2009年のホリデーシーズン(11月末以降)にリリースする次期OS「Windows 7」。コンシューマーユーザーは企業ユーザーほど「Vista飛ばし/敬遠」が顕著ではないが、日常で行う作業がどの程度快適になるのか、何が変わるのか、そしてそれらが対価に値するのかはやはり重要なポイントとなる。
中でもユーザーがWindows 7を選択するトリガーになるのは「パフォーマンス」だ。Windows 7はパフォーマンス改善に関して以下の仕組みを導入し、実測値とともに体感値の向上も実現するという。
ディスクI/Oやレジストリアクセスの高速化は、起動やシャットダウン、スリープや休止状態からの再開スピードを改善し、「使用するまで」にかかる時間の短縮に寄与する。
トリガースタートサービスは、システムの状態をトリガーにしてサービスを逐次起動する──ユーザーによって開始されない処理はバックグラウンドで実行する仕組みとなる。OSの起動時に開始するサービスは、Windows XPが40個、Vistaが61個であったのに対し、Windows 7はXPの値に近い49個としたことで、同じPCでもVista以上の高速起動を実現する。
検索結果の並び替えやグループ分けに関わるチューニングを進め、検索スピードを40%向上させる。
USB周辺機器など、装着後のデバイス認識にかかる速度やドライバインストール速度を向上。同時にシステムの高速化を図るReadyBoostは、USBメモリ以外に複数のフラッシュデバイスをサポートする。
Windows 7の新Win32 APIのうち、2Dグラフィックスの描画に用いる「Direct2D」は、解像度に依存しない2DのAPIを採用し、従来のGDI(Graphic Device Interface)やGDI+より高品質でパフォーマンスにも優れる描画性能を実現する。また、デスクトップ描画を担うWindow 7のDesktop Window Manager(WDM/Direct3D 10.1 API)は、ウィンドウあたりのメモリ消費を50%削減するとともに、ウィンドウの数に関係なく消費メモリは一定となる特徴を持つ。
ウィンドウの数に比例してメモリ消費量が増え、結果として重くなる仕組みだったWindows Vistaに対し、Windows 7は数多くウィンドウを開く場合も消費メモリ量が変わらないため、描画速度に影響をもたらさないという。
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