予想外のポイントで“悪戦苦闘” 「縁結びのまち」で小中学生と共に富士通LIFEBOOKを組み立てる(後編)(1/5 ページ)
富士通クライアントコンピューティング(FCCL)と島根富士通が、約3年ぶりにPCの組み立て教室を開催した。この記事では、実際に組み立てる過程をレポートする。
島根富士通は、富士通クライアントコンピューティング(FCCL)との共催で「第15回 富士通FMVパソコン組み立て教室」を開催した。今回の組み立て教室は約3年ぶりの開催で、小学5年生から中学3年生までの親子20組が軽量ノートPC「LIFEBOOK WU2/F3」の組み立てを通して社会学習を行うと同時に、もの作りやICTへの興味喚起を図るという取り組みだ。
FCCLから「組み立ててみませんか?」と誘いを受けたPC USER編集部は、筆者を島根富士通に派遣。小中学生や保護者、他の報道関係者、そしてFCCLの大隈健史社長と一緒に組み立て体験をすることになった。
前編から少し時間が空いてしまったが、この記事では、いよいよLIFEBOOK WU2/F3の組み立てに入る。果たして参加者はノートPCを“無事に”組み立てられるのだろうか……?
部品は「無人搬送車」で受け取り
前回の記事で触れた通り、参加者の席には組み立てに必要なものがあらかじめセットされている。しかし、LIFEBOOK WU2/F3を構成する部品は小物(留め金、SSD、ゴム足)はセットされているものの、肝心要となる部品(ディスプレイユニット、マザーボードなど)は見当たらない。
「どこかから運び込むのかな……?」と思って会場の左方を見ると、機械に引っ張られた少し大きめの台車が参加者の目の前にやってきた。これは「無人搬送車(AGV)」というもので、実際に島根富士通の工場内でパッケージ(箱)や部材の運搬に使われている。
島根富士通の工場内の廊下をよく見ると、AGVが進路を決定するための「ガイドライン」が貼られている。AGVに荷物を載せた後に行き先を指示すると、このガイドラインに沿って自動で目的地まで運んでくれるという寸法だ。
ただ、組み立て教室の会場はAGVの通常の走行コースではない。そこで、組み立て体験をする親子(そして大隈社長や筆者ら報道関係者)に部品を届けるべく、このイベントのために特別にコースに組み入れられた。「石見神楽バージョン」として竜の飾りも取り付けられている。
組み立て前には練習を
大きなパーツを受け取ったら、組み立てを始めるための身支度と、ネジ締めの練習に移る。
前編でも触れた通り、各組の机の上には「FMV LOOX」が置かれている。このLOOXには、島根富士通で実際に使われている作業支援/管理アプリがインストールされており、身支度を終えたらその指示に従って作業を進めることになる。
LOOXの操作方法を一通り確認したら、エプロンや手袋などを装着して身支度をすることになる。パーツに傷を付けないようにするため、腕時計、腕輪や指輪を付けている場合は取り外すように指示される。
作業支援/管理アプリの「応援」ボタンを押すと、管理者(今回は島根富士通のスタッフ)に通知が行われる。それを受けて、管理者は応援を求めた作業員(今回はペア)のもとにヘルプの作業員を派遣し、作業に対する助言や支援を行うようになっている
本格的な作業を始める前に、まずネジ回しの練習が行われた。「え、ネジを回すのに練習?」と思うかもしれないが、ノートPCの組み立てには非常に小さなネジが使われる。“真っすぐに”ねじ込むのが意外と難しいのだ。
仕事柄、筆者はデスクトップPCやノートPCのパーツの着脱をするためにネジを回す機会は多いのだが、軽量ノートPCは1本1本のネジにも軽量化が施される傾向があるので、ネジ回しのトルク管理が案外シビアである。今回は、普段は機械締めとなる(トルク管理がなされたネジ回し機でネジを締める)部分の一部も手締めすることになるため、回す練習は欠かせないのだ。
今回は大きく3種類のネジを締めることになるため、それぞれについて3回ずつ計9回練習した。かなり小さいネジは、大人の指だと若干つかみづらいこともあり、子どもの方が作業面で有利な場面も出てきそうである。
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