インフルエンザの流行シーズンを前に、10月から各地の医療機関でワクチン接種が始まりました。マスクの品薄騒ぎを引き起こした昨年の新型インフルエンザ(H1N1)に代わり、今季猛威を振るうのは読者Cornered Citizenさん曰く「iFluenza™」かもしれません。
PCキーボードや携帯電話は「ばい菌だらけでトイレや靴底より汚い」という調査結果は有名ですが、iPhoneやiPadなどのタッチスクリーン端末の普及により、私たちを取り巻く状況はちょいと変わりました。インフルエンザ等への感染リスク、特にウイルスが付着した物を触った手で口や鼻の粘膜に触れる接触感染のリスクが高まったと考えられます。これからは携帯も除菌する時代という声もあるなか、タッチスクリーンを介して病原菌に感染する危険性が高いという研究結果が応用微生物学学会誌「Journal of Applied Microbiology 」で発表されました。
ほとんどのウイルスが手に付着するため、不特定多数の人が素手で触る、会社のドアノブやエレベーターのボタン、共有パソコンや電話、資料、交通機関のつり革などの物を介してウイルスが広がるのは、皆さんもご存じのとおり。
様々な感染経路の中でもとりわけ、携帯をはじめとするモバイルツールは不潔とキッパリ言い切っています。雑菌にとって繁殖に好都合な条件が揃っていますからね...。携帯の貸し借りに躊躇してしまいそうです。
なんでも、スマートフォン(高機能携帯電話)などのタッチスクリーンのガラス面にウイルスがあれば、触ることにより約30%は指先にうつるというから、驚きです。
そのウイルスに触れた手で目や鼻を触ると、粘膜・結膜などを通じてウイルスが体の中に入り、健康に悪影響が出る可能性もあります。き、気を付けないと!! 研究の共同実施者でスタンフォード大学の博士課程に所属する学生Timothy Julian氏は、
自分のデバイスを他人に使わせるのは、インフルエンザウイルスをシェアしてるのと同じ。触れたユーザーとウイルスを共有することになる。
と警告しています。感染を防ぎたいなら、なるべく自分の携帯や多機能端末を他人に触らせない。他人の携帯(のタッチスクリーン)も触らない、ってことですね。
英国の消費者情報誌「Which?」が、携帯電話30台の衛生状態を専門家に調べてもらったところ、平均で、男性用トイレの水洗レバー(取っ手)より18倍以上もの数の有害な細菌がうようよいたそうです。菌の繁殖を防ぐため、抗菌作用のある濡れティッシュで拭いたり、携帯用除菌スプレーを使ったりして、定期的に掃除するなどの対策を呼びかけています。ネタ元ではAOLのライター、 David Knowles氏が拭き取る表面を傷めることなく、汚れやホコリを除去するアップル製品のために開発されたクリーナー「iKlear」を使ったiPadのお手入れ方法を動画付きで紹介しているので参考にどうぞ。気にしたらきりがないですが、携帯やiPadは清潔に。
[AOL, photo, top, via Shutterstock.com, iPad photo via Simon Chow/Flickr]
Ryan Tate(原文/訳:kiki)