COMPUTEX TAIPEI 2012の開幕と同時に発表したTDP 17ワット級“第3世代Coreプロセッサー・ファミリー”を搭載するUltrabookを、Intelは、CeBIT 2012などで「第2世代のUltrabook」と呼んできた。CPUの発表と同時に第2世代Ultrabookも市場に登場することになるが、この“Ivy Bridge”世代CPUの搭載で、統合するグラフィックスコアの性能が従来のUlrabookから大幅に向上することも含めて、新しい使いかたが可能になると訴求している。
COMPUTEX TAIPEI 2012の会期中に、会場に隣接するホテルの1室で行った第2世代Ultrabookの説明会では、実際に製品(メーカー製ではなく、Intelが用意したデモ用のUltrabookであるが)を使ったデモを中心に、具体的なメリットを紹介した。大画面ディスプレイとUltrabookの組み合わせでは、HDMI接続によるフルHDのマルチディスプレイ環境のほかに、Intel WiDiによるワイヤレス接続で大画面テレビにデスクトップ表示を拡張する利用環境を紹介。フルHDの動画も快適に再生表示できることを示した。
ワイヤレス接続による映像出力では、インテルアーキテクチャ(Medfield)を採用するスマートフォンで5月末から中国で出荷が始まったK800も登場した。Intel WiDiで大画面ディスプレイに映像を出力し、K800に保存した画像や動画のコンテンツを複数のユーザーで鑑賞したり、ゲームをプレイするデモを紹介している。
電子決済で必須となる個人認証では、従来のトークンによるワンタイムパスワードセキュリティーとは異なる、“Ivy Bridge”世代(そして、“Sandy Bridge”世代も)のCPUに対応するプラットフォームでサポートする「インテル・アイデンティティー・プロテクション・テクノロジー」(Intel IPT)を利用した、eBayなどのオンラインショッピングの支払い処理における個人認証のパスワード入力などを行った。Intel IPTでは、トークンを用いるワンタイムパスワードと同様の仕掛けをPC内部に実装するが、トークンの導入コストやトークンそのものの紛失、盗難といったリスクを軽減できることを説明した。
また、近距離無線通信の規格として海外のデバイスで採用例が増えている「NFC」についても、本体に読み取り機能を実装しているK800とデモ用UltrabookのNFCリーダーに名刺や宣伝用のカードをかざすだけで、設定しているURLのWebページにアクセスする動作を紹介した。
“Ivy Bridge”世代のCPUで、大幅に向上したグラフィックス性能については、最新のゲームタイトル「Diablo 3」をUltrabookでプレイできることを示すとともに、「これまで、このようなゲームは、デスクトップPCでハイエンドなCPUとハイエンドなグラフィックスカードを用意しなければならず、プレイできるユーザーが限られていた。しかし、Ultrabookでも動作することで、ユーザーはWebブラウザでできるカジュアルゲームのようにプレイできるようになる。それだけユーザーの数が増えるわけで、ゲーム市場にとってもプラスになる」と説明している。
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