異論はあるだろうけど、個人的に2019年のスマホカメラベスト3は「Galaxy Note10+」と「iPhone 11 Pro」、そしてGoogleの「Pixel 4」だと思うのである。
Huaweiのハイエンド機は、新しい配列高画素型イメージセンサー採用とか、望遠カメラの強化とか、そういう新機軸を取り入れたせいか、安定感に欠けていた。2020年に期待したい。
Pixel 4って派手さはないけど、写りに安定感があるのだ。ヒット率が高いというか失敗しないというか、ホームランは少ないけど打率はめちゃ高いというか、そういう印象だ。
で、Pixel 4は最初のレビューで人物作例が間に合わなかったこともあり、同じく安定感のあるiPhone 11 Proと対決しつつ、時にはいじわるな環境で試しつつ、細かくさぐってみたい。主にどっちの写りがいい? という観点で。
対決内容は基本撮影&HDR、ポートレート&自撮りポートレート、ナイトモードの3つ。
iPhone 11 Proは超広角→広角(26mm相当)→2x望遠(52mm相当)のトリプルカメラ。
Pixel 4は超広角カメラを搭載しておらず、広角(27mm相当)→望遠(43mm相当)のデュアルカメラ。
画素数はどっちも1200万画素だ。比較しようってことなので、超広角カメラはお休み。一応1枚だけ。
ではメインカメラとなる広角カメラ。ほぼ同じような性能なので見比べやすいのだが、並べて見るとiPhoneの方が青空が濃くて全体にちょっとシャープだけど、Pixel 4の方が明るくて爽やかな印象だ。
望遠カメラはiPhoneの方がちょっと望遠だ。
意外なところで差がついたのがデジタルズームの画質。Pixel 4は8x、iPhone 11 Proは10xまで伸ばせるが、実用的なところでそろえようってことで「4x」にセットして撮り比べてみた。
ちょいと場所を変えて浅草で。
拡大してみよう。Pixel 4の方がシャープさには欠けるけど、ディテールが不自然ではなくちゃんと出ている。iPhoneは斜めのラインをごまかしきれていない。デジタルズームのテクノロジーは今後ますます大事になってくると思う。この技術があれば無理にレンズの倍率を上げなくてもいいかも。
せっかく浅草に来たのでいつものを。展望テラスから見た仲見世。これ、細かい解像感を見るのによいのだが、差が出たのはそっちよりも青空。今回のiPhoneは青空にめちゃこだわっているようだ。
ただ、iPhone 11 Proは青空にこだわりすぎてか、全体に青っぽくなることがある。例えばこれ。薄い曇天の日、iPhoneは実際の空以上に青くなっているがその分、クリーム色の壁の色が少しずれている。これはシーンによって気になることもある。
次は室内での料理。iPhone 11 Proの方が明るくて色も料理っぽい。料理写真の場合、照明環境で写りが変わるので一言ではいえないのだけど、この条件だとiPhone 11 Proの方がよい。
続いてHDR編だ。どちらも自動的にHDRが掛かるので、HDRが掛かりそうなシーンで撮り比べてみた。屋外のHDR案件から。どっちもよい写りだけど、iPhone 11 Proの方が青空をはっきりと残している。
次は屋内+屋外案件。iPhoneの方が期待していた色と写りを出してくれた。室内部分は明るく、屋外部分もしっかり出ている。
屋内と屋外を同時に撮ることはスマートフォンではよくあるわけで、HDRは大事だ。
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