最初の頃は、デジカメの写真って場所も取らないし最高! なんて言っていたのに、年々一枚一枚の画像のサイズも大きくなり、ものすごい勢いでハードディスクを占拠していく写真コレクション。いつの間にかどのフォルダに何が入っているのかも分からなくなり、パソコンが2台に増えた後では、どっちのパソコンにどの写真を入れているかとかも含めてもう管理しきれず、なんとなく見ないようにしている、という方向けに、フリーツールを使って写真のメタデータの修正、重複の削除、フォルダの整理などをする方法を教えちゃいます!
今回の記事の目的は、「写真コレクションが引き起こしがちな、問題の解決案を提案する」こと。画像整理に何を使っていようが、デジカメのファイルデータがどんな形式であろうが使える手法ばかりです。重複削除、メタタグ整理、フォルダ整理などの作業が一通り終わったら、今後はきっと写真を整理しておけるはず!
注意:この記事はWindowsシステムでの整理方法を主として話を進めていきます。ですが、Macでも使える方法や提案も含まれていますので、Macユーザの方でも一読すれば役に立つはず、です。また、画像の整理を始める前に全ての画像データを一度、外付けHDDや「Mozy」や「Carbonite」などのオフサイトサービスなどにバックアップしておくことをオススメします。バックアップを取っておけば、過去3年分の写真を間違って消してしまった...なんていう悲劇から身を守れますよ。
■間違った日付やその他のメタデータ2009年12月に撮影したハワイでの思い出写真の数々。が、しかし、日付を見ると撮影日が全て2005年1月1日になっている。んー、これは確かに気になります。これは画像がいつどこでどんなふうに撮影されたなどかの情報を含むEXIFデータ(またはメタデータ)が埋め込まれていることが原因です。
カメラ自体がこのデータを上手く埋め込めない場合もあればフォトアプリケーションがこの情報を壊してしまうこともあります。その原因が何だとしても、この問題を解決するにはMicrosoftのPro Photoソフトウェアが強力なツールです。フォルダ、またはファイルグループをドラッグし、画像を一つ(または全て)選択し、修正したい箇所を直して下さい。タイムスタンプやロケーションデータなどの修正/追加が可能です。
Mac: 『ShootShifter』は、画像の名前を整理出来るツールでもあり、タイムスタンプの修正や統一にも使える、パワフルなフリーツールです。『Shootshifter』でフォトグループを選択し、タイムスタンプを設定すると、そのデータは写真の閲覧にユーザが使用しているフォトプログラム用にロックされます。
■重複の削除一言に重複と言っても、ハードドライブ上にある写真の重複には2種類あります。一つは「(1)」や「-copy」などの名前が付いたまったく同じ画像が存在していること。もう一つは全く同じ場所、同じ時間に連写モードなどで撮影された区別出来ないほど似た画像、またはフォトツールなどでリサイズされた、画像の大きさのみことなるものが存在することです。
重複ファイル:カメラから同じ画像を2度以上読み込んでしまった、などの原因でピクチャフォルダに重複ファイルがある可能性があるなら、重複ファイルファインダーを実行してみましょう。
Windows:『Fast Duplicate File Finder (FDFF)』がオススメです。フリーバージョンでもパワフルでスピーディーで正確な作業をしてくれますよ。かなり膨大な量のフォルダからでも、同じ画像がある場合、さくっと見つけ出してくれます。FDFFは、検索で見つかった画像のプレビュー表示も可能で、例えば新しい方をコピー/削除、または古い方をコピー/削除などが簡単に出来るように設計されたフィルターなどもあり、かなり便利です。これまでにも『WinMerge』や『Easy Duplicate Finderなど多くのフリー重複ファイルツール(英語記事)を紹介してきているので、その中から気に入ったものを使ってみて下さい!
Mac:Pythonスクリプトが使いこなせる方であれば『The Dupinator』を試してみて下さい。クロスプラットフォームツール『Duplicate Files Searcher』あたりも便利です。また重複ファインダーを含むパワフルなディスククリーンアップツール『Tidy Up!』あたりもオススメなのですが、これは有償ツールなのでトライアル期間終了後には30ドルかかってしまいます。 重複画像:重複ファイルの検索も最初のステップとしては有力ですが、コレクションの整理に必要なのは、「ほぼ完全に同じ画像」や、リサイズ、クロップされたコピーなどの整理です。よく似た画像を探し出すために便利なツールをいくつかご紹介します。 Windows:以前、『DupliFinder』がフォルダの重複スキャンには便利なツールだ、という記事を書いたことがあるのですが、これはほんとに便利なツールです。ですが、ほんとうに細かいところの類似までピックアップしてきてしまうので、ここらへんはスルーして、一致しているパーセンテージベースにソートしていくと良いかと思います。検索方法をもう少し自分でコントロールしたい、という方は『VisiPics』(上記の画像)がオススメです。各画像ファイルの実際のフォトコンテンツをスキャンしていくので、データの量が膨大な場合、かなり時間がかかってしまう可能性もありますが、バックグラウンドで走らせながらネットを見たり仕事をしたりすることも可能なレベルなので、それほど負担にはならないかと思います。
一致した画像は一緒に表示され、どこからを一致と認識するかスケールも設定可能。シェアウェアなので、一部の機能にロックがかかっていますが、フリーで使える機能だけでも、クリーニングの際には十分に役立ってくれるはずです。『VisiPics』を使い始めるには、真ん中上にある列のリストからフォトフォルダを選択し、「+」と書いてある右向きの矢印をクリックし、『VisiPics』のキューに追加し、真ん中の再生ボタンをクリックし重複スキャンを開始します。注意: 過去にPicasa、iPhotoなどのフォト管理ツールを使って写真の整理、編集を行ったことがある場合、相当な数の重複写真が見つかる場合があります。これらのアプリは「オリジナル画像」を入れるフォルダを作成することによって、画像を変更した場合でも元に戻せるようにしており、クイックブラウジングを可能にするために、サムネイル画像のキャッシュを取っているため重複が沢山検出されます。これらのアプリを、この先もう使わない、変更を元に戻さない、という確信がある方であれば、これらのフォルダや重複を削除してしまっても問題ないはずです。Picasa、iPhotoなどをメインの管理ツールとして使っている方はこれらをキープし、これらのフォルダを検索範囲から外しておきましょう。ちなみにPicasaの場合、Experimentalメニューに「Show Duplicate Photos」というオプションがあります。ですが、まだ開発段階なので、現状では何が削除されるのかがはっきりとは分かりません。この機能を使うなら、もう少し使いやすくなるまで待つのが得策かと思います。
Mac: 『Duplicate Annihilator』はiPhoto(またはAperture 3)用のシェアウェアプラグイン。iPhotoデータベースをスキャンし、重複を検出してくれます。ユーザレビューも好評で、無料で試せるトライアルも提供されているので、気になった方は試してみては?
