1.国際宇宙ステーション(ISS)関係
2.人工衛星関係
3.協力協定
4.その他
5.シンポジウム及びタウンミーティングなど
6.今後の予定
○「こうのとり」3号機(HTV3)
「こうのとり」3号機は9月13日0時50分(日本時間)にISSから離脱し、9月14日 午後2時27分 (日本時間)に大気圏へ再突入しました。その後、落下予測域であるチリ西方沖の南太平洋上への着水が確認されました。今回初めて「こうのとり」に『i-Ball』という再突入データ収集装置を搭載し、再突入時の加速度や温度データなどの取得を試みました。所定のデータが受信されましたので、現在は詳しい解析を行っているところです。これらのデータは、宇宙から物資を持ち帰る再突入帰還機の研究・開発にも活かされます。
○「きぼう」日本実験棟
(1)「きぼう」の船内実験室では、溶液結晶化観察装置(SCOF)を用いた「たんぱく質結晶の成長過程を観察する実験」の第2回目が開始されました。これは東北大学の塚本勝男教授が代表を務める研究で、微小重力下における結晶の成長速度を精密に測定し、タンパク質結晶の成長メカニズムと、完全な結晶の成長を阻害する要因を明らかにします。
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(2)「こうのとり」3号機で輸送した「きぼう」船外プラットフォームの「ポート共有実験装置」(MCE))に搭載している3つのミッション機器(スプライト及び雷放電の高速測光撮像センサ『GLIMS』、地球超高層大気撮像観測『IMAP』、宇宙インフレータブル構造の宇宙実証『SIMPLE』)の動作確認を行いました。これらを使用した実験が順次行われるものと期待しています。
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(3)「きぼう」での小型衛星放出技術実証ミッションとして、10月4日から5日にかけて、5機の小型衛星の放出に成功しました。このミッションは、ISSのモジュールで唯一エアロックとロボットアームを合わせ持つ「きぼう」の機能を活用し、「きぼう」から小型衛星を宇宙空間に放出する運用手順を確立することを目的としています。
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○油井宇宙飛行士
10月4日、油井亀美也宇宙飛行士のISS長期滞在が決まりました。油井宇宙飛行士はISS 第44次/第45 次長期滞在搭乗員として2015 年6 月頃から約6 ヶ月間ISSに滞在し、フライトエンジニアとしてISS の運用や宇宙環境を利用した科学実験などを担当する予定です。
○ドラゴン補給船運用1号機
10月8日午前9時35分(日本時間)、ドラゴン補給船運用1号機は、ケープカナベラル空軍基地(米国フロリダ州)より打ち上げられ、予定の軌道に投入されました。ドラゴン補給船は、星出宇宙飛行士が操作するISSのロボットアームで把持され、10月10日午後10時03分(日本時間)にISSと結合しました。
○「しずく」(GCOM-W1)
第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)による観測を継続していますが、マイクロ波放射計が観測した北極海の海氷データを解析した結果、9月16日に海氷の面積が349万平方キロメートルを記録し、観測史上最も小さくなったことが分かりました。
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ドイツアーヘン工科大学と連携協力協定を結び、9月28日に調印式を行いました。アーヘン工科大学は1870年創立の歴史ある大学で、学生数も35,000人と多く新たにイノベーションセンターを作るなど精力的に活動を行っています。今回の協定は、宇宙航空分野における研究及び教育分野における連携協力活動の促進が目的で、JAXAが海外の大学と包括的な連携協力協定を結ぶのは初めてとなります。
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○訪問・視察
(1)9月26日、古川宇宙担当大臣が筑波宇宙センターを訪れ、展示施設「スペースドーム」や閉鎖環境適応訓練設備、「こうのとり」(HTV)の運用管制室などを視察されました。またJAXA職員への講演や若手研究者との意見交換会という交流の場を通じて、宇宙担当大臣としてのお考えを述べられました。
(2)10月28日、ドイツ航空宇宙センター(Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt、略称DLR)を訪問しました。DLRはケルンを本拠地とするドイツの航空技術および宇宙開発を担う政府機関ですが、訪問中特に関心を持ったのが宇宙医学分野への取り組みです。セントリフュージという生命科学実験装置で地上試験する計画や、ISS長期滞在時に宇宙飛行士が受ける心理的影響の研究など、力を入れている様子が窺えました。JAXAも宇宙医学研究センターを立ち上げましたが、DLRなど世界の宇宙機関と連携し、更なる宇宙医学分野への取り組みを進めて参ります。
