。
ICカード免許証への切り替え時期は、都道府県によって異なる。東京、埼玉、茨城、兵庫、島根では2007年1月4日、千葉、岡山、香川、長崎、熊本では2008年1月4日発行分からICカード免許証へ切り替わっている。2009年1月4日からは28道府県で切り替えが始まり、2009年度中にはほとんどの都道府県でICカード免許証が導入される予定だ。
本題に戻ろう。SuicaやPASMO、ICOCAといったIC乗車券を複数枚同じ定期入れに入れたり、ICカード免許証とIC乗車券を重ねた状態で自動改札にかざすと、読み取りエラーが起きて改札を通れなくなることがある。
また、PASMOやnimocaを導入しているバスでは、読み取りエラーが起きた結果、運転手が誤って取り消し操作を行うなどの理由で二重に運賃を引いてしまう事故が起きている(参照リンク、PDF)。
SuicaやPASMOなどのIC乗車券には「FeliCa」、ICカード免許証には「Type B」というICチップが入っている。異なるチップを使ったカードなのに、なぜ一緒に使うとエラーが起きてしまうのだろうか。
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