Inc以前の投稿で、どうやって自分の欠点と折り合いをつけて、現在のような企業家に成長したのか、ということについてお伝えしました。今日は、そのとき私が取った初めの一歩についてお話しましょう。

1990年代末のドットコムブームのまっただ中、私はウィスコンシン大学マディソン校を卒業したばかりの期待のルーキーでした。わずか卒業の数カ月後、私はとある大手産業エレクトロニクス企業に新設されたソフトウェア部門で働き始めました。商品マーケティングのスペシャリストとして、私は7つの異なるラインのソフトウェアを担当することになりました。

私は学士号まで取得した経営学を創造的に活かせると興奮し、マディソン校で受けた教育を活かすために必死でした。また、その会社はとても大きく成功していたので(名前は挙げませんが、有名な企業と言って差し支えないでしょう)、イノベーションを奨励してくれるだろうと思っていました。

仕事を始めたばかりの頃、私は出世の階段を上ることを夢見ていたのです。新しいアイデアを出そうと躍起になりましたし、会社を変化させる刺激を与える人になって企業文化に創造性を注入しようとしていました。22歳にして自分の人生の青写真は描かれた...少なくとも当時の私はそう考えていたのです。

そして、仕事を始めてまもなく、私は多くの権限を与えられましたが、実際のところ、自分の仕事ではイノベーションとは正反対のことを求められているのだとすぐに気づき意気消沈しました。

そこで、私は行動を起こそうと決意しました。何日も徹夜をしてインターネット対応の新製品を考案し、経営陣にプレゼンするため目を引くようなビジネスアイデアを考えました。でも、ショックだったのは、上司たちが私のアイデアを支持してくれなかったことです。彼らは、「どうして新製品を考えることに時間を使うんだ。そんなこと、やめなさい」と言うのです。

私の創造的熱意は砕け散りました。私は、課題を与えられ、リスクがあっても構築するよう推奨されるような仕事に就きたかったのです。私の若い精神は活かされることを望んでいましたが、そのようなことは何も起こりませんでした。

無念の気持ちが私の心の内部に、ガン細胞のように育つのに長い時間を要しませんでした。やがて、私は自分の仕事が嫌になりました。仕事に行くのも怖くなりました。こんなのは私が描いていた未来ではありませんでした。夢を叶えるためには、自分自身で環境を作るしかないのだと気づいたのです。自分で、イノベーションを高く評価し、奨励し、支持してくれるような会社を作るしかなかったのです。

有名なTED TalkでDan Pink氏が言っているように、真のモチベーションは従来の報酬からは生まれてこないのです。それは、自分が真に望む物事を成し遂げることから生まれるのです。つまりは、創造性を養い、自分の人生の真の目的を見つけるということです。

私はあの場所でそれをできる地位になかったので仕事を変えるしかないと悟りました。別の選択肢として、平凡なキャリア(経歴)を構築していくという方法もありましたが、そうするには、私の情熱と希望はあまりに大きすぎました。これは真の底辺からの再出発であり、大変な目には遭いましたが、ありがたいことにこの頃の変化はとてもスピードが速かったのです。

行動を起こすべき時には奇妙な安心感が訪れる

未知の世界に飛び込むということは怖いことです。セキュリティネット(安全網)が何もないのですから。しかし、行動を起こすべき時だと感じた時というのは、奇妙な安心感があるものです。そして、本当に停滞した地位に身を置いているのなら、その状況を断ち切るべきです。今、自分のスキル、情熱そしてもっと素晴らしいことをしたいと思う気持ちを頼りにして暗黒の時代から脱出しようとしているのです。そして、心の中の炎が十分に明るく点ったら...さあ時は来ましたよ。Henry Clay Payne氏の有名な言葉にもあるように「低い目標に甘んじるよりは、高い目標に届かないほうがよい」のです。

もし、自分の環境から必死になって出ようとすることがなければ、おそらく私は自分の会社を設立するという自分の目標に気づかなかったでしょう。振り返ってみると、早いうちにそのことに気づくチャンスを得たことはありがたいことだったと思います。なぜなら、私はとても若かったので、住宅ローンやら家族の扶養などについて心配せずに羽ばたくことができたからです。それから、私の野望は試練を受けることになるのですが、その話はまた別の機会にすることにしましょう。

If You Hate Your Job, Just Quit

Anil Rathi(訳:コニャック)

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