■意味不明な名前が付けられたフォルダを整理カメラから自動的に写真を追加していってくれるフォトツールのせいなのか、自分の数年に渡る怠慢のせいなのかは、この際置いておくにしても、フォトフォルダに入っているフォルダの多くが「意味不明な名前」になっていたりしないでしょうか?
例えば、UbuntuのフォトマネージャーF-Spotの場合、年>月>日というフォルダシステムを作っていくので日付の数だけフォルダが作成されてしまいます。プロのカメラマンであれば、日付ごと=撮影現場ごと、などとなるはずなので便利かも知れませんが、2泊3日のキャンプの写真が3つのフォルダに別れてしまう、というのは一般ユーザとしては不便なものです。
Windows、Mac、Linux(Linuxでは要多少のハック)をこの状態から救出してくれるのはPicasaなのです。過去にPicasaを使った整理方法(英語記事)を取り上げたこともありましたが、その中からハイライト部分のみを取り出し、Googleのフォトオーガナイザーの最新版を使った概要をご紹介。最初の手順は下記の順序。
- ツールメニューからフォルダ管理を選択し、デジタルフォトが保存されているフォルダを探し出します。
- 右にあるボタンをクリックしこのフォルダを「常にスキャン」するようにPicasaの設定を変えます(少なくともファイルの整理を行っている間はこの設定にして下さい)。
- 下にあるOKをクリックし、Picasaがフォトフォルダをスキャンし終わるまでしばらく待ちます。
- 終了すると左側のパネルにフォルダのリストが表示されます。
前述したタイムスタンプを修正していない場合、Picasaは写真がいつ撮影されたのかを推測しようとするので、大幅に間違っている可能性も高いです。その場合、あまり見映えの美しくない表示となっているかも知れません。
フォルダがどんな状態だったかはさておき、これから写真を引っ越しさせてやることになります。上部にあるビューメニューから、フォルダビューへスクロールし、ソート方法をいくつか試してみて下さい。これから写真をどのように整理していくか、Picasa、iPhoto、またはその他のソフトを使って管理するのかなどについて、あらかじめ決めておきましょう。
Picasa、iPhotoあたりを使う場合、日付でのマニュアル整理は不要ですが、イベントを作成していく必要はあります。また、Picasa、iPhotoには顔認識機能が付いていて、タグ付けやお気に入りシステムなどが使えるので、特定の人が写っているお気に入り写真のみのフォルダをわざわざ作成する必要はありません。後から見て何のことか分かる名前をフォルダに付けて整理しておくと、将来の自分にとって便利ですよ。左側のパネルにあるフォルダをクリックして、メインパネルのサムネイルへジャンプします。グループ内に、属するべきフォルダを明らかに間違っている画像が発見された場合、個別に選択し(複数選択する場合はCtrlキー/MacならCommandキーを押しながら選択)、左下のボックスにある緑色のピンボタンをクリックし(または Ctrl+H)、ワーキンググループへ追加します。アルバム全体を移動させたい場合、左側のパネルから選択、またはメインパネルからフォルダ名をクリックし、個々の写真を選択していない状態でピンします。
同じグループの写真をピンし終わったら、ピンされたアイテムのトレイから全てを選択し、移動先のフォルダへドラッグしてコピーし、元のフォルダを削除します。
新規フォルダを作成したい場合は、ピンされたアイテムが選択されている状態でファイルメニューから「新規フォルダへ移動」を選択。Picasaは「アルバム」単位で写真を整理しようとする傾向があり、これはPicasaによって一つのアルバムのように表示される、というだけで他のアプリから開くと同じアルバムの写真は色んなフォルダにあちこち点在する、という状態を作り出してしまい、フォルダが整理されていない状態を招く原因となってしまいます。なので、Picasa内で画像を移動させる場合、アルバム間ではなくフォルダ間でファイルを移動させて下さい。
確かに時間はかかりますが、Picasaのサムネイルイメージをスキャンし、画像をピンし、移動させることによって、人間の目から見ても、フォトアプリから見ても意味の分かる整理方法を実現することが可能です。
フォトコレクション整理に役立つツールは見つかりましたでしょうか?
この記事では紹介されていない便利なツールをご存知の方はぜひコメントで教えて下さい!
Kevin Purdy (原文/まいるす・ゑびす)