以前からウワサが流れていた“デュアルコアAtom”搭載マザーが、9月21日から複数のショップに並んだ。登場したのはインテルの「D945GCLF2」で、価格は1万2000円弱。「初回ながら、かなり大量に仕入れることができました」(T-ZONE.PC DIY SHOP)と語るショップがいくつかあり、潤沢な数が出回りそうだ。ただし、反響によってはすぐに入手困難になる可能性もあるという。
D945GCLF2は、デュアルコアのAtom 330(1.6GHz)を搭載したmini-ITXマザー。チップセットにグラフィックス機能内蔵のIntel 945GC Expressを採用し、最大2GバイトのDDR2 667/533を装着できるメモリスロットを1基備える。また、ギガビットLANに対応したほか、Serial ATAポートを2基とSビデオ端子を搭載しているのも特徴だ。拡張スロットはPCIスロット1基。
事前告知のない状態で発売となったが、入荷したショップはすでにヒットを予想していた。ソフマップ リユース総合館は「シングルコアのAtomマザーは約1万円の低価格で爆発的にヒットしました。D945GCLF2は、そこからわずか2000円高いだけなので、値頃感は高いですよ。CPUがデュアルコアになった以上に、LANが従来の100BASE-TXから1000BASE-Tまで拡張されたのが大きいですね。サーバマシンを組むなら、高速なLAN環境は魅力的。これは売れます」と語る。
フェイス パーツ館も「CPUの性能アップを過度に期待するのは危険ですが、個人用途のサーバマシンやサブマシンを構築するなら、不足はない仕様です。最初にAtomマザーが登場したころに比べて対応ケースが増えているし、今は格段に導入しやすいです。ヒットは間違いないでしょう」と期待する。
ただし、これら好意的な意見の中にも、デュアルコアAtom自体を評価する声はほとんどなかった。ある店員さんは「デュアルコアといっても、Core 2 Duoのような効率化がなされているわけでなく、単純にコアを2つ載せただけ。どちらかといえば、無理矢理コアを2つ搭載したPentium Dのような構造です。Coreアーキテクチャではなく、“PenDアーキテクチャ”ですね。さらに、もとがAtomですから、ハイパフォーマンスを求めるのが間違いでしょう。まあ、頻繁にアクセスするサーバを組めば、シングルコアより少し快適になるとか、その程度でしょう」と辛口に語っていた。
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