筑波宇宙センター
緑ゆたかなセンター内
筑波宇宙センターは1972年に、旧宇宙開発事業団の事業所として開設されました。開設当時は人工衛星やロケットの研究開発、打ち上げた人工衛星の運用が主な業務でしたが、現在は国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟の運用や宇宙飛行士の養成など、有人宇宙活動に関連する業務も行っています。そのほか宇宙に関わる先端・基盤技術の研究開発を行うなど、宇宙開発を推進するための総合的な役割をもち、日本の宇宙開発の中核を担う拠点の1つだと言えます。
関連リンク: 筑波宇宙センター Q. 筑波宇宙センターの特徴は何だと思われますか? 人工衛星、ロケット、有人宇宙活動という3つの事業が筑波宇宙センターに集約されており、1つのエリア内で効率よく仕事ができていることです。また当センターは、国内有数の研究機関が300以上集まる筑波研究学園都市の中にあり、それらの研究機関との連携がとりやすいのも特徴です。
Q. このセンターを通じて、国民生活にどのように貢献したいと思われますか? 筑波宇宙センターの活動の1つ、人工衛星に関連することは、通信、気象、地球観測、GPSなど、いまや社会のインフラとして欠かせないものになっています。今後も、より一層、皆さんの生活に役立つためのミッションを立ち上げ、その技術実証等を進めていきたいと思います。また、「きぼう」日本実験棟やその中で行われる宇宙環境を利用した実験などの有人宇宙関連活動は、私たちの活動領域を広げ、材料科学や生物医学等への新たな知見を広げてくれます。さらに、自律的な宇宙開発を進める上でロケットに関する研究も継続していくことが必要です。これらのことを皆さまにご理解、ご支援していただけるように情報発信を続けていきたいと思います。
宇宙環境を模擬する真空チャンバー
宇宙の無重力環境を模擬する大型プール
人工衛星を開発するための主要設備は、宇宙環境やロケットの打ち上げ時の環境を模擬する「耐環境試験設備」です。これは人工衛星が、ロケット打ち上げ時の振動や、宇宙の真空状態や激しい温度変化に耐えられるかを試験する設備です。人工衛星だけでなく、「きぼう」日本実験棟や宇宙ステーション補給機「こうのとり」の開発試験でもこの設備を使い、搭載機器の信頼性向上につなげました。また、打ち上げた人工衛星をコントロールする追跡管制や、人工衛星から取得したデータを解析する設備もあります。
有人宇宙活動においては、宇宙飛行士が宇宙空間で活動したり、「きぼう」日本実験棟のロボットアームを操作する技術を身につけるための訓練施設があります。また、軌道上の「きぼう」や「こうのとり」の運用管制を行う設備もあります。「きぼう」運用管制室では、総勢60名が「きぼう」の運用や搭載されている装置の 監視などを24時間体制で行い、国際宇宙ステーションに長期滞在中の古川宇宙 飛行士との交信も行っています。 Q. 試験設備は、民間企業や研究機関などにも貸し出しているそうですね。 宇宙開発に必要な大型の試験設備は、国内では希少な設備であり、JAXAの設備を利用したいと希望する方がいらっしゃいます。もともと国の財産として建設した設備ですから、施設利用をご希望される方は、JAXA産業連携センターに窓口がありますのでそこにご相談いただき、調整した上で有償によりご利用いただいています。当センターにある設備を民間企業や大学、研究機関の方たちに積極的に使っていただき、日本の技術力を高めるのに役立てていただきたいと思います。
関連リンク: 産業連携センター