あけましておめでとうございます。赤井誠です。本年もよろしくお願いいたします。昨年末から今年にかけて様々なトラブルが起きて、いろいろ忙しく過ごしていました。
年末のコラムにも書いたように、今年もお金を稼ぐことより人生を楽しむことを最優先にやっていきたいと思います。こう言えるようになったのも不動産に出会って様々な活動を続けてきたからで、私の人生は不動産なしでは語れません。
今の私には規模を拡大してキャッシュフローを増加させるという初期の頃の考え方はありません。もう既にある程度、潤沢なキャッシュフローも得ていますし、私のような年代になると多くの地主系の大家さんがそうだったように、資産の保全や相続税対策などの方の重要度が上がってきます。
本日のコラムでは現状の私の資産状況を公開して、今後どのように進めていくかをお話ししたいと思います。世の中には私の規模の何倍の資産を形成された方もいるのですが、私のような規模でも十分満足いく人もいると思っていただければと思います。
不動産のやり方や考え方は人により違い、正解はありません。私はサラリーマン出身のため、どちらかというと考え方はコンサバで、規模の拡大より利益優先です。さらに無理せず、安全・確実に失敗しないように進めるというのを自分の考えとしてきました。
■現在の規模と財務状況
定期的に自分の資産状況を整理しているのですが、昨年末に今年の新築のために一旦現状を整理しました。私は常に以下のような形で個人の資産と法人の資産を整理しています。
を個人・法人毎に整理し、総資産としての融資額・残額・収支をまとめています。
私のように資産管理法人をいくつか持っている場合でも、銀行はすべてトータルの個人資産として見ています。私は現在、個人の資産は妻と50%ずつ、法人は3つ持っています。そのため、確定申告と法人決算で5つの資料を常にまとめて銀行に開示しています。
個々の細かい数字は出しませんが、全体でどのようになっているかを開示したいと思います。
1)所有戸数(国内・海外含む)
簡易的に区分や戸建てや太陽光も一棟としています。
内10棟は現金買いかローン完済済です。
2)資産規模
資産というのは売却するまでわからないので、こちらは購入価格としています。たた、所有する物件に関しては常に現状売却予想価格を調べていますが、ほとんどが購入価格より上回っています。
現在売却に出している5つの物件はすべて購入価格の20%以上upの査定となっています。まあこちらも実際に売却できない限り本当のところはわかりませんが、常に認識していることが大事だと思います。
3)借入金残債
ここ数年2億規模の新築をやり続けていたので、20%程度の頭金はいれていますが、借入金の残債は膨らみました。現時点の残債利回りは15.8%ですので、それなりの安全圏は保っていると思います。
こちらは20%以上を目指しています。
4)年間家賃収入
最近の新築は7%程度となかなか利回りをあげられないので、既存物件の家賃アップなどで収益の改善を進めています。ただ、こちらはもうそんなに多くを望んでいません。
5)年間返済額 返済比率
以前から何度かお話ししていますが、私が安全性の意味で一番重要視しているのは返済比率です。一気に拡大するにはハイレバレッジで投資すれば良いのですが、必ず何年に一度は大きな経済変動が起きます。
今起きている円安による原材料の大幅な値上がりなどもその一部かもしれません。そういった際に時代の寵児と呼ばれる急成長する会社が現れるのですが、大抵長くは持ちません。最近は無理している建築会社の破綻もいろいろ起きています。
ただ、過去の統計データを見ても借入金の返済比率が30%程度の会社は様々な経済変動を受けても生き残っているという結果があります。私はそれを基準に30%台を超えないように購入を自制しながら投資を進めています。今年は古い物件を売却して一部切り上げ返済を進めます。
6)個人法人の決算上の利益
法人は18期と12期連続黒字で、個人も20年連続黒字になっています。
7)税引後キャッシュフロー
不動産は多額の税金がかかります。そのため、税引き後のキャッシュフローが重要になります。家賃収入が1.5億あっても、返済と多額の税金を引かれるとどうしてもこの程度のキャッシュフローになります。
毎年、これくらいの預金は増えているのですが、今後は減価償却もどんどん減ってきますので、経費やローンの返済を減らす努力は続けていかないといけないと思います。
■まとめと今後
現在の財務状況はこんな感じです。個人的にはとりあえず人生を謳歌して、資産も残せる程度にはなってきたかなと考えています。
いろいろなニュースを見ていると、今年からやはりインフレがかなり進むと予想されています。私の融資のうち、今年の一月で都銀から融資を受けていた5年固定の融資が終わります。
この物件は私が融資受けている物件の中で遠隔地の札幌にあるため金利は首都圏の物件に比べて1.5倍程度高く0.9%で融資を受けていました。今回の提示額は1月から0.25%金利が上がったとはいえ、かなり高額な提示でした。
・変動で1.125%
・二年固定で2.210%
・五年固定で2.340%
・十年固定で2.570%
今回の都銀に限らず、先日新規融資していただいた信金でも同様の金利提示だったので、これからは固定金利の優遇幅が減らされていくのかもしれません。
定期金利も1年で0.8%の利子が付くような銀行もでてきている以上、銀行も調達金利はあがっています。そのため、今後もやはり融資金利は上昇傾向だと思います。固定金利の融資物件なども固定期間が切れる時期にはある程度の上昇は覚悟しないといけないと思います。
さらに今年は建築資材の値上げもありますし、燃料費・物流費もさらなる値上げが予想できます。新築の利回り低下はもちろん、現状回復費の値上げ、様々な人件費の値上げなど、所有物件の運営経費も増えると考えられます。
ハイレバレッジの会社には試練の年になるのではないでしょうか。
少なくとも1-2%の金利上昇になった場合のシミュレーションをきちんと行い、財務の状況把握と対策はきちんとしていくべきだと私は思います。