ASUSが3月14日、Zenfoneシリーズの新型スマートフォン「Zenfone 11 Ultra」をグローバルで発表した。日本での発売は未定。
Zenfone 11 Ultraは、6.78型ディスプレイを搭載したASUSのフラグシップスマートフォン。先代の「Zenfone 10」とその前の「Zenfone 9」は5.9型ディスプレイを搭載した小型スマホとして位置付けられていたが、Zenfone 11シリーズは現時点で「Ultra」のみ用意しており、無印の「Zenfone 11」は含まれていない。
価格は12GB+512GBモデルが999ユーロ(約16万2000円)だが、事前予約をすると899ユーロ(約14万5000円)に割り引くキャンペーンを実施している。16GB+512GBモデルの価格は1099ユーロ(約17万8000円)。
カラーバリエーションはMisty Grey、Skyline Blue、Eternal Black、Desert Sandの4色を展開する。背面はマットな質感でありながら、光沢感のある仕上げを施した。ASUSのロゴを想起させるデザインをあしらっているのも特徴だ。フレームには100%再生アルミニウムを、前面には再生ガラスを約22%使っている。
ディスプレイは、サムスン電子のフレキシブル有機ELを採用しており、ピーク輝度は2500ニトとなる。リフレッシュレートはコンテンツに応じて1〜120Hzの可変駆動に対応する。強化ガラスとしてCorning Gorilla Glass Vicuts 2を採用している。トップ、両サイド、下部のベゼルを狭めることで、Zenfone 10の90%よりも高い94%の画面占有率を実現した。
アウトカメラはZenfone 10にはない望遠カメラを追加しており、5000万画素のメインカメラ、1300万画素の超広角カメラ、3200万画素の望遠カメラで構成される。
メインカメラは6軸のハイブリッドジンバルスタビライザー3.0を備えており、動きながら動画を撮影しても手ブレを抑えられるという。高画素カメラを生かし、中央をクロップすることで画質劣化を抑えた2倍のズームが可能。AIを用いたポートレートビデオ撮影にも対応しており、被写体の顔を追従し、リアルタイムで背景をぼかすことができる。超広角カメラは120度の画角で撮影できる。
望遠カメラは光学式手ブレ補正や最大3倍の光学ズームに対応している。デジタルズームを組み合わせれば最大30倍のズームが可能だ。デジタルズームで撮影した画像は、ディテールが粗く見づらくなることが多いが、10倍以上のズームで撮影した画像をディープラーニングを用いて解析することで、ぼやけた部分を復元できる。このハイパークラリティ機能を活用することで、例えば遠くから撮影した文字も鮮明に写せるという。
インカメラは3200万画素を搭載。90度の画角に対応しており、より広角の0.7倍ズーム倍率にも切り替えられる。RGBに白を加えたRGBWセンサーを使うことで、低照度の環境でも明るく撮影できることをうたう。Zenfone 9と比較して67%多くの光を取り込め、50%のノイズを低減できるという。
プロセッサはSnapdragon 8 Gen 3を搭載。メインメモリと内蔵ストレージの構成は12GB+256GBと16GB+512GBの2種類を用意する。バッテリー容量はZenfone 9と10の4300mAhよりも大容量の5500mAhだ。ASUSが検証したところ、連続駆動時間はZenfone 10の19.4時間から26.4時間に向上した。65Wの急速充電に対応しており、0%から100%までの充電を39分で行える。15Wのワイヤレス充電にも対応している。
オーディオ機能も強化した。Zenfone 10よりも25.2%大きくなったデュアルスピーカーを装備。昨今の海外メーカー製スマホでは珍しい、3.5mmイヤフォンジャックも継続して搭載している。
AIを用いた5つの新機能も搭載している。
「AI Transcript」では、録音した音声データを解析して、テキストに変換したり要約したりできる。「AI Call Translator」では、録音した内容をテキスト化し、他言語にリアルタイムで翻訳できる。いずれも対応言語は中国語、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、日本語。
「AI Wallpaper」は、6種類のスタイルに基づき、壁紙を自動生成してくれる。
「AI Noise Cancellation」は、機械学習を用いて、通話時の雑音を抑えてくれる。このノイズキャンセル機能は標準の通話アプリに加え、VoIPアプリでも適用できる。
写真、設定、アプリなどを横断して検索できる「Semantic Search」も用意。写真は「2023年 台湾 料理」など、日時、場所、被写体などから検索が可能。こちらも日本語は対応している。
AI機能はいずれもオンデバイスで処理するので、オフラインで利用できる。なお、一部の機能はβ版になり、発売後のソフトウェアアップデートで対応する見込み。
本体サイズは76.8(幅)×163.8(高さ)×8.9(奥行き)mm、重量は224g。本体はIP68の防水・防塵(じん)をサポートする。SIMはデュアルSIMだが、物理SIMを2枚使う仕様でeSIMには対応しない。OSは2年間のメジャーアップデートと4年間のセキュリティアップデートを保証する。
対応バンドは以下の通り。
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