口論がヒートアップして、怒りの感情が入ってくると、結局手に負えなくなって、両者ともイライラして不満を抱えたまま終わることが多いです。しかし、口論になった時にソクラテス式問答法を使うと、無用な衝突を引き起こすことなく、相手にも自分の視点で物事を考えてもらえるようになります。
ソクラテス式問答法は、口論の元となっている問題点を指摘するのではなく、質問をすることで、感情ではなく現実の状況に焦点を当てます。これにより、両者ともに考えられるようになります。「Reddit」ユーザーのdarkcity2さんは、この問答法の使い方を以下のように説明しています。
夜遅く家に帰った時に、ガールフレンドがとても怒っていたとします。「連絡しないから、心配するじゃない! バーで女の子でもナンパしてたんでしょう!」と彼女が問いただしたら、「違うよ、絶対そんなことしてないよ」という展開になるはずです。これではらちがあきません。立場の強い方が勝つような展開です。こんな時は言い返すのではなく、質問をしましょう。相手を攻撃せずに、その場の状況をコントロールし、相手に偽善的な言い方や、問いただしている言葉に欠陥があることを知らしめるのです。
「なんでそんなに怒ってるの? 僕がそんなことをしてたとでも思ってるの? 夜遅くなっただけでそんなに怒るなんて、僕のことを信頼してないということ?」
売られたケンカを買って口論にするのではなく、彼女にどのような気持ちなのかを表すように促します。こうすると、あなたは彼女の言うことを聞こうとしているように思われます。結果、彼女はあなたを許すか、彼女の非や理不尽さを認めることになるでしょう。
ここでは恋愛を例にしましたが、この方法はどんな白熱した口論でもかなり使えます。「動物は捕獲されていないよ」というのではなく、「動物は捕獲されていたと思うの?」と聞きましょう。質問には「されたら答えなければならない」という心理作用が働きます。問題点を質問形式に置き換えることで、相手がその問題についてどのように思っているのかという視点を明らかできます。
これは考え方としてはかなりシンプルですが、口論を簡単に終結させられる方法です。今度、誰かと言い争いになった時は、落ち着いて「ソクラテス式問答法」で対応してみてください。
Adam Dachis(原文/訳:的野裕子)
Photo by Ben Crowe.