5月16日は旅の日というのをご存知ですか?俳人・松尾芭蕉が奥の細道へと旅立ったのが1689年のこの日であることにちなみ、旅を愛する人が旅について考えることなどを目的として制定されたそうです。最近はレトロスポットやノスタルジックな雰囲気を楽しむ旅が注目を集めています。そこで今回は、旅の日にぜひお出かけしてほしい、木造和風建築が並ぶ古い町並み、大正ロマンを感じる洋風建築、昭和レトロな喫茶店など、ノスタルジーを感じさせる旅先を紹介します。
※この記事は2023年5月15日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
出格子の建物とのれんが連なる古い町並を散策【岐阜県 飛騨高山】
岐阜県飛騨高山の観光スポット「古い町並」。国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、出格子が美しい町屋やのれん、造り酒屋の看板ともいわれる杉の葉を玉にした杉玉(酒ばやし)など、城下町として栄えた面影を感じ取ることができる情緒あふれるエリアです。飛騨牛を使った料理や郷土料理など地元の食事を提供する飲食店のほか、お土産処などが多数あります。地元の味覚や文化に触れながら、散策を楽しむのがおすすめです。
御食事処 坂口屋
「御食事処 坂口屋」は1890(明治23)年、宿屋からスタートした老舗料理店。食べ歩きがしやすいようにと、飛騨牛のにぎり寿司をえびせんべいに乗せて販売した元祖のお店として知られていますが、広々とした店内で食事をするのもおすすめです。木の温もりが感じられる宿屋時代からの古い建物を活用しながらも、バリアフリーなどの配慮も行き届いており、落ち着いて食事を楽しめます。
店内メニューはA5等級の飛騨牛のステーキやカレーライスのほか、地元産そば粉を使用したそば、郷土料理の朴葉味噌(ほおばみそ)や高山ラーメンもあり、目移りしそうなラインナップ。お店の奥には昔ながらの蔵があり、からくり人形や高山祭の屋台(神輿)などが展示され、飛騨高山の文化を感じられるので、ぜひ見学してみてください。
[TEL]0577-32-0244
[住所]岐阜県高山市上三之町90
[営業時間]11時~15時(LO14時30分)
[定休日]火
[アクセス]【電車】JR高山駅から徒歩15分【車】中部縦貫自動車道高山ICより10分
[駐車場]なし(近隣のコインパーキングを利用)
「御食事処 坂口屋」の詳細はこちら
舩坂酒造店
冷涼な気候と飛騨山脈からの清水に恵まれた飛騨高山は酒どころでもあり、古い町並内にも風情ある酒蔵が点在しています。創業200年以上の歴史を刻む「舩坂酒造店」もその1つ。敷地内には酒蔵、試飲コーナー、蔵を改修し枡酒を楽しむ空間「蔵bar」のほか、レストランやお酒を使ったオリジナルスキンケア商品が並ぶお土産処などがあり、日本酒のテーマパークのようなところです。
日本酒1銘柄を1コインで堪能できる「日本酒コインサーバー」は、気になる銘柄の日本酒を少しずつ楽しめます。また、新酒が出る毎年12月上旬には軒先の杉玉を新緑の杉玉に交換するイベントが行われます。褐色へと変わっていく杉玉の色合いを見て日本酒の熟成度合いを読み取るのだそうですよ。
[TEL]0577-32-0016
[住所]岐阜県高山市上三之町105
[営業時間]8時30分~18時
[定休日]不定
[アクセス]【電車】JR高山駅より徒歩10分【車】中部縦貫自動車道高山ICより10分
[駐車場]なし(近隣のコインパーキングを利用)
「舩坂酒造店」の詳細はこちら
藍花珈琲店
1975年創業の「藍花珈琲店(らんかこーひーてん)」。アンティークの民藝家具と竹久夢二の版画が並ぶ、大正ロマンを感じる喫茶店です。蔵を改築した重厚感のある建物に入ると、観光客で賑わう通りの喧騒が嘘のようなシックで落ち着いた空間が広がります。
