薄く、軽く、長時間。もちろんPCとしての使い勝手は損ねずに──。インテルが提唱する新世代のモバイルPCカテゴリ“Ultrabook”が各メーカーより続々登場する兆しが見られる。
東芝の「dynabook R631」もその注目モデルの1つになるであろうUltrabookだ。ちなみに国内市場へは2011年9月29日現在、日本エイサーも「Aspire S3」を同時期に投入する予定。今回は、実動機は残念ながら鋭意チューニング中とのことなので、サンプル機で外観のみをチェックする。
dynabook R631は、東芝のスリムモバイルノートPC「dynabook R731」シリーズで培った薄型・堅牢・軽量・長時間動作などの技術を活用し、インテルが提唱するUltrabookに当てはまるモデルに仕上げた。どの仕様を満たせばUltrabookなのか──は、規格ではなく現在はあくまで呼称のため公式にはズバリこれと述べられてはいないが、R631は同社プレスリリースによるとUltrabookは「洗練されたデザインで業界最高水準の性能と応答性を備えた、かつてないほど薄くて軽いノートPCの新規カテゴリ」と記されている。一応、インテルのCore プロセッサ(超低電圧版)の搭載や13〜14型クラスなら厚さ*ミリ以下、バッテリー動作時間は*時間以上などといった内部基準はあると想定される。
ボディは1366×768ドット表示の13.3型ワイド液晶ディスプレイを採用し、316(幅)×227(奥行き)×8.3〜15.9(厚さ)ミリ、重量は約1.12キロ。同社は13.3型ワイド液晶ディスプレイ搭載ノートPCとして世界最軽量、同じく突起物を含まない最厚部において世界最薄とうたう(2011年9月現在)。カラーはアルティメットシルバーの1色のみで、天面やキーボード面を含めてマグネシウム合金を採用する。天面パネルに施されたヘアライン処理や、軽さ・薄さとも相まって、手にした感覚はなかなか上々だ。ボディは基本的に板状の平たい造形だが、ボディの手前側を緩やかに絞ることで最薄部8.8ミリのスリムな印象を強調している。また、薄いといっても先端はほどよく丸く造形されているので、抱えても指に食い込んで不快に思うことはない。
ボディは高剛性のマグネシウム合金素材とともに、荷重のかかるパームレスト部分にハニカム形状のリブを、キーボード下にハニカム構造のフレームを採用し、特にねじれ強度を向上させている。片側を持ち軽く振ってもまるで金属板のようにカチッとしている。また、100キロfの面加圧、76センチの落下、30ccの防滴テストもクリアする堅牢性の高さもdynabook R731ゆずりだ。
主な仕様は、超低電圧版Core i5-2467M(1.6GHz/最大2.3GHz)+Intel HM65 Expressチップセットの組み合わせに、4Gバイトメモリ(固定)、128GバイトのSSDなど。光学ドライブや外部GPUは搭載せず、グラフィックスはCPU統合のIntel HD Graphics 3000を用いる。
インタフェースは本体右側面奥にヘッドフォン/イヤフォン入出力(3.5ミリピンジャック)、SDメモリーカードスロット、本体右側面奥にUSB 3.0、盗難防止ロック(ケンジントンロック)ポート、そして背面にギガビット対応有線LAN、排熱口、USB 2.0×2、HDMI出力、DC入力、アナログRGB出力を実装する。この配置は薄型ボディゆえといえ、どのインタフェースを使い勝手のよい側面にするかは悩ましい選択だったと思われる。(Intel WiDi対応のため、やろうと思えば無線化できるが)オフィスや家では外部ディスプレイに接続してマルチディスプレイ環境で作業するユーザーにとって、外部出力端子の接続に若干の面倒を強いられそうだ。通信機能には、WiMAXとIEEE802.11b/g/n準拠の無線LAN対応コンボモジュール Centrino Wireless-N+WiMAX 6150を実装する。
キーボードは日本語87キー配列で、標準19ミリのキーピッチ、1.2ミリのキーストロークを確保する。キーストロークは浅めだが押下感がやや重めであるためか、打ち心地は意外に悪くない。巨大なEnterキーはともかく、Back Spaceキーが幅広く、カーソルキーも半段下げて配置してある。また、キーバックライトも標準搭載し、暗所や列車・航空機内でも快適に扱えそうだ。タッチパッドはジェスチャーコントロール対応の2ボタン仕様で、クリックボタンの間に指紋センサーを実装する。
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