いつの時代も若い人たちは、中年以上の人々から、「近頃の若者はまったく...」と言われますよね。でも、本当に若い人の知識は希薄なのでしょうか。もしかしたら、中年以上の人が当然のこととして知っていることを、20代の若者は知らないという知識のずれもあるのではないでしょうか。
確かに若い人は古きよき日本語を知らないかもしれないけれど、それは彼らの不勉強からきているとは必ずしも言えないと思うのです。なぜなら中年以上の人々が受けた教育と、今のそれとは隔たりがあるからです。 例えば、昔は古文調の文章も多く教科書に載っていたし、情報を得る媒体としては、テレビやインターネットよりは、新聞や本、雑誌の方が優勢でした。つまり、今よりも文字に多く接してきたのです。しかし、ここ何回かの学習指導要綱変更では、伝統ある文学作品がコマ数を減らす対象になっていたりします。それゆえ、中年以上の人が当たり前のように教科書で読んできた作品を、若い人が知らないということが起こるのでしょう。もちろん習わなくても自分で読んでいくことはできるけれど、それをしようとする人、それができる人の数は知れていますよね。
ここで私が言いたいのは教育改革云々ではなく、世代間でお互いの格差を認める必要があるのではということです。自分が当然のごとく知っていることを相手が知らないとき、相手が年下だからと「若い人こんなことも知らないのか」と思わないこと、逆に相手が年上の場合は「どうせ年寄りに何を言っても無駄だ」とつきはなさないことです。鶏と卵の関係のようになってしまいますが、知らないことを知らないと言えない原因も、相手からの蔑みの眼差しを恐れてることにあるのではないでしょうか。
このままでは中年以上と以下との意識格差がどんどん大きくなっていってしまいます。これは普遍的な問題とも言えますが、お互いを思いやって歩み寄る必要もあるのではないでしょうか。ね、仲良くしましょうよ。
(山内純子)
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