店内では自家焙煎の珈琲と自家製スイーツが味わえます。スイーツはケーキのほか、わらび粉で仕上げたオリジナルレシピの「あつあつ黒糖わらび餅プリン」(500円)、吉野の本葛を使った出来立てのくずきりを、自家製の黒蜜につけていただく「特製くずきり」(1000円)など、どれもこだわりの品々。飲み物は自慢の珈琲以外では、レトロ感たっぷりの「クリームソーダ」(750円)や、夏季限定で登場する、飛騨特産の桃やメロンを使用したフレッシュジュースもおすすめです。
[TEL]0577-32-3887
[住所]岐阜県高山市上三之町93
[営業時間]9時~18時
[定休日]木
[アクセス]【電車】JR高山駅より徒歩10分【車】中部縦貫自動車道高山ICより10分
[駐車場]なし(近隣のコインパーキングを利用)
「藍花珈琲店」の詳細はこちら
岩ト屋
ふわふわの綿菓子と、綿菓子がカップに乗り、割り下に溶かして食べるという飛騨牛の「綿菓子すき焼き」が名物の「岩ト屋」。飛騨高山の魅力ある食材を使用した料理を、見た目も味も豊かに楽しめるお店です。
綿菓子は純度99.9%以上の高級ザラメを使用し、雑味のなさ、甘味のキレ、口溶けの良さが特徴です。「プレーン」は、ザラメの上品な甘さが純粋に味わえる一本。そのほか、「イチゴ」や飛騨山椒とカカオパウダーを合わせた「飛騨山椒ショコラ」など、着色料・香料不使用のフレーバーを使用した、バリエーション豊富な綿菓子が揃っています。新感覚のすき焼きは飛騨牛だけでなく、料理酒や醤油も地元産のものを使用し、味にもとことんこだわった逸品です。
[TEL]0577-36-0102
[住所]岐阜県高山市上三之町79-2
[営業時間]10時~16時
[定休日]火
[アクセス]【電車】JR高山駅より徒歩10分【車】中部縦貫自動車道高山ICより10分
[駐車場]なし(近隣のコインパーキングを利用)
「岩ト屋」の詳細はこちら
明治・大正期に建てられたクラシカルな洋風建築を巡るトリップ【兵庫県 神戸】
異国情緒あふれる神戸旅を楽しむ際に外せないのが北野異人館街と旧居留地。北野異人館街と旧居留地は神戸港の開港をきっかけにやって来た外国人がかつて多く住んでいた、西洋風建築が美しいエリアです。旧居留地は北野異人館街より港に近く、ビジネス街として発展していき、レンガや石で造られた建物を生かしたレストランやブティックなども多いエリアとなっています。港が一望できる山手の高台にある北野異人館街は、外国人が当時住んでいた邸宅(異人館)が点在しています。それぞれの雰囲気の違いを感じながら散策やお食事、ショッピングをしてみてください。
北野異人館街 風見鶏の館
北野異人館街を代表する存在の1つである「風見鶏の館」。尖塔の上に立つ風見鶏と赤いレンガの外壁が象徴的な異人館です。かつて神戸に住んでいたドイツ人貿易商ゴットフリート・トーマス氏の自宅として、1909(明治42)年頃建てられ、色鮮やかなレンガの色調、石積みの玄関ポーチ、2階部分のハーフ・ティンバー(木骨構造)など、重厚な雰囲気をもっています。
外観の美しさはもちろんのこと、部屋によって変えられている室内の意匠も見どころです。ドイツ伝統様式を基調としながら、随所から19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパで流行した芸術運動(アール・ヌーヴォー)の動きが感じられます。1階各入口扉に付いている把手金具には曲線美が際立つ装飾が施されており、アール・ヌーヴォーの影響が垣間見えるデザインの1例です。ぜひ各部屋の細かな部分まで注目してみてください。
[TEL]078-242-3223
[住所]兵庫県神戸市中央区北野町3-13-3
[営業時間]9時~18時(最終入館17時45分)
[定休日]2月・6月の第1火曜
[料金]単館券500円、2館共通券650円(萌黄の館共通)
[アクセス]【電車】JR・阪急電鉄・阪神電鉄・地下鉄神戸三宮駅より徒歩15分、またはJR新神戸駅より徒歩15分【車】阪神高速京橋出口より10分
