Windows 10公開1周年アップデートの次が動き出した:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」
8月2日に一般公開されるWindows 10の大規模アップデート「Anniversary Update」を控え、Microsoftからは「次のマイルストーン」の情報が出てきた。
Windows 7/8.1からWindows 10への無料アップグレードキャンペーンは2016年7月29日に終了した。Windows 10の直近で大きなトピックは、8月2日に無料で一般公開される大規模アップデート「Anniversary Update(Redstone 1)」となる。
もっとも、Microsoft社内では既にAnniversary Updateの次に行う大規模アップデート「Redstone 2(RS2)」の開発に注力している。
米MicrosoftのWDG(Windows and Devices Group)部門で主にWindows Insider Programを通じたプロモーションを担当するドナ・サルカール氏は7月29日(現地時間)、「Windows Insider Program.next()」というタイトルで公式ブログ(Windows Experience Blog)への投稿を行い、Windows Insider Programの「次のマイルストーン」を紹介している。
Windows Insider Programは継続
Windows Insider Programの位置付けや役割は、以前の連載でも説明した通り。基本的には、Windowsの最新プレビュー版(Windows 10 Insider Preview)を一般公開前に試用し、開発側へフィードバックすることで製品改善に役立てるというMicrosoft提供のプログラムだ。開発者やIT管理者だけでなく、Windowsの開発に参加してみたいという一般ユーザーも無料で登録できる(ただし、Windows 10 Insider Previewは不具合も多く注意が必要)。
Windows Insider Programはそれだけでなく、「Windows 10ファンを増やす」というコミュニティー的な役割も担う。また、2015年11月配信の「November Update(1511)」以降はプログラム参加者へのWindows 10 Insider Previewのアップデート提供が高頻度になり、Fast Ringユーザーはより「人柱」的な性格が強い仕組みとなっていた。
実際、サルカール氏はNovember Update以降の約8カ月間でPC向けに28回、モバイル向けに20回のWindows 10 Insider Previewを提供したと説明しており、単純計算でも月に3〜4回、つまりほとんど毎週最新ビルドがFast Ringユーザーに提供されていたことになる。この方針は今後も継続していくようで、Fast Ringユーザーは連日のアップデートを広い目で受け入れていかなければならない。
また、Windows Insider Programが提供されたことで、プログラム参加者のテストユーザーと開発者との関係がより密でスピーディーとなり、細かいフィードバックが以前に比べても反映されやすくなったという。
プログラム参加者向けにInsider Hubを通じた情報提供のほか、日本でも2016年春に初めて開催されたMeetupイベントなど、ユーザーとのコミュニティーを大切にする仕組みを今後も提供していくとのことで、この辺りも楽しみにしたいところだ。
Windows 10 Insider Previewは間もなく「Redstone 2」へ
さて、Windows Insider Programについては、8月2日に一般公開されるAnniversary Updateの次のマイルストーンである「Redstone 2(RS2)」への助走がスタートしている。
Anniversary Updateのビルド番号である「Build 14393」に「Cumulative Update(累積的な更新プログラム)」が適用された「Build 14393.3」と「Build 14393.5」が連続リリースされるなど、1週間以上同じビルドでの足止め状態が続いていたが、7月28日(米国時間)にはついに「Build 14894」というMicrosoft内部ビルドが出現し、再びビルド番号の更新が始まった。
サルカール氏によれば、8月以降に(Anniversary Update以後のビルドとなる)Windows 10 Insider Previewの配信を再開するとのこと。早ければ8月1日週の後半か、その翌週前半にはRS2に相当する最初のWindows 10 Insider Previewの提供がWindows Insider Program参加者向けに始まるだろう。
RS2における新機能や開発目標はまだまだ不明だが、2017年春の提供を目標にしているといわれる。一部では新型SurfaceとともにリリースとのうわさがあったRS2だが、現在では否定されている。
いずれにせよ、2016年秋以降にはより多くの情報が出てくるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Windows 10無料アップグレードは本日(7月29日)終了 明日からどうなる?
Windows 10の一般公開から1年。Windows 7/8.1からWindows 10への無料アップグレード期間がいよいよ終了する。終了後は何が変わるのだろうか。 - Windows 10の1周年記念アップデートを8月2日に入手できる人とできない人
Windows 10の次期大型アップデート「Anniversary Update(1607)」は、2016年8月2日に一般公開されるが、全てのユーザーが同時に入手できるわけではない - ギリギリまで粘って仕上げにかかる「Windows 10 Anniversary Update」
Windows 10の次期大型アップデート「Anniversary Update」が2016年8月2日に公開される。開発プレビュー版は細かい更新をギリギリまで重ね、不具合をつぶしている状態だ。 - Windows 10次期大型アップデートにギリギリで加わった「自作PC」向け新機能
自作PCなどでハードウェアの構成を変えることが多いユーザーに朗報。Windows 10の次期大型アップデートでは、構成変更に伴うライセンス認証の問題が改善される。 - これでWindows 10を導入する気になる? 公開1年記念アップデートで変わること
強引な無料アップグレード施策が物議を醸す「Windows 10」。今夏に控えた大型アップデート「Anniversary Update」でOSとしての完成度、評価は高まるだろうか。