もはや、多くの人にとってルーティンになっているSNS。わたしのまわりにも、仕事中や食事中にもかかわらず数分ごとにチェックせずにはいられない人がいます。
SNSがメンタルに与える影響はよくない
SNSがメンタルに与える影響について、アメリカ精神医学会が調査をしたところ次のような結果になりました。
- ネガティブな影響がある 38%
- どちらもある 45%
- ポジティブな影響がある 5%
- わからない 12%
なんと約4割の人がSNSをするのはメンタルによくない影響があると答えています。なのにどうしてやめられないのでしょうか? 果てしてSNSをうまく使うにはどうしたらいいのでしょうか…。
SNSをリアルライフの代理にしない
そんな質問に答えてくれたのがメンタルヘルスを専門にするジョージタウン大学の心理学助教授、Jelena Kecmanovicさん。「The Conversation」の中でSNSの賢い利用法を提案しています。
その中のひとつ、「SNSをリアルライフの代わりにしない」というアドバイスに注目しました。
レストランで、相手とは向き合わずに自分のスマホとにらめっこしているカップル。コンサート会場で画像をSNSにアップすることに集中していて、音楽を楽しんでいるのかもわからない観客。皆さんもそんな光景に遭遇したことがあると思います。
振り返ってみて、自分がリアルの人間関係よりもデジタルの方を優先していたら要注意。
自分が人からやられたら良い気持ちもしません。KecmanovicさんはSNSはあくまでも自分のリアルな人間関係を充実させるためのツールであり、それにとって代わるものではないと注意を促しています。リアルな交流中はスマホを航空機モードにするのもありです。
使っているときはどういう気持ちになる?
Kecmanovicさんは、SNSをしている時や利用後の気持ちにも目を向けてみるべきだと言っています。たとえば利用時間や使う時間帯を変えてみて、自分の感じ方を意識してみます。
朝と夜では使った後の気分はどうでしょうか。1時間続けたときと数分だけ利用した時の気持ちは同じでしょうか。
彼女はまた、「なぜやるのか」を自問するようにと諭します。
勇気を出して、自分に正直になってみましょう。SNSをやろうとスマホやコンピューターに向かったとき自問するのです。「なぜいまこれをやろうとしているのか?」と。SNSがあなたにとってどんな意味があるのか、自分で考えるのです。
Be brave and brutally honest with yourself. Each time you reach for your phone (or computer) to check social media, answer the hard question: Why am I doing this now? Decide whether that’s what you want your life to be about.
「The Conversation」より引用
不要なものは捨てよう
知らない間に増えているSNSのフォロワーや友だちを吟味して取捨選択するのもひとつの方法です。自分にとって重要でつながっていたい人だけとつながっているのなら、見ず知らずの人の投稿に感情を乱されることも少なくなるかもしれません。
そう言うのは簡単だけど実行するのは…と、とまどう人に向けたKecmanovicさんの提案は、一定の期間やりとりがない人や直接知らない人はアンフレンド、ミュートなどの方法でカット。そうしてもほとんどの人は気づかないだろうと述べています。
また、彼女いわく、不要なものを省いたら、インスピレーションを受けるものを加えてみてはと提案しています。なるほど、不要なものに使われていたスペースを空けて、ポジティブを受け入れる。そうすればメンタルにも良い効果がありそうです。
ツールにコントロールされない覚悟を持つ
わたしは仕事関連でしかSNSを使っていないのですが(受け身一方)、それでもインスタグラムやTwitterを見ているとどんどん他の投稿へ移動して、ふと気づくと最初の目的とはまったく関係のないところへ行っていることも時々あります。
それがSNSのシステムであり一概に悪いとは言えないのですが、メンタルヘルスのためには意識的に使うことが本当に重要だと、あらためて感じました。
ひと昔前なら片手で数えられるだけだったコミュニケーション手段もいまや千差万別。
たくさんあるからこそ、より意識的に取捨選択して自分にとってプラスになるように使いたい。ツールに振り回されるのではなく、ツールをうまく使いこなしていきたいです。
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Image: shutterstock.com
Source: The Conversation