[駐車場]なし(近隣のコインパーキングを利用)
「風見鶏の館」の詳細はこちら
旧居留地 神戸市立博物館
「神戸市立博物館」は神戸旧居留地にある“国際文化交流-東西文化の接触と変容”をテーマにした博物館。神戸の華やかな通りの1つ、京町筋に面した博物館の建物は、1935(昭和10)年に銀行のビルとして建てられたもの。昭和初期の名建築といわれ、1998(平成10)年には国の登録有形文化財に登録されました。
1階にある神戸の歴史展示室は無料で見学でき、神戸が古くから諸外国との文化交流の窓口として役割を果たしてきたことがうかがえます。2階コレクション室には、国宝「桜ヶ丘銅鐸(どうたく)・銅戈(どうか)群」、重要文化財「聖フランシスコ・ザビエル像」(実物資料の展示期間はHP参照)などが展示されています。見学後は1階にあるレトロでモダンなミュージアムカフェで休憩するのもおすすめです。
[TEL]078-391-0035
[住所]兵庫県神戸市中央区24
[営業時間]9時30分~17時30分(最終入館17時)※特別展開催中の金・土曜は19時30分まで開館(最終入館19時)※特別展によって変更の場合あり
[定休日]月※ただし、月曜が祝日または休日の場合は開館、翌平日に休館※年末年始のほか、整備休館など臨時に休館及び開館する場合あり
[料金]1階神戸の歴史展示室:無料、2階コレクション展示室:一般300円、大学生150円、高校生以下無料※特別展の料金は展覧会によって異なる
[アクセス]【電車】神戸市営地下鉄旧居留地・大丸前駅より徒歩8分【車】阪神高速京橋出口より10分
[駐車場]なし(近隣のコインパーキングを利用)
「神戸市立博物館」の詳細はこちら
旧居留地 TOOTH TOOTH maison 15th
「TOOTH TOOTH maison 15th」は、旧神戸居留地に現存する商館遺構として貴重な存在で、国の重要文化財に指定されている「旧神戸居留地十五番館」がレストランになったお店。「旧神戸居留地十五番館」は1880(明治14)年頃に建築され、アメリカ領事館として10年ほど使用されていたこともあります。阪神・淡路大震災で倒壊しましたが、倒壊前の部材を集め、3年の歳月をかけて復旧。歴史を感じる上質な空間で気軽に食事ができます。
料理はフレンチに神戸の洋食文化をまじえた“神戸キュイジーヌ”。瀬戸内の魚介、西区の旬野菜、神戸ポーク、神戸牛など近郊の素材を、シェフの遊び心あふれる料理で楽しめます。
[TEL]078-332-1515
[住所]兵庫県神戸市中央区浪花町15 旧神戸居留地十五番館
[営業時間]11時~22時※ランチ11時~15時30分(LO13時30分)、アフタヌーンティー15時~17時30分(要予約)、ディナー17時30分~22時(LO19時30分)
[定休日]不定
[アクセス]【電車】神戸市営地下鉄旧居留地・大丸前駅より徒歩8分【車】阪神高速京橋出口より10分
[駐車場]なし(近隣のコインパーキングを利用)
「TOOTH TOOTH maison 15th」の詳細はこちら
昭和レトロな看板や店舗がそのまま残る商店街とレトロカフェ巡り【広島県 尾道】
広島県東部に位置し、瀬戸内海に面する尾道は、近畿と九州、山陰と四国とをむすぶ、瀬戸内の十字路として繁栄した港町。現在も商店や企業が集まる繁華街でありながら、昭和レトロな看板や店舗など、映画のセットのような情景が広がります。中心市街地は海岸に沿って東西に細長く、細い路地や坂道が入り組んだ景観も風情豊かです。かわいらしいカフェもたくさんあり、海と山の美しい風景を眺めながらレトロカフェ巡りをするのがおすすめの楽しみ方の1つです。
尾道本通り商店街
尾道の町は、国道2号線とJR山陽本線を挟んで山側と海側に分かれていますが、海側の町を東西に貫いているのが、「尾道本通り商店街」。JR尾道駅側から、芙美子通り、中商店街、本町センター街、絵のまち通り、尾道通りと続き、長さは約1.2kmにも及びます。
