cafeglobeより転載:「たまっていたレシピ本をKondoしたわ」「携帯にたまっていた音楽をKondoしたよ」。
今アメリカでブームになっている「Kondo」という言葉。これは、片付けコンサルタント近藤麻理恵さんが提案する「ときめく片付け」のことです。アメリカで昨年10月に出版された『The Life-Changing Magic of Tidying Up』(原著『人生がときめく 片付けの魔法』)は30万部以上を売り上げ、彼女の他の著書も出版が予定されているほどの人気。
人気の秘密は?
なぜ、日本発の「ときめく片付け」がこんなにもブームとなっているのでしょうか。それは、
『The Life-Changing Magic of Tidying Up』は 完璧なタイミングで出版されました。これは人びとの価値観のシフトをリードしている本です。 多くの人が雑然とした生活の転換点に達したときに出版され、世界中の読者の心を掴みました。経済の回復や、衣類や家庭用品の寄付の増加とコンパクト化というトレンドと一致しています。「Wall Street Journal」より意訳引用
と分析されています。
「できるだけシンプルに暮らしたい」というのは日本だけでなく、世界中で共通するトレンドのようです。ニューヨークでは限られたスペースのアパートで暮らす人が多いこともあり、不要なものを捨ててすっきりしたいと思っている人が多いよう。
規模の大きなアパートのなかには、建物内に衣類を寄付できる箱が設置されているところもありますし、街中に寄付を受け付けているリサイクルショップがあります。部屋の整理整頓だけでなく、たまった本やデータの整理が心を整理することにつながると実感している人もいます。
ユニークなコンセプトも人気の鍵
また、近藤さんの「ときめく片付け」は人種を超えたトレンドにマッチしただけでなく、そのユニークさも受けているようです。
「同本は素晴らしい思います」と、近藤さんの本とは関係のない自己啓発本を専門にする出版社、Workman Publishingの編集者であるSusan Bolotinさんは言います。「夢見るような内容が含まれています」「想像を超えた何かを約束してくれる本。まるで魔法のようです」「Wall Street Journal」より意訳引用
アメリカでは自己啓発本の人気が高く、片付け本に関してはここ10年ほどで需要が高まってきたと言います。そのなかでも、近藤さんの提案する「ときめく片付け」はそのオリジナリティのあるコンセプトでファンを獲得しているようです。
Winston-Salemに住む36歳の絵本作家、Megan Bryantさんは同本を大変気に入り、そのティップスや進行状況を友だちとシェアするためにFacebookグループを作りました。「一気に読んでしまいました」と彼女は言います。「片付けや整理整頓を学ぶのに興奮するなんておもしろいことです。ページをめくる度に、次々とひらめく感じでした」「Wall Street Journal」より意訳引用
子どもの頃から片付けることが大好きだったという近藤さんが提案する「ときめく片づけ」は「Does it spark joy?」というかたちで、アメリカ人にも受け入れられています。
近藤さんの本を出版しているカリフォルニアベースの出版社は当初3万冊だった出版部数を「多すぎるではないか」と心配したそう。でも、リリース前に個人経営の本屋やブロガーに本を送ったところ追加注文が入り、口コミで人気が広がっていきました。
ときめくものだけを手元に置いておく、日本発のシンプルな生き方のコンセプトが世界中で受け入れられている。人種や文化を超えた人々の根本的なニーズを捉えたものは国境を超えて受け入れられるということを、「ときめく片づけ」の成功が証明しています。
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(白石里美)