2017年早期の提供と予告されているWindows 10次期大型アップデート「Creators Update」。2017年に入ってからは開発プレビュー版となる「Windows 10 Insider Preview」の更新頻度が高まり、新機能の搭載が続いたことで、開発に協力しているWindows Insider Program参加者の期待は高まっていることだろう。
2月8日(米国時間)には米Microsoftが開発者向けイベントのWindows Developer Dayを開催し、Windows Insider ProgramのFast Ringユーザー向けにWindows 10 Insider Previewの最新ビルド「Build 15031」を配信した。
Build 15031では、UWP(Universal Windows Platform)アプリのピクチャーインピクチャー機能「Compact Overlay」が利用可能になった。対応するUWPアプリの小さなウィンドウを最前面にオーバーレイ表示することで、文書作成などの作業をしながら動画再生アプリやメッセンジャーアプリを利用できる機能だ。まずは純製アプリの「映画&テレビ」と「Skype Preview」が対応するが、サードパーティー製アプリでも利用可能になる。
また、PCとBluetoothでペアリングしたスマートフォンがPCから検知できなくなると、Windows 10を自動的にロックするセキュリティ機能「Dynamic Lock」も追加された。例えば、オフィスで仕事中、トイレなどでPCをデスクに置いたままスマートフォンを持って離席する場合、PCからスマートフォンが検知できない距離まで離れてから30秒が経過すると、Windows 10が自動的にロックされる。
細かいところでは、EdgeブラウザやOneDriveで表示される「共有」アイコンを変更した。従来は、3個のボールをつないだようなアイコンだったが、箱から何かを持ち出すようなアイコンに変わっている。ユーザーテストで誤解されることが多かったため、デザインを修正したという。
そのほか、フルスクリーン表示でゲームをプレイする場合、ゲームバーが利用できるタイトルが52本加わっている。
前述したWindows Developer Dayでは、「SDK for Windows 10 Creators Update」の提供についても発表された。これは重要なポイントで、現在開発中のCreators Updateにおける「Feature Complete」を意味している。
つまり、今後はCreators Updateの次に予定されている大型アップデート「Redstone 3(RS3)」の開発サイクルがスタートするまで、新機能追加のような大きな変更は行われない。Build 15031をもって、Creators Updateの新機能ラッシュはほぼ収束し、今後はバグ修正や微調整が開発の中心になる見込みだ。
参考までに、2016年8月に公開された現行のWindows 10大型アップデート「Anniversary Update(1607)」は、Feature Completeの状態から6〜7週間程度で「最適化モデル(Current Branch:CB)」での一般ユーザー向け配信がスタートした。これを考慮すれば、Creators Updateの提供開始時期は3月後半とみられる。
3月が提供時期のターゲットになっていることは、これまでも何度かMicrosoftの公式文書でも登場しており、特別なトラブルがない限りは当初の計画通りに進行中だと予想される。一般公開後の小休止を経て、4月からは再びRS3の開発がスタートすることになるだろう。
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