懐かしい昭和の雰囲気が漂い、老舗から新しいお店まで、個性的な店舗が軒を連ねる商店街は、建物や路地を含め写真映えするスポットが多いのも魅力です。尾道ラーメン、スイーツ、カフェなどグルメスポットも多数あり、地元の人やたくさんの観光客で賑わっています。散策や食べ歩きがおすすめなのはもちろんのこと、地域のお祭りを始めとしたイベントが数多く開催されているので公式HPをチェックしてみてください。
[住所]広島県尾道市土堂2-10-3(尾道本通り商店街事務所)
[アクセス]【電車】JR尾道駅より徒歩4分(店舗により異なる)【車】山陽道尾道ICより20分
[駐車場]店舗により異なる
「尾道本通り商店街」の詳細はこちら
あくびカフェー
「あくびカフェー」は、尾道本通り商店街の一角にあるゲストハウス「あなごのねどこ」に併設された、“旅と学校”をテーマにしたレトロ喫茶。古い長屋をリノベーションして作られた店内には、学校の木製ロッカーをリメイクした棚や、古い道具を利用した飾りなどがあり、昭和時代の小学校にタイムスリップしたような気分を楽しめます。
メニューには本格牛すじカレーライスやサンドイッチをはじめとした軽食、おやつ担当スタッフが作る手作りスイーツなどが取り揃えられています。「あくびのしまなみカリーライスセット」はしっかりいためた玉ねぎを牛すじと煮込んだ食べやすいカレーにサラダ、ドリンクもついたお得なセットです。優しい味わいのプリンがのったパフェもおすすめですよ。
[TEL]050-5240-3127
[住所]広島県尾道市土堂2-4-9
[営業時間]11時~17時(食事LO16時、デザート・ドリンクLO16時30分)
[定休日]毎週金曜、隔週木曜
[アクセス]【電車】JR尾道駅より徒歩15分【車】山陽道尾道ICより20分
[駐車場]なし(近隣のコインパーキングを利用)
「あくびカフェー」の詳細はこちら
手づくりアイスクリーム からさわ
1939(昭和14)年、尾道海岸通りに喫茶店として開業し、1945(昭和20)年代中頃から、自家製アイスクリームの製造販売を始めたという老舗アイスクリーム店「からさわ」。海が見える店内や海辺のベンチで手作りアイスクリームが楽しめます。
いちおしの「アイスモナカ」は広島県世羅産たまごがたっぷり入った「たまごあいす」をパリパリのモナカの皮に挟んだもので、懐かしい味とスタイルが魅力の逸品です。もう1つのおすすめは「クリームぜんざい」。北海道産の小豆、大納言をじっくり煮込み、ほどよい甘さに味つけされたとろとろのぜんざいに、「たまごあいす」が入っています。2~3月はいちごアイス、10~4月は抹茶、ごま、チョコなど季節限定の味をぜんざいにすることもできますよ。
[TEL]0848-23-6804
[住所]広島県尾道市土堂1-15-19
[営業時間]10時~18時※閉店時間は季節により異なる
[定休日]火(10月~3月は火曜と第2水曜)※祝日の場合は営業、翌日休み
[アクセス]【電車】JR尾道駅より徒歩7分【車】山陽道尾道ICより20分
[駐車場]連携駐車場あり(800円以上の購入で1時間無料)
「手づくりアイスクリーム からさわ」の詳細はこちら
まとめ
いかがでしたか?ノスタルジックな雰囲気や文化が残っている場所は、現代の都会や新しい町並みとは異なる魅力があります。たくさん歩いて疲れた後は、レトロなグルメスポットで休憩するのも楽しいですね。ぜひお出かけの参考にしてみてください。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
※掲載の価格はすべて税込価格です。
晴山 ゆう子
2人の男児を子育て中のママライター。自分で作る料理はずぼら&ヘルシーに、外食はとことん楽しむ!がモットー。薬剤師でもある。最近の楽しみは小さな庭での家庭菜園。