キャリアアップを目指している皆さんに、知っておいてほしい真実があります。

人生を左右するのは、「能力」ではなく、「選択」です。30代で多くの知識を身につけても、40代や50代で停滞してしまう人がいます。一方で、わざわざ市場価値を高めずとも、一気に成功を手にする人もいます。この違いは一体どこにあるのでしょうか?

その鍵は「選択」にあります。キャリアにおいて、能力よりもはるかに大きな影響を持つのが、この「選択」なのです。今回は、私が上梓した新刊30代から、どう働くか~お金、やりがい、自由~何もあきらめない人生戦略からポイントを抜粋し、ポイントを紹介します。

給料が上がらない、は誰のせいでもない

「この会社では給与が上がらないな…。」 「やりがいを感じないな…。」 「家族がいるので、転職も簡単にはできないし…。」これらは会社や家族のせいではありません。それも、あなた自身の選択の結果なのです。

私は研修会社「株式会社らしさラボ」の代表として、多くのリーディングカンパニーでキャリアやリーダーシップに関する研修を提供していますが、中高年の受講者を見て思うことがあります。それは、「もったいないな…」ということです。

イキイキしている人にはそんなことを思いませんが、ミドル世代には息苦しそうな人もいます。でも、選択肢を知ると、その息苦しさを感じることもなく自分らしいキャリアを歩めるのです。

キャリアを「ピボット」する時代

最近、「事業成長に向け、どこにピボット(方向転換)するべきか」という言葉を耳にします。今は、自らを成長させるべく、どの「キャリア」にピボットしていくのか、自分で考える時代です。

そこで、紹介したいのが「キャリアポートフォリオ」を活用する方法です。以下の4象限でキャリアを考えてみてください。

  1. 経営人材(経営者になる、経営幹部になる)
  2. マネジメント人材(管理職になる)
  3. スペシャリスト人材(専門職になる)
  4. オペレーション人材(現場の業務を担う)

今のあなたがどの位置にいるのか、そしてどこにピボットしていきたいのかを考えることで、キャリアの選択肢が広がります。

例えば、こんな人がまわりにいませんか。

・自らの意志で、昇進試験を受けて管理職になった。

・資格を取得し、今はスペシャリストとして活躍している。

・会社では、工場の作業員だが、地域のスポーツ団体の監督をしている。

・職場では、オペレーション人材だけど、労働組合のリーダーを兼務している。

私の研修先では「パラレル」で実現されているケースも増えています。

・フリーで、オンライン講座の講師をするIT企業の社員

・ワイン輸入の法人を経営する、上場企業の研修担当者。

・Youtubeの動画制作をフリーで請け負う出版会社の社員。

・資本を出し、運営を任せる形態で「おにぎり屋」の経営をする営業課長。

・ビジネス書の著者でもある、外資系企業のトップセールス。

・ベンチャー企業の営業部門をマネジメントする、フリーのコンサルタント。

選択した人だけが、得られる境地

この真実を知ると、「転職するのか、残るのか」といった選択が、いかに狭い選択であるのかがわかるでしょう。

さて、質問です。この4つのキャリアで、もっとも簡単になれるのはどれだと思いますか?

実は、「経営人材」「専門人材」です。

面接はありません。法務局に行って、書類を提出すれば、その日から代表取締役になれます。資本金は法的には1円でもOKです。

専門人材も一緒。「YouTubeでノウハウを提供します」とトライすれば、登録者が一定以上になれば収益が発生しますので、リスクを背負うことなくYouTuberになれます。しかも、どちらも会社を辞めずにやっている人も、たくさんいます。

さらには、将来のお金に不安すらも解消できます。新NISAが注目されていますが、利回り(収益)で考えると、事業に充てた方が、大きく跳ねるものです。

例えば、先ほど紹介した「ベンチャー企業の営業部門をマネジメントする、フリーのコンサルタント」の方は、コンサルタントの収入だけで年間700万だそうです。

また、「フリーで、オンライン講座の講師をするIT企業の社員」は、推定ですが講座だけの収入で、年間2,000~4,000万の収入になっています。でも、会社が好きなので辞めない、と言っていました。まさに選択です。(ちなみに彼は25歳!)。

自分の人生は、会社や国が考えてくれるものではありません。自分で選択する、これが30代でやるべきことなのです。

選択肢を知ったら、次に考えたいのは、「何歳頃には、こうなりたい、そして何歳頃には、こうなっていたい」、そのように未来を丁寧に考える時間を持つこともやっておくといいでしょう。近いところに着地することが多いですから。


40代から活躍する人たちは、30代で多くの選択肢を知り、自分がなりたい姿を描き、それに向けて努力してきました。人生は能力ではなく、選択で決まります。あなたも、自分の強みを活かし、多くの選択肢の中から自分らしいキャリアを選び取ってください。

人生を豊かにするのは、自分自身の選択です。他人や環境に左右されるのではなく、自分の意思で道を切り開いていきましょう。


伊庭 正康 株式会社らしさラボ 代表取締役

伊庭 正康 株式会社らしさラボ 代表取締役

リクルートグループ入社。残業レスで営業とマネジャーの両部門で累計40回以上の表彰を受賞。その後、部長、社内ベンチャーの代表を歴任。2011年、株式会社らしさラボ設立。リーダー、営業力、時間管理等、年間200回以上の研修に登壇。リピート率は9割以上。現在は、オンラインを活用した研修も好評。近著に16万部を超える『できるリーダーは、「これ」しかやらない メンバーが自ら動き出す「任せ方」のコツ(PHP研究所)』『できる営業は、「これ」しかやらない(PHP研究所)』『結局、「しつこい人」がすべてを手に入れる(アスコム)』など、他多数の書籍がある。

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