録画以外の添付ソフトとして簡易編集ソフト「MpegCraft LE」がある。これはフレーム/GOP単位でのカット編集を可能とし、再圧縮を伴わないため画質劣化がなく高速処理ができるのが特徴だ。
特にハイビットでIフレーム録画を行えば編集マスターとして不必要な部分を除いたものが得られるのが魅力だろう。ただし、15Mbps以上のMPEG2ファイルには適応できないので、この点だけは気をつける必要があるだろう。
今回、MTVX2004の発表と同時に、ソフトウェアとアクセサリの追加パッケージが販売された。現在ラインナップされているのは「X pack 2」、「X Pack Plus Kit」、「X Pack plusR Kit」(発売3月下旬予定)、「CRM-1」がある。CRM-1はUSB接続の赤外線レシーバーとリモコンのセットだ。
X Pack Plus Kitは、従来製品を含む、ソフトウェアのアップグレードキットだ。MTVX2004の場合、インストールすると「X-TransCoder3」というソフトウェアが追加され、録画した画像をSD-Videoに変換することができるようになる。SD-Videoは、SDメモリカードに転送して、携帯電話やDVカメラで記録した映像を見ることができるMPEG-4ベースのフォーマットだ。
X Pack 2は、記録ファイル(AVI、MPEG1/2、WMV)をより圧縮率の高いDivXやWMV9に変換するX-TransCoderのキットだ。どちらのフォーマットもMPEG2よりも圧縮率が高く、画質劣化の少ないエンコーダーだ。
それに加えて、より高画質なDivXの2passエンコードにも対応しており、手間をかけずに圧縮することができるのが魅力となっている(DivXPro 5.1.1のインストールパッケージとライセンスコードが付属)。これらのソフトウェアを必要に応じて導入すれば、MTV2004の魅力をより引き出すことができるだろう。
X-TransCoderを使うメリットはふたつある。一つは複数のファイルを随時変換対象に加えることができることで、変換作業を行いながら別のファイルを選択、オプション指定できるのは楽だろう。
もう一つはFEATHERとの連携機能で、ハードウェア圧縮記録を使用している場合はMPEG2への記録と平行してエンコードが可能な、バックグラウンド・トランスコードが利用できることだ。
この場合は、本来録画が終了してから開始する変換作業を録画と平行して行えるので、変換終了待ち時間を最小限に抑えることができる。圧縮にはより高画質が狙える2pass圧縮も設定可能でこのような時間のかかる作業を少しでも短時間で終わらせるにはよい。
なお、X Pack 2は製品としてはやや古いので、インストールはX Pack Plus Kitをインストールし、X Pack 2はそのアップグレードインストールの形で組み込むほうがよい。これで新規アプリケーションとしてX-TransCoderがインストールされる。
MTVX2004は、カノープス製品は性能が高くても価格も高い、と諦めていたユーザーへ強力に訴えかけるハイコストパフォーマンス製品だ。特に操作レスポンスの高さは特筆ものだろう。追加パッケージで機能追加も行えるのもよい。TVチューナー付きビデオキャプチャカードの一押し商品であることは間違いないだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.