はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。
※本記事は、「Chikirinの日記」において、2006年7月18日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。
面白い話を聞きました。「終電が出る時刻」という概念。
これは、「有権者の中で50歳以上の人が占める割合が半数を超える時」を指します。この時を境に「財政改革ができなくなる」と言われています。
50歳以上の人たちは給付を受ける側の人たちであって、この層が過半数に達すると、「将来の世代に借金を残してでも、自分たちへの給付を厚くしてほしい」という声も過半数に達する、と。そうすると年金や医療保険を含め、財政再建ができなくなる。そういう話です。
IMFがこの終電発車時刻をいくつかの国別に算出しています。で、日本についても計算してみると、2005年の段階ですでに日本は52%と「終電がでてしまった後」なのです……。
そーだったのね……。「いや、終電は60歳以上の有権者が過半数を超える時だ!」という意見もあるのでしょうが、それでさえ日本はそんなに安心できないようです。
「高齢者の全員が自分のことしか考えない」とは思わないけど、投票率の差も合わせて考えると、確かに「60歳以上が有権者の6割」とかになったら、やっぱり「年金の給付を大幅カットして、保険料を低くしよう!」という話は選挙受けしなくなるでしょう。
この話を聞いて、初めてちきりんは「選挙権を18歳から認める」という話の意味が分かりました。若い人に選挙権を与えることが唯一、終電時刻を遅らせる方法として残っているものなのです。
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