ノートPCの上に重ねて配置する場合は、付属のカバースタンドを使用する。カバースタンドを指定通りに折り曲げて自立させた後、本製品を上に乗せれば、ちょうどノートPCの画面の上に並べるのに適した高さで、本製品を配置できる仕組みだ。
カバースタンドは折り紙のように組み立てるのだが、マグネットでしっかりと吸着すること、また上に乗せる本製品が軽量なこともあり、安定性は十分だ。コンセプトは以前本連載で紹介した「WING BINDER」に近いものがある。
一方、ネックとなる点が2つある。1つはノートPCの高さに合わせて、画面を上げ/下げする機能がないことだ。今回試用したノートPCとの組み合わせでは、本製品との間に16mmほどの隙間が空いてしまった。現実的な解決策としては、本製品側ではなくノートPCの側を、何らかの方法で持ち上げるのがよいだろう。
これとは逆に、ノートPCのサイズが大きすぎる場合、逆にスタンドが低すぎて画面に干渉するケースがある。この場合はノートPCではなくスタンドを、何らかの方法で持ち上げる必要が出てくる。17型以上のノートPCでは、こうなる可能性がありそうだ。
もう1つのネックは、スタンドの組み立て方が複雑なことだ。二度三度と行えばおおむね理解できるので、毎日使うのならばずっと覚えていられるだろうが、前回の利用からしばらく間が空いた場合など、うまく思い出せない可能性はある。一部のASUS製品にあるように、組み立て方の図解を本体面にプリントするなどの配慮が欲しいと感じた。
最後にOSDメニューについても触れておこう。本製品はコントラストや色合いを調整したり、ゲームモードなどの表示モードを切り替えたりといった、一般的なモバイルディスプレイに見られるOSDメニューが用意されていない。唯一あるのは明るさの調整機能で、これは背面右にある専用ボタンを利用する。
これらは一見すると不自由に見えるが、モバイルディスプレイを使うユーザーで、こういったメニューを細かく切り替えて使っているユーザーがどれだけいるかは不明で、さらに本製品はHDMIや音声出力などの機能がオミットされているため、それらへの切り替え機能はそもそも不要だ。最低限必要な明るさ調整を除き、その他の機能がないというのは、現実的な取捨選択の結果と見てよさそうだ。
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