「Windows 10」の正式リリースから約1カ月半が過ぎたが、次なるアップデートに向けた準備は着々と進んでいる。
Microsoftは8月28日、Windows 10次期プレビュー版「Windows 10 Insider Preview」の新ビルド「Build 10532」を公開した。Windows Insider Program(一般公開前にWindowsの最新プレビュー版を試用し、開発側へフィードバックすることで製品改善に役立てるプログラム)の「Fast Ring」設定ユーザーへ、Windows Update経由で提供している。
Build 10532の目玉機能は、何といっても日本語版「Cortana(コルタナ)」の利用が可能になったことだ。
Cortanaとは、Windows Phone 8.1で初めて投入されたパーソナルアシスタント機能で、音声入力の対話型インタフェースを備えている点が特徴だ。
よくAppleの「Siri」と比較されることが多いが、実際に両者で可能なことは似ている。CortanaはWindows 10にも標準機能として搭載されたが、リリース時は米国向けの英語版に限られ、そして何より日本語に対応しておらず、日本では機能そのものを有効化できないという問題があった。
そして今回のBuild 10532ではついに日本語版Cortanaが搭載され、アプリ開発者らが実際に同機能を日本語でテストすることが可能になった。Build 10532は、Windows 10の次期大型アップデートである「TH2」候補版の1つとして配信されている。早ければ今秋にも、ビルド番号がさらに新しくなったTH2の最終版が一般ユーザーに向けて正式配信される見込みだ。
ただ、後半の解説にもあるように、日本語版Cortanaそのもののブラッシュアップは進んでおらず、実際にTH2の一般配信のタイミングで日本語版Cortanaの一般利用が解禁されるかは不明だ。2016年以降の対応を想定しているのかもしれない。なお、Cortanaの詳細(英語版)は、以下の過去記事でも解説している。
現在Build 10532は「Fast Ring」のWindows Insider Program参加者のみに配信されているため、「Slow Ring」のユーザーが導入を希望する場合は、ひとまずFast Ringに設定することが必要だ。Build 10532を導入すると、これまで日本の地域では利用できなかったCortanaが設定で有効化できるようになる。
ただし、デフォルトのままでは設定のためのスイッチ自体がグレーアウトして選択できないユーザーもいるだろう。その場合は「設定」アプリを開き、「時刻と言語」の設定項目で「地域と言語」を「日本」、「音声認識」を「日本語」に設定し、再起動またはサインオフすればいい。これでCortanaが有効化できるはずだ。
機能を有効化すると、いきなりCortanaのセットアップが開始される。チュートリアルでの機能紹介や、位置情報、個人情報収集への同意、Cortanaがユーザーを呼ぶ際のニックネームの設定、位置情報有効化の確認などが順次行われる。
Windows Phone 8.1の時代には、この後に延々とユーザーの嗜好(しこう)を確認してカスタマイズすべく質問の羅列が待っていたが、Windows 10ではこうした作業もなくいきなり利用を開始できるようだ。詳細のカスタマイズについては、後でCortanaのノートブックを通じて変更できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.