エレコムのエルゴノミクスマウス「EX-G」シリーズは、2013年に第1弾が発売されてからの累計販売台数が850万台を超えるベストセラー製品だ。同社は6月に、同シリーズの新製品を6月下旬から順次発売することを発表した。
EX-Gシリーズは手を自然に載せるだけで使えることを重視したことが特徴で、新モデルは習志野台整形外科内科の宮川一郎院長の協力を得て、手首を動かす「腕橈骨筋」と指を動かす「総指伸筋」に焦点を当て、
そう聞くと、どんな使い心地なのか非常に気になるところである。そこで今回、数ある新モデルの中から、有線モデルのMサイズ「M-XGM30UBSKBK」(実売価格3000円前後)と、2.4GHz無線モデルのSサイズ「M-XGS30DBSKWH」(実売価格4000円前後)の2モデルを実際に試してみよう。
新しいEX-Gシリーズは2023年9月現在、「有線モデル」「2.4GHz無線モデル」「Bluetoothモデル」が用意されており、それぞれサイズは「S」「M」「L」「XL」の4種類、カラーは「ブラック」「ブルー」「ホワイト」の3種類から選べる。3×4×3=36モデルある計算だ。自身の手のサイズや使い方、色の好みに合わせて選択することができる。
なお、本シリーズは現時点では右利き用となっており、後日ブラック限定で「左手専用モデル」がリリースされる予定となっている。今回は、右利き用のレビューとなることはご容赦いただきたい。
先述の通り、新しいEX-Gシリーズは、外科医の協力のもと、手の筋に最適な角度と形状を追究したマウスとなっている。添えるように手を自然に置くだけで操作が可能で、手首と指の両方の負担を軽減してくれる。その形状は、つなぎ目が感じられない滑らかな造形で、5つあるボタンへのアクセスも苦にならない。
新しいEX-Gシリーズはエムスリーの「AskDoctors評価サービス」の認定を受けており、2023年4月時点で医師100人の99%が本製品を推奨したとの結果も出ている。
左右のクリックボタンは、パナソニックが開発した静音スイッチが採用されている。クリック音は非常に小さく、会議中や早朝、夜間でも音を気にせず作業が可能だ。
ボディーの左側(右手の腹が当たる部分)には「進む」「戻る」ボタンが装備されている。これらのスイッチのメーカー名は不明だが、クリック音はかなり静かである。
マウスポインターを動かすためのセンサーは、精度の高い「BlueLEDセンサー」を搭載している。普通のセンサーではポインターをうまく動かせない場所でも、このセンサーなら安定して動かせる。
なお、ホイールを含むマウスボタンの機能は、専用のユーティリティアプリ「エレコムマウスアシスタント」でカスタマイズ可能だ(詳細は後述する)。
2.4GHz無線モデルは、独自のUSBワイヤレスレシーバー(USB 2.0 Standard-A接続)を介してPCと接続する。このレシーバーは、マウス本体の底面に収納できる。電源は単三形乾電池1本での供給となる。電池が切れても交換することで、すぐに利用を再開できる。
乾電池自体は消耗品だが、乾電池形状のバッテリー(充電池)を2セットほど持てばいいと考えれば、より経済的に使えるだろう。
バッテリーを内蔵する「充電式」のワイヤレスマウスと比べると、乾電池式のワイヤレスマウスは重量の面で不利となりがちだ。しかし、自然に手を添えるような持ち方になるため、数字ほどの重さは感じない。よくできている。
新モデルのサイズは4種類から選べるようになっており、手首から中指までの長さに応じて、以下通り推奨サイズが決められている。
筆者の手のサイズは、約185mmである。そのため、適正なのは「Lサイズ」ということになる。今回試したのはSサイズはとMサイズだったが、Mサイズでもやや手のひらや指が余る印象があり、もう少し大きい方がいいと感じたところである。この目安は、おおむね妥当と考えていい。
一部の量販店では、ボディーの展示が行われている。可能であれば、購入する前に実際に触って試していただきたい。マウスと手のひらに余計な空間がなく、吸い付くようなフィット感が得られるサイズがベストである。
参考に、本マウスの物理的な寸法と重量も記しておく。なお、有線モデルの重量はケーブル部を含み、2.4GHz無線モデルの重量は乾電池を含まない。
スペックを簡単に紹介したところで、新しいEX-Gシリーズの特徴をもう少しチェックしていこう。
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