地デジ/ラジオを“内蔵しちゃった”Netbook、「ONKYO C4シリーズ」の実力チェック:Netbookでは初の試み(3/4 ページ)
ONKYOの「C4シリーズ」は、地デジあるいはラジオを小型ボディに“内蔵してしまった”同社独得のノートPCだ。今回は地デジモデルとラジオモデル、2機種まとめてその使い勝手を検証する。
ほかにはない「地デジチューナー内蔵」「FM/AMラジオチューナー内蔵」
PCとしてのパフォーマンスは、よくあるAtom N450搭載のミニノートPCと同様で、特筆すべきところはあまりない。ただ、ONKYO Cシリーズは他社製Netbookにはない「地デジチューナー内蔵」「FM/AMラジオチューナー内蔵」という大きな特徴がある。C4シリーズを選ぶ最大のポイントは、やはり地デジチューナーやFM/AMラジオチューナーが必要か否かということになるだろう。
まずは、地デジチューナーを内蔵する「C411A6」を見てみよう。地デジチューナーは、オンキヨーが独自開発したMini PCI Expressモジュールを採用し、本体に“内蔵”される。地デジ放送の受信に必要なB-CASカードも、より小型のminiB-CASカードを用い、それぞれ小型ボディのNetbookに違和感なく内蔵できる設計としてある。カードスロットはバッテリーを外した内側にあり、ちょうど、海外市場向けモデルによくある3Gデータ通信用SIMスロットを流用した格好である。
地デジ放送視聴のためのアンテナは、本体右側面の外部アンテナ端子へ付属のF型端子変換アダプタを経由して接続する。残念ながら本体には放送受信用のアンテナは内蔵されず、原則として放送の受信には外部アンテナが必要となる。このため、PC単体では放送を受信できないのが少し残念だ。同様の理由で、外出先にて放送中の地デジ放送を視聴する……という使い方もあまり想定されていない。
番組の視聴や録画は、付属する独自アプリケーション「PureSpace」で行う。PureSpaceは、テレビ以外に、音楽や写真、動画といったマルチメディアコンテンツを再生・管理できる統合アプリケーションだ。音楽再生時にWindowsの音量ミキサーをバイパスし、音声信号をダイレクトに伝送することで高品位に再生する「PDAPテクノロジー」や、離れた場所でも操作しやすい10フィートUI仕様の操作メニューなどを実装する。
PureSpaceメニューより「TV」を選択すると、画面左側に操作項目が並び、右側に現在放送中のテレビ番組が表示される。全画面表示はもちろん、電子番組表のチェックや予約録画の設定も可能だ。アプリケーションは全体的に動作のレスポンスが鈍いが、表示する映像は地デジだけあって(きちんと受信できていれば)くっきり高精細に放送を楽しめる。番組はTSモード(のみ)でHDDへ録画でき、1時間あたり約7.1Gバイトが必要となる。
番組は全画面表示以外に子画面での表示も可能で、“ながら視聴”も行えるが、操作レスポンスは全体的に少し鈍めになる。ほかの作業をできないことはないが、ディスプレイの解像度が低いことも含めて、マルチタスク作業はややストレスがたまる印象だ。
録画はデジタル放送の放送波をそのまま保存する、いわゆるTSモードのみに対応する。最近のデジタル放送チューナー搭載PCや家庭用レコーダーなどと比べると、(シングルチューナー仕様のため)2番組の同時録画や裏番組録画、AVCRECによる長時間録画などは行えず、ダビング10やムーブなどには対応しない。このあたりを割り切りと考え、本機はプライベートルーム用の手軽かつ安価な小型テレビ&レコーダー兼ポータブルプレーヤー代わりにする使い方になるだろう。例えば、在宅時にプライベートルーム用の小型テレビとして使用する、ドラマやニュース番組を予約録画して、通勤中や休憩時に録画した番組を楽しむ──といった使い方がマッチするのではないだろうか。
なお、地デジ放送は(録画した番組を含めて)本体のディスプレイにのみ表示可能だ。外部ディスプレイ出力がアナログRGBのみであることを含め、残念ながら外部接続したディスプレイには表示できないので注意したい。
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