○国際宇宙会議
10月1日から10月5日までの間、第63回国際宇宙会議(International Astronautical Congress 、略称IAC)がイタリア・ナポリ市(Mostra d'Oltremare)で開催され、世界の宇宙関係機関、大学(※1)、企業などから多くの関係者が参加しました。10月5日には国際宇宙航行連盟(International Astronautical Federation 、略称IAF)の総会において同連名会長改選が行われ、JAXAの樋口副理事長が選出されました。IAFは1951年に設立され約60年の歴史がありますが、アジア・日本から会長が選出されたのは五代富文氏(旧宇宙開発事業団)以来2人目となります(※2)。
※1JAXAは、将来の宇宙活動を担う学生の皆様に、学術・人材交流を通じて宇宙に関する理解を深めていただくとともに、関連分野における国際理解と親善の促進を目的とし、1999年開催の第50回アムステルダム大会に始まり、これまでにあらゆる学科から学生約300名を国際宇宙会議(IAC)に派遣しています。
※2国際宇宙航行連盟 (IAF):世界の宇宙機関、学会、企業等を会員とする国際団体。会長 任期は、10月5日総会の選出時から、1期2年、最長で2期4年。
○寄附金
9月末時点: 4,920件 27,778,000円 (「はやぶさ2」1,642件、15,083,000円)
(参考) 4月末 3,705件、18,537,000円 申し込み(「はやぶさ2」1,231件、9,583,000円 )
5月末 4,250件、21,721,000円 申し込み(「はやぶさ2」1,396件、10,958,000円 )
6月末 4,525件、23,440,000円 申し込み(「はやぶさ2」1,506件、12,023,000円)
7月末 4,756件、25,318,000円 申し込み(「はやぶさ2」1,577件、13,380,,000円)
8月末 4,841件、25,838,000円 申し込み(「はやぶさ2」1,610件、13,662,000円)
募金箱 回収実績 9月分 104,094円 (4月分からの累計 1,564,113円)
国民の皆さまからのご理解とご支援を得るため、各地でシンポジウムや施設公開等を開催しました。
10月18日 | 「きぼう」日本実験棟における水棲生物実験装置の最終点検 |
10月23日 | 試料生物(メダカ)のソユーズ宇宙船(32S)による打ち上げ(バイコヌール宇宙基地@カザフスタン) |
10月11日 | 有人宇宙活動20周年記念シンポジウム(その1)「−日本の宇宙飛行士が語る20年の歩みと今後の展望−」@東京プリンスホテル 「鳳凰の間」(東京都港区) |
10月12日 | JAXA航空シンポジウム in NAGOYA「−世界のトップ機関と語る環境に優しい航空技術−」@中部国際空港セントレア セントレアホール(愛知県常滑市) |
10月12日 | 国際航空研究フォーラム(IFAR)サミット開催に伴う記者会見の開催@中部国際空港 旅客ターミナルビル1階 記者会見室(愛知県常滑市) |
10月13日 | 筑波宇宙センター特別公開@JAXA筑波宇宙センター(茨城県つくば市) |
10月14日 | 有人宇宙活動20周年記念シンポジウム(その2)-「有人宇宙開発の現場−」@品川インターシティホール(東京都港区) |
10月14日 | 第83回タウンミーティング in 大阪@国立民族学博物館第5セミナー室(大阪府吹田市) |
10月20日 | 第84回タウンミーティング in 伊那@伊那市創造館 3階講堂(長野県伊那市) |
10月30-31日 | 国際 宇宙 探査 シンポジウム(第1回)「−人類の宇宙探査とその未来−」@経団連会館国際議ホール(東京都千代田区) |
11月3日 | 第85回タウンミーティング in 蒲郡@生命の科学館 ミュージアムシアター(愛知県蒲郡市) |
11月10日 | 宇宙空間観測所開所50周年記念式典・講演会@内之浦銀河アリーナ大ホール(鹿児島県肝付町、共催:鹿児島県、肝付町、後援:鹿児島県宇宙開発 促進協議会) (※参考)内之浦宇宙空間観測所開所50周年記念映画上映会(肝付町主催) 日時:平成24年11月10日(土)17:00-18:00(TBD) 場所:内之浦銀河アリーナ大ホール(定員800名) 共催:鹿児島県、肝付町、後援:鹿児島県宇宙開発促進協議会 |
11月11日 | 内之浦宇宙空間観測所施設特別公開@内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝付町) (※参考)糸川英夫博士銅像建立記念式典・除幕式(肝付町主催) 日時:平成24年11月11日(日)10:00-10:30 場所:内之浦宇宙空間観測所(施設特別公開と合同で実施) |