Latitude 2100は、教育市場のためにデルが新規に開発したNetbookだ。CPUにはAtom N270(動作クロック1.60GHz)を搭載し、チップセットはIntel 945GSE Expressを採用、液晶ディスプレイのサイズは10.1型ワイドで解像度は1024×576ドットと、システム構成や主要なスペックは既存のNetbookとほぼ共通する。
BTOで一部のスペックはユーザーがカスタマイズでき、データストレージでは最大16GバイトのSSDや最大250Gバイトのデバイスが選択できるほか、無線LANではIEEE802.11b/g対応のDell Wireless 1397以外にIEEE802.11a/b/g/n(nはドラフト準拠)対応のDell Wireless 1510、IEEE802.11 a/g/nに対応して3×3のMIMOを搭載するIntel WiFi Link 5100などが選択できる。また、キーボードに慣れていない児童が使うことを考慮して液晶ディスプレイにタッチパネルを内蔵したモデルも用意される。
Latitude 2100 | 主な仕様 |
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OS | Windows XP Home Edition(SP3)、Windows Vista Home Basic(SP1)、Windows XP Professional(SP3)から選択 |
CPU | Atom N270(1.6GHz) |
チップセット | Intel 945GSE Express |
メモリ | DDR2-800MHz、1Gバイト、最大2Gバイト(オンボード1Gバイト、メモリスロット1基) |
グラフィックス | Intel GMA 950 |
バッテリー駆動時間 | 約3時間(3セルバッテリー)、約6時間(6セルバッテリー) |
データストレージ | SSD(最大16Gバイト)、またはHDD(5400rpm、最大250Gバイト)から選択 |
有線LAN | 10/100/1000BASE-T |
無銭LAN | なし、Dell Wireless 1397(IEEE802.11b/g)、Dell Wireless 1510(IEEE802.11a/b/g/n)、Intel WiFi Link 5100(IEEE802.11a/g/n)、Intel WiFi Link 5300(IEEE802.11a/g/n)から選択 |
Bluetooth | なし、Dell Wireless 365 Bluetooth 2.1から選択 |
光学ドライブ | なし、USB 2.0接続外付けDVDスーパーマルチドライブから選択 |
カードリーダ | 3-in-1(SDメモリーカード、MMC、MMC Plus) |
インタフェース | USB 2.0×3、アナログRGB出力、ヘッドフォン、マイク |
サイズ | 約265(幅)×187(奥行き)×22.5〜39.9(厚さ)ミリ |
重さ | 約1.32キロ(3セルバッテリー搭載時) |
デルの資料では搭載するメモリの容量でDDR2 800MHzを標準で1Gバイト、最大で2Gバイト搭載し、導入するOSには、Windows XP Home Edition(SP3)以外に、Windows XP Professional(SP3)、Windows Vista Home Basic(SP1)を選べるようになっているが、メモリを2Gバイト搭載できるのはOSにWindows Vista Home Basic(SP1)を導入したモデルに限られ、Windows XP Professional(SP3)を導入したモデルは、教育機関に所属する特定ユーザーのみに販売される。
なお、デルが示した一部の資料では、ボディカラーのバリエーションで「黒」「赤」「青」「緑」「黄」の5種類が示されているが、日本市場では「黒」「赤」「青」のみとなる。この理由について、デルは「日本市場では黒と赤と青が特に必要とされるため」と説明している。
デル 北アジア地域公共事業マーケティング本部クライアントソリューションマーケティングマネージャの垂見智真氏は、IDCが行った調査で、「今後最も成長する製品カテゴリーは学生専用機器(Student Appliances)」「米国のK-12市場(幼稚園から高校に就学する年代をターゲットにした市場)でノートPCにおけるNetbookの割合は2012年までに3割を超えるだろう」という結果が報告された事例を紹介したうえで、「いま存在するNetbookはコンシューマー向けであって学生用とはいえない。光沢液晶や液晶ディスプレイ付きタッチパッドなどは学生に必要ない。学生向けのNetbookはコンシューマーと企業向けの両面性が求められるが、そういう製品はまだ存在しない」と、教育市場、特にK-12と米国で呼ばれる、幼稚園から高校に就学する児童生徒向けに特化して開発されたNetbookの必要性を訴えた。
IDCの調査では、「学生専用」とカテゴライズされた機器の特徴として「低い導入コスト」「ワイヤレス接続」「1キロから1.5キロと軽くて頑丈」「バッテリー駆動時間が6時間以上」「7インチ以上のディスプレイ」「タッチパネルの内蔵」という条件を挙げているが、教育市場向けに特化して新規に開発されたLatitude 2100では、それらの特徴が反映されている。垂見氏は、Latitude 2100の特徴を「高性能」「柔軟性」「デルならではの価値」という3本柱で紹介したが、「高性能」については「コンシューマー向けPCと教育市場向けPCとで高性能の意味は違う」とわざわざ断ったうえで説明している。
垂見氏が述べる“教育市場向けPCで求められる高性能”とは、教室に設置したすべてのPCをネットワークでブートするためのギガビットイーサネット対応であったり、生徒が使うPCによる不要なネットワークアクセスを教壇に立つ教師がチェックできる「液晶天面に設けられたネットワークアクセスランプ」であったり、乱雑に扱われても故障したり傷が付いたりしない「SSD」と「ボディ表面に施されたゴム素材のコーティング」であったりする。背面に搭載されるバッテリーパックに設けられた「名札入れ」もLatitude 2100に盛り込まれた“高性能”要素として垂見氏は紹介している。
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