この本は、数年先ですらどうなるかわからない不安で不確定な時代に、未熟なまま、チャレンジの途中でも、格好悪くてもかまわずに、自分の考えや想いをアウトプットできるようになる本です。この本で紹介しているアウトプット法を学べば、理解され共感され、協力者が増え、仲間とともに楽しく人生を過ごせるようになります。
(「PROLOGUE アウトプットの質があなたの人生の質になる」より)
『朝15分からできる! 人生が変わる! 週末アウトプット』(池田 千恵 著、日本実業出版社)の著者はこう述べています。
「アウトプット」からイメージすることは人それぞれかもしれませんが、本書では「あなたの考えや活動を誰かに知ってもらい、協力を得られるようにするための働きかけ全般」と定義しているのだとか。
つまり、この本で学べるのは、自分自身の「中身」をどうアウトプットするかの方法論です。
具体的には、自分自身の考えや経験を、「あうん」の呼吸で知ってもらっている仲間から広げて、一歩越えた先にまで伝える方法を「書く」「話す」「作る」「動く」に分けて具体的に解説します。
(「PROLOGUE アウトプットの質があなたの人生の質になる」より)
著者は、自分の「中身」のアウトプットはAI時代に必要不可欠だと考えているのだそうです。なぜなら、考えていることを自分の「外」に出すことができれば、それをAIでまとめ、わかりやすい表現にし、うまく伝える工夫ができるから。
つまりここでは従来のアウトプット法ではなく、自身の考えや経験、未来への希望などをアウトプットする方法が紹介されているのです。Chapter 1「インプット偏重からアウトプット志向に変わる マインドセット編」に焦点を当ててみましょう。
アウトプットしてからインプットする
「行動しよう」という気持ちと、「でも、やっぱり無理かも」というような気持ちがせめぎ合うような状況は、決して珍しいものではないでしょう。
そして心配や不安が積み重なるほど、「インプットしなくては」という思いが大きくなったりもするもの。調べたり本を読んだり人に聞いたり、いまの自分に「足りない」ことを埋めようとしてインプットをするわけです。
しかし、どれだけ能動的に動いても、前に進んだ気がしないということもあるのではないでしょうか。著者によればそれは、インプットしすぎて、情報処理のキャパを超えている状態。いいかえれば情報の消化不良状態に陥っているということです。もちろんインプットすること自体が悪いわけではありませんが、それでも不安が拭えないなら意味がないともいえそうです。
そこで、著者はこう訴えるのです。
不安だからこそ、インプットではなくアウトプットが必要です。
なぜなら、アウトプットしていかないと自分の方向性が間違っているのかそうでないのか、楽しいのか楽しくないのかがわからず、知識だけが肥大化してますます動けなくなってしまうからです。(44ページより)
大切なのは、「なんのために、なにを学ぶのか」であるはず。漠然と「いつか役に立つかもしれない」と思って学ぶのと、「この学びを誰かに伝えよう」と思って学のでは、結果に雲泥の差が出るわけです。
伝えるつもりでまとめることで、いままでとは違う頭の使い方をマスターでき、いままで無駄に思っていたような仕事まで学びの対象となります。(46ページより)
もちろん失敗もあるかもしれませんが、失敗があるからこそ改善点がわかるものでもあります。そういう意味でも、「まずはアウトプットして、その結果をインプットする」ことが大切なのだということです。(44ページより)
気軽なアウトプットで仕事にも好影響が生まれる
アウトプットを習慣化できると、仕事にもいい影響が生まれるそう。メリットは大きく次の4つになるといいます。それぞれを確認してみましょう。
① いままでの経験が生きる
本書で紹介されている「アウトプット」は、できないまま、中途半端なまま、完璧を目指さないまま挑戦する方法。つまり「できない」「下手」「満足できない」状態から始まるということですが、著者によればそれは喜ばしいこと。
なぜなら、できなかったことができるプロセスが自分の中に感覚として身につくからです。いま「できない」「うまくいかない」ことも自分の価値です。(55ページより)
② 人前で話すのが得意になる
アウトプットは経験や知識を言語化する行為。伝えることに敏感になるため、練習を重ねるうちに話すことがだんだん得意になっていくわけです。
「話しベタです」という方がいらっしゃいますが、話すのがうまくなるかどうかは、ただの「場数」です。何度も何度もアウトプットをしているうちに、本番に強くなり、度胸がつきます。(56ページより)
③ 経験を教材として、いずれマネタイズも可能になる
アウトプットを続けていると、インプット主体だったころよりも学びの速度が高まるもの。つまり、経験がすべて教材になるのです。
経験をメソッド化することができれば、いまの仕事が楽しくないな、と思ったときでも、この経験をコンテンツにしよう、と視点を変えることができるようになります。(57ページより)
④ 人の役に立って感謝される
アウトプットは、自分の考えや知識、経験を周囲に伝え、相手に影響を与えることにつながるもの。「誰かの人生を、ほんの少しでもいい方向に向けられた」と実感できれば、それは自身のモチベーションアップにもつながることでしょう。
これら4つの好影響は、「自分なんてまだまだだ」と思いながらインプットばかりしていたら決して得られないものだということです。(54ページより)
AI時代に必要なのは、自分がどのような経験を経て、どんな信念を持っているかなど、自分の「中身」をしっかりアウトプットすることだと著者は主張しています。そうした考えに基づく本書を活用し、この週末からさっそくアウトプットを試みてみるのもいいかもしれません。
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Source: 日本実業出版社