Windows 10を進化させる次期大型アップデート「Anniversary Update」の提供が間近に迫っている。開発コード名で「Redstone(RS1)」とも呼ばれるこのアップデートは、2015年7月29日のWindows 10一般公開から1周年を記念して配信されるものだ。2015年11月配信の「November Update」に続く、Windows 10で2回目の大型アップデートとなる。
Anniversary Updateの提供開始時期は「今夏」とのみ予告されているが、以前に本連載で触れたように、現時点での配信ターゲットは「7月中旬頃」とみられる。7月中旬というのはウワサの段階だが、幾つかそれを示す情報も出てきた。
例えば先日Windows Insider Program参加者宛に配信されたメールには、「Anniversary Update Tour」と呼ばれるInsider Program参加者や同プログラムに興味を持っているユーザーを対象にしたミートアップイベント開催の告知が書かれている。6月27日〜7月1日に米国内のMicrosoft Storeの一部店舗において、米Microsoft本社のエバンジェリストらを交えてAnniversary Updateの新機能が紹介されるようだ。
米国ではこの週から翌週の7月4日にかけて「独立記念日」の長期休暇(日本でいうゴールデンウィークのようなもの)に入ることも考慮すると、7月4日の祝日から1〜2週間以内にAnniversary Updateの配信に関する一般ユーザー向けのアナウンスが行われるのではないだろうか。
そして7月29日には、Windows 7/8.1からWindows 10への無料アップグレード期間が終了する。Microsoftとしては、そこに合わせてAnniversary Updateがもたらす新機能や利便性の向上をアピールし、Windows 10への移行を後押ししたいところだ。
Anniversary Updateの概要については以下の記事で紹介しているが、今回は新たにサポートが表明された新機能や仕様変更についても取り上げる。
Windows 10の新しい標準ブラウザ「Edge」は、ユーザーインタフェースの変更を含めてさまざまな改良が進められている。Anniversary Updateのタイミングで重要になるポイントは次の3つだ。
この中で最も注目したいのは、やはり拡張機能だ。開発プレビュー版の「Windows 10 Insider Preview Build 14291」にEdgeの拡張機能が初めて搭載されたとき、選択可能な機能は3種類のみと少なく、その導入方法もファイルをダウンロードしてきてローカルフォルダに展開し、Edgeのメニューで追加を行うといった面倒な手順が必要だった。
しかし最新のInsider Previewでは、この仕組みがWindowsストアに統合され、拡張機能群もWindowsストアからダウンロード可能になっている。Edgeの機能紹介ページで拡張機能は一覧表示されており、各機能にひも付けられたリンクをクリックして、Windowsストアの当該ページに飛ぶことが可能だ。これは正式公開までにもう少し使いやすいインタフェースに変更されるとみている。
Windows 10の生体認証機能であるWindows Helloは、Edgeブラウザ上でWebサイトの認証に使えるようになる。これまではWindows 10へのサインイン動作くらいしか使えなかったが、パスワードが必要なWebサイトのログイン操作にも利用可能になるため、Windows Hello対応デバイスでは使い勝手が高まるだろう。
また最近のWebブラウザは、Flashコンテンツの排除が進みつつあるが、Edgeも例外ではない。Anniversary Update適用後、Webページ内で「中心となるコンテンツではない」と判断されたFlashコンテンツ(広告など)は、「自動的に実行停止状態になる